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14年ぶりに新卒社員が入社しました!

こんにちは!三幸電機です。

今回は、当社の新卒採用活動について赤裸々に綴っていきます。

新卒採用を再開できるようになるまで

当社は長らく新卒採用を行っていませんでした。
……行っていなかったというよりも、行えなかったという方が正しいです。

14年間の間に高校には何度かご挨拶に伺ったことはありました。
しかし、真面目に普通に製造受託一本でやってきた中小企業には、学校に向けてアピールできる武器=魅力が足りなさすぎたのです。

そんな状況のまま何年も過ぎていきましたが、それでも当社は変わることをあきらめませんでした。
それは新卒採用を再開することが目的ではなく、三幸電機がこの世界に生き残り、お客様をはじめ社会の役に立ち続けるためでした。

まだ発展途上ではありますが、誰でもできる・迷わない作業環境と自分のアイディアを商品化できるかもしれない能動的な事業が生まれたことにより、当社にとっての武器=魅力が生まれました。

2016年にスマート工場化への歩みを始めて、仕掛品や書類などが溢れて雑然としていた工場は徹底した5S活動を経て見違えるように綺麗になりました。
さらには、2017年に導入したお手製のスマートツール「3+サンプラス」の活用によって工場全体の生産性は約15%向上し、現場の負担は大幅に軽減されました。
入社して日が浅い作業者でもモニターやタブレットに映る作業手順や注意点を見ながら作業すれば、ベテラン作業者と変わらないパフォーマンスが出せるようになったのです。

2020年には「EMS+」という事業が始まりました。
EMS+(イーエムエスプラス)はネタ集めから営業、商品企画、商品開発、設計、試作、量産までを一貫して行う事業です。
外部からプロが仲間入りし、内部では元営業の若手社員をメンバーとして抜擢し、お客様から依頼された通りの製品を作るだけの製造受託【モノづくり】だけではなく、もっと上流にあたる商品企画や商品開発【モノ・ゴトづくり】まで手掛けられるような体制が整いつつあります。

今なら、当社に魅力を感じてくださる先生や生徒さんがいらっしゃるかもしれない。新卒者の方にも楽しく働いてもらえるかもしれない。

こうして、昨年度から新卒採用プロジェクトが始まりました。

手探りだらけの新卒採用プロジェクト

まずは高卒採用から再開することになりました。
最後に新卒採用を行ったのは14年前です。
もともと採用活動を行うための武器もツールもありませんし、14年も経つと、さすがに高校との関係はほぼ初期化しています。

当社は大手企業でもなく知名度もありません。すでに高校との関係ががっちり出来上がっている他の企業に混じって生徒さんに就職先として選んでいただくのは至難の業です。

ほぼ内製の高校生向けパンフレット

まず三幸電機の存在を認知していただくために、高校生向けのパンフレットを制作しました。

デザインと一部イラストを除いて、構成や文章、だいたいのレイアウト、キャラクターイラストは完全内製です。頑張りました。
こういったテイストのパンフレットはあまりないようで、先生や生徒さんからの評判は上々です。

ほとんど猶予がない状態で制作が決まったこともあり、いつもお世話になっているデザイナーの方にはかなり無理をさせてしまいました。
Wさん本当にありがとうございました……!!

14年ぶりの学校訪問

三重工場勤務の対象となる三重県内の公立高校にもご挨拶に伺いました。
学校という場所に足を踏み入れること自体久しぶりでとにかく緊張したことを覚えています。

ただ、そこでどの学校も「生徒数<<<求人数」という実態を知りました。
それに加えて、生徒さんや親御さんが惹かれる就職先の多くは、卒業生の就職実績がある企業であることも知りました。圧倒的不利……!!
もともと「活動再開一年目は種まきの年」というスタンスでしたので、欲張らず過度に期待せずできることを一つずつやっていこうと決めました。

それでも、3校の先生が工場見学にお越しくださりとても嬉しかったです。
当社の魅力は、言葉だけで説明するよりも実際に工場内をご覧いただいた方が絶対によく伝わります。

ちょっと変わった求人票も爆誕

活動再開一年目は勤務地が三重工場の業務について募集しようとしていましたが、なんやかんやで名古屋本社でも募集することになりました。
EMS+事業の担当者が必要だったのですが、この事業の仕事内容は「製造管理」「営業」などといった分かりやすくて短い言葉で表現しにくいため、求人票の作成に苦戦しました。

その結果できた求人票がこちら。

「電子電気機器のマーケティング、営業、商品企画、商品開発、設計等を一貫して行う業務」

ものすごく欲張りセットな内容になりました。でも本当のことだから……。
果たしてこの内容に興味を持ってくださる生徒さんは出てくるのでしょうか……。

怒涛の工場見学ラッシュ

就職希望者が多い高校では、夏休みを利用して職場(工場)見学を積極的に行います。「最低○社は見学に行きなさい」と指導する高校も少なくありません。
そんななか、昨年度はなんと3校が工場見学にお越しくださいました。

これまでの工場見学者のほとんどは、3+サンプラスが気になってお越しになる企業様でした。
当社の製品の導入を検討してくださる方と、当社で働くことを検討してくださる方、工場見学の動機が全く違います。
見学案内の担当者は、同じものを説明するにしても相手によって言葉や表現を変えて分かりやすく伝えてくれるので助かりました。

生徒さんの反応は想像以上に良かったのですが、立地が本当にネックになっていることを改めて痛感しました。通勤時間って大事ですからね……。

14年ぶりの新卒者面接

先述の通り「活動再開一年目は種まきの年」のスタンスだったので、その目標は最低限クリアしたかなと思っていました。
先生と生徒さんに工場見学へお越しいただけただけで一歩前進、と。

ですから、求人応募をいただいた時は嬉しさと驚きで震えました。

当社への応募を最終的に決められたのはもちろん生徒さんですが、14年も潜っていた当社を評価してくださった先生方には感謝しかありません。

しかも、あのちょっと変わった求人票を見て応募してくださった方も現れました。嘘だろ……?
応募前に名古屋本社へ職場見学にお越しくださっていたので完全な不意打ちではなかったのですが、まず職場見学希望の連絡をいただいた時もかなり驚きました。もちろんとても嬉しかったです。

面接自体は滞りなく終わり、選考を経て応募者に合格通知を出しました。

14年ぶりの入社式

2022年4月1日、三重工場にて入社式を行いました。14年ぶりです。
高校新卒者の他に、外国人留学生の方も入社してくださいました。

昨年度に見切り発車で始まった新卒採用プロジェクト、これでようやくスタートラインに立てた気がしています。

入社された方に「三幸電機に入社してよかった」と思っていただけるように。
その方の声を聞いてこの先もたくさんの方に三幸電機を選んでいただけるように。
その結果三幸電機がさらに発展していけるように。
試行錯誤しながらこれからもこのプロジェクトを続けていきます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
またお会いしましょう。