退職10年後の退職エントリ

辞める経緯

前職は上場子会社の医療系の人材紹介・派遣会社のWeb担当役員。今でいうCMO的な立場。
役員在任中に起業というか取り合えず会社を作った。起業は東日本大震災きっかけだったが、兼業で辞めるつもりはなかった。報酬もそれなりに頂いていたし仕事も面白かった。
「やるか?辞めるか?お前の代わりはいくらでもいるんだ。そのかわり、成果を出せば報酬は出す」と皆が言われていた中、頑張った。
大きく利益を出した時、想定以上の利益を出したのは認める。が、親会社が不調なので役員報酬は無しと言われた。

その時、人の会社で頑張ってこの仕打ちはアホらしい。自分の時間は自分の会社の為に使うと決意。親会社の取締役会の中では役員継続は決まっていたが、株主総会の前日に、アホらしいから辞めます。明日の株主総会で承認されなくて結構ですと当時の上司に伝えたものの、許されずいったんは継続承認。だが、気持ちは変わらないから後任探してくれと半年以上かかって納得の行く後任に来てもらった。

引継

本来は2月末まで引継をして辞める予定だった。が、2月の役員報酬を支払うと損金不算入とかなんかで1月26日だったか、1月27日に引継は不要なので、1月末で退任して欲しいと言われた。

引継がないと回らない伝えると、それはこっちで何とかするから不要。それより役員報酬が損金算入できなくてどうのこうの言われた。こっちで何とかするから不要と言われても、出来る人がいない。引継しなければWebマーケが上手く行かず、支払う役員報酬とは比べ物にならないくらい売上落ちる。金が欲しくて言ってるのではない。

報酬は不要で1月末で退任で良いから引継だけはしっかりやらせて欲しいと伝え、2週間程度無報酬で引継をした。この一連のやり取りで辞める選択は間違ってないと確信した。結果3週間ほど無報酬で引継を行った。

引継その後

3月になり自社に専念していたある日、人事から部署の人事考課を付けて欲しいと連絡があった。
は!?と思ったが、後任の人では年間の人事考課を付けることが難しい、このままでは私のいた部署の社員の人事考課が最低になってしまうと言われた。「私に連絡を寄こしたのは会社の判断か?個人の判断か?」確認したところ、個人の判断。事前に人事考課は預かっていたことにするから協力して欲しいと言われたので、人事考課の点数と10数人分のコメントを付けて返した。

人によっては、お人好し過ぎる、会社にそんなことをしてもメリットはないと言われた。メリット・デメリットを比較して動いた訳ではないないからな。そうですかと引継をせずに去る方が後悔が大きいと自分で判断したまで。

退職後、部署メンバーたちとの関係

・10年経っても元部下や他部署だった人から連絡があって飲みに行くこともある。
・独立当初は人を雇う余裕も無かったが、副業で色々手伝ってくれた。
・辞めて数年経っても結婚しました、子供生まれました、進学しましたと年賀状やLINE等で報告が来る。
・私が辞めて数年経ってから一緒に働きたいと数名入社してくれた。
・部下Aさんは独立すると決めたので入社は出来ないけど手伝いたいとずっと仕事を手伝ってくれている。
・部下Bさんは昨年連絡頂き、今ではクライアントの一人。
・部下Cさんからはお客さんを紹介して頂き、そこから派生して億単位の取引に広がった。

退職後、同業者さんたちとの関係

会社の人は営業も含め同業者と付き合いは無かったようだが、私は割と同業者さんとは顔を合わせる機会も多く、Web関係は当時、同業者の中では予算も使って色々チャレンジしていた。
Webマーケについて聞かれれば電話やメールでWebマーケ関連の相談に乗っていた。が、電話してもいつも外出中、メールも戻ってくるようになった。今何してるの?と聞かれたので、Webマーケの支援会社作ったと伝えると、「早く言ってよ、うちの会社手伝って」と数社お声がけ頂いた。
同業から異業種に転職した方もいるが、Webの相談に乗って欲しいとご連絡頂く。有り難いですね。
医療系の人材会社のマーケやWeb広告は日本で一番うちが手掛けている数は多いはず。

退職後、発注先さんたちとの関係

後任には引継をちゃんとしたし、取引は問題ないはずだが、外注先と下に見下すことが増えると思う。そこは大変申し訳ない。腹が立つことも多いと思う。対等な立場なので我慢せずに契約は見直してくださいと複数社に伝えた。

その中で、こちらから新規事業を持ちかけて、在職中はずっと新規事業の打ち合わせをしていた会社があった。辞めると伝えたら、新規事業どうするんですか!?と言われたが、もう大丈夫なとこまで来てますからと伝えた。が、ホントに困るので、退職後は、費用払うからコンサルとして手伝って欲しいと言って頂いた。無事にローンチ出来て業界ではトップクラスの事業に育っている。利用している会社にコンサルで入っているので、今では立ち上げ当時色々教えていた人と定期的に打ち合わせをしている。
また、自社のマンパワーが足りないから、手伝ってもらえないかと前職の発注先からご依頼いただくこともあります。

10年前の自分へ

勢いで辞めたような形になったけども、10年後も会社はあります。社員も良い人たちが入社しているし、一人でずっとやってる訳じゃない。
信じないかも知れないけど、辞めた後、
・様々な人の助けで仕事が増えます。
・超能力詐欺に引っかかります。
・自ら進んで経営大学院に行きます。
・書籍を執筆し、大きな書店でランキング1位取ります。
・化粧品の製造・販売を始めます。
・女子プロサッカーチームのスポンサーになります。
・様々な研修講師を務めます。
・テキーラマエストロというテキーラの資格取ります。
会社を辞めた当時のスキルや交友関係からは想像出来ないと思うけど、全て事実です。と当時の自分に伝えることが出来ても全く信じないだろうな。

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