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さくらももこ展

ちょうど駅を通りかかったらポスターを見かけたので、ひょいと『さくらももこ展』へ。

横浜そごう6階のそごう美術館

そごう美術館も、身体障害者手帳の提示で本人と付き添い者が無料で入れる施設のひとつ。今回もありがたく利用させてもらった。

身体障害者手帳を提示して入場すると手帳がチケット代わりになるので、チケットをもらえない展示も多い。割引を利用させていただいている身なのでそこに不満はないのだけれども、今回みたいにいただけるとやっぱり嬉しい。ちなみに、チケットをもらえない展示のときはメインビジュアルのポストカードを購入しがち。

展示は
序章 さくらももこができるまで
第1章 ももことちびまる子ちゃん
第2章 ももこのエッセイ
第3章 ももこのまいにち
第4章 ももこのナンセンス・ワールド
第5章 ももことコジコジ
終章 アトリエより
の7章構成。その後のショップも含めて、だいたい2時間程度でまわることができた。

毎週日曜日は、バレエの帰りにおじいちゃんのお家に行って、夕方に自宅に帰ってきて夜ご飯を食べながらアニメ「ちびまる子ちゃん」を眺める小学生時代を過ごした。だから「ちびまる子ちゃん」をみるということは、わたしのライフワークのひとつだった。

特別に好きなアニメというわけではなかったけれども、常にわたしのそばに寄り添っていてくれるそんな存在で。おじいちゃん子なところとか、ちょっとズルいことばかり頭をよぎってしまうところとか、それでも周りの人たちが大好きなところとか……「分かるー!」と共感しながらテレビを眺めていた。

あの頃のわたしは、いや、今もだけれども、テレビに出てくる人たちって、どこか特別な存在の人たちばかりのような気がしている。どれみちゃんは魔女だし、のび太くんにはドラえもんがいるし、大人になって見るドラマもイケメンと美女ばかり出てくるし、事件ばかり起こる。

どこか遠い世界を描いたものばかりだけれども、「ちびまる子ちゃん」はなんでもない日常をとても丁寧に描いている。明日からまた学校が始まるという日曜日の夜に【フツーの人まんが】がお茶の間を流れているということは、わたしたちをどこか安心させてくれた。

ヘマしたって大丈夫。
どんなあなたも、あなただよ。

そう、ポンと背中を押してもらったようなそんな気持ちにさせてくれる存在だったのだと、大人になってやっと気付いた。


彼女の作品は「エッセイまんが」と呼ばれるものらしい。そういえば、わたしはエッセイというか言葉というか、物語のあるものが好きだ。

なんでもない日常って流してしまいがちだから。それをコンテンツとして価値づけできる人ってすごいなぁと思う。

今回の展示は、彼女のエッセイがたくさん展示されていて、その作品を描きながらどんなことを考えていたのか、そんなことを垣間見れる展示だった。

アートとか美術とか絵画とか、そういうものはなんかよく分からない。でも、その作品が生み出されるに至ったストーリーとか哲学とか、それらに出会える展覧会とそこでぐるんぐるんと頭を働かせて心を動かすことは、すごく好きなんだな……なんて自分の好きに改めて気付くことができた喜びを噛み締めながら今、余韻に浸っている。

良い展示でした。

見に来てくださりありがとうございます。サポート、とっても心の励みになります。みなさまからのサポートで、わたしの「ときめき」を探してまたnoteにつらつらと書いていきます。