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わたしのおちゃわんがあるトコロ。

我が家には、家族それぞれにお茶碗がある。わたしのお茶碗は、赤いお茶碗。小学生くらいからずっとそれを使っている。だから、台所の水切りカゴに赤いお茶碗を見つけると「あぁ、お家に帰ってきたんだな」と思う。

実家でこのお茶碗を使うのはわたししかいないはずなのに、帰省すると必ず戸棚ではなく水切りカゴに入っている。たぶん、そういうことにとてもマメなおじいちゃんが、わたしの帰省にあわせていつもそうやって用意してくれている。

おじいちゃんは、夕方のニュースが始まる頃には晩酌を始めて、ちょっとずつご飯に移っていく。だから、わたしもちょこちょことおつまみをつまみながらお酒を酌み交わして、ほろ酔ったタイミングで炊飯器にむかう。

そんなときに、日々の生活のなかで家族が使っているお茶碗たちと一緒にわたしのお茶碗があると「わたしも、この家族の一員なんだな」とつい顔がほころんでしまう。

もしお茶碗が戸棚にしまってあるままだったら、ほろ酔ってふわふわした気持ちがちょぴっとひんやりしてしまうだろう。家族みんなのお茶碗がそこにあるのに、わたしのものだけなかったら、想像するだけでも寂しい。

だから、このお正月も、わたしのお茶碗がいつもの水切りカゴにあったこと、とてもとてもうれしかった。

ちょっとしたことかもしれないけれど、そういう心配りのできる人でありたいなと思いながらホカホカのご飯を美味しくいただいてきました。

また、帰ってくるね。

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