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体を、心を取り戻すのなら、少しでも早いほうが良い。

「明日のお昼は、栗ご飯を食べるんだ

そう呟くと、

「ニアミスだね。今日は、さつまいもご飯だよ」

なんて言葉とともに、炊きたてホクホクのさつまいもご飯が食卓にならんだ。

日々の暮らしを、丁寧に、愛おしみたい。

ずっとそう思っているけれども、繁忙期の10月は寝て起きて仕事に行くだけで精一杯。「1日に2回、フルグラを食べるんだ」そう言ってちょっとずつ、でも着実に増量を進めていたわたしもついにおやつのフルグラを抜き、夜ご飯をパンで済ませようと思い始めていた。

当たり前のように家の台所で作ったご飯を日に3回食べて、適度に運動をして、8時間程度の睡眠をとる。「当たり前」に見える生活も、仕事が忙しくなると、ちょっとずつ歯車が噛み合わなくなっていく。

仕事柄ある程度の運動はするし、何よりもお風呂とお布団が好きなわたしが一番初めに手を抜いてしまうところが、食。歯車が噛み合わなくなってきたこのタイミングで、2週連続週の頭からくしゃみが止まらなくなってしまった。

体を、心を取り戻すのなら早いほうが良い。社会人3年目にしてやっと気付いた当たり前のようで当たり前じゃないこの事実。

藁にもすがる思いでヘルプを求めたら、マイトレーナーがとんできてくれた。なんとその日の夜のうちに。トレーナーというより、もはや神。


そんな共同生活初日。帰宅したら家の中から良い香りが漂ってきて、嬉しくなったわたしの帰宅後第一声が、早速食に関することだった。

これならまだ、大丈夫そうだ。ナイスタイミング。どんだけ穀物大好き人間なんだろう、なんて心の中で突っ込む余裕もあったから。

朝起きて、土鍋の中に昨夜のさつまいもご飯がちょこんと鎮座していた。ほうじ茶を淹れて、あっためなおしたさつまいもご飯をホクホクと食す。

家を出るタイミングでまだまだ布団で微睡んでいるキミにありったけの感謝を伝えて、半年ぶりにショートブーツを足に纏った。

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