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補聴器ユーザーが観劇をより楽しめる方法、募集中です!

「ねぇねぇ、これ観に行こうよ」

と送られてきたURLをタップすると、それは舞台の案内だった。実はずっとずっと気になっていた舞台だったので、誘ってもらえたことは、とっても嬉しい。

「わーー。わたしも、気になっていたの。行きたい!」

と返事をすると

「情報保障、どうしよっかね」

と返事がきた。一番にここを気にしてくれる人がわたしを誘ってくれているというところが、とてもうれしいポイント。

ちなみに、情報保障というのは、障害のある人が情報を入手するにあたり必要なサポートのことで、舞台鑑賞になると
・台本の貸し出し
・話者の口形が見やすい席への案内
・補聴システムの貸し出しや持参の可否
・字幕眼鏡の貸し出し
・字幕アプリの適用
・ヒアリングループの利用
などがある。わたしは、上記の情報保障は全て経験したことがある。

メッセージの送り主はキコエル人で、その人ひとりで観に行くんだったら多分絶対に必要ないひと手間。わたしが「気になる」と思いつつ自分から「行こう」と決意できずにモジモジしていた理由もやっぱり「でもこれ、わたし聴き取れないよな」という半ば諦めみたいなものだった。

だから、この情報保障については、誘ってもらったからには自分でお問合せフォームを探してメールをしないとなぁと思っていたところで。でもまぁ、チケット取ってからでいいかぁ……と一度トーク画面を閉じてしまっていた。なんでも、追い詰められないと動けないタイプなので。

でも数分後、また通知が来てトーク画面を開くと

今お問合せに電話したんだけどさ、台本の貸し出しはないんだって。開演2時間前に部屋をひとつ用意するからそこで台本を読むことはできるけど、持ち出しは禁止らしい。

とのメッセージが。

なんと。当事者のわたしが「これは、大仕事だぞおう」と自分で自分を奮い立たせる前に、電話でサラッとお問合せまで済ませてくれただと……。

普通にキコエル友達を誘ったら、要らなかったであろうこのひと手間。それを「だって一緒に楽しみたいじゃん」とただそれだけの理由で一緒に考えてくれる人が、わたしの周りにはいるんです。これ、ものすごい自慢。

メッセージの主は、この対応にわりと憤慨していて「これ、情報保障って言えなくない?こんなこと言われて良い気持ちしないだろうし、観劇やめようか?」なんて言ってくれる始末。

いやいやいや……。確かに、休憩含めて3時間半を超える大舞台。それを台本なしで聴き取れるかというと、多分無理。前半はなんとかなったとしても、後半は本当にキツい。台本を事前に読ませてもらうにしても、そんな大作を短時間で最後までちゃんと読み込めるかというとそれも微妙。いや、多分無理。記憶力には自信があるけど、それでもやっぱりこれは大変。

だけれども、幸い原作のある舞台だし、すでに上映も始まっているから事前にパンフレットを購入することも可能だと思う。だから、事前にしっかりと予習をしていってストーリーを理解して当日を迎えるほかない。

あとは、劇場で補聴システムを使えるかどうかとか、自治体から何か支援を受けられるかとかそういう情報をちまちまと集めていく。もう、ここまでしてもらったからには、絶対に観たい‼︎となっている。

というわけで、メッセージの送り主には「記憶力には自信あるからなんとかする!とりあえず、行こう!」と返事をして、チケットを購入してしまった。もう、後戻りはできない。うれしい。楽しみがまたひとつ増えた。本当にうれしい。

あとは、どうやって観劇を楽しむか。ちょっとでも分かる方が、絶対に楽しいから。

今分かっている情報は
・当日早めに会場入りして台本を読ませてもらえる。でも、持ち出し厳禁。
・ヒアリングループは設置されていなさそう
の2点。
ちなみに、わたしの聴力ではロジャーやBluetooth越しの音はわりと鮮明に聴き取れる。

聴覚障害のある観劇の好きなみなさま
聴覚障害者と観劇をしたことのあるみなさま
こんな情報保障があるよ、こんな観劇方法があるよ
のような情報があればぜひ、教えてください!

見に来てくださりありがとうございます。サポート、とっても心の励みになります。みなさまからのサポートで、わたしの「ときめき」を探してまたnoteにつらつらと書いていきます。