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Rezum講演会 in ASEAN   (インドネシア、タイ、マレーシア)

Rezum 講演会 in ASEAN (インドネシア、タイ、マレーシア)

前立腺肥大症(BPH)による膀胱出口閉塞は、下部尿路症状を引き起こし、生活の質に大きな影響を与えます。薬物療法が効果を示さない場合や副作用により中止される場合、外科的介入が必要となり、近年アメリカ泌尿器科学会などでも膀胱機能の不可逆的な損傷を防ぐために早期の手術が推奨されております。従来前立腺肥大症に対する標準的な外科的治療は経尿道的前立腺切除術(TURP)でしたが、術後合併症の観点から、外科的侵襲を低減したさまざまな低侵襲手術療法が登場しており、特に高齢患者や抗凝固薬の中止が困難な併存疾患を持つ患者に利益をもたらしています。
新たな前立腺肥大症の低侵襲治療として、本邦においても令和4年9月より経尿道的水蒸気治療術(Rezum)が本邦に新規導入されました。Rezumは肥大した前立腺組織に水蒸気を充満させて組織を変性させ、肥大組織を縮小させる低侵襲な治療法で、103℃の水蒸気を経尿道的に前立腺組織に噴霧し、前立腺組織を壊死させるものである。ほとんど出血がなく、時間と共に変性した細胞は自然吸収されて、尿道の圧迫が緩和され、排尿障害を改善する。手技時間は10分程度と従来の治療法より短く、米国泌尿器科学会と欧州泌尿器科学会の両方のガイドラインにて前立腺肥大症の治療として推奨され、中程度の肥大症においては、切らずに尿道の閉塞を解除する最新の方法で術後合併症の軽減、手術時間、入院期間の短縮がすでに先行導入されている欧米では検証されている新しい術式です。日本では、2021年10月に医療機器として規制承認が取得され、2022年8月に札幌医科大学病院で最初のRezum症例が実施されました。2022年9月以降健康保険制度による報酬が承認され術式の普及が進んでいます。
アジアの国々でも、日本は症例数が多くアジアをリードする存在にありつつあります。今回、前立腺肥大症において最近登場した新しい低侵襲治療であるRezumの日本での現状を広く紹介するという目的で、日本のデータの講演。手術のアドバイスの役割で8/15-19にインドネシア、タイ、マレーシアの東南アジアの国々に行って講演をしてまいりましたので実際の活動内容をご紹介します。
初日はインドネシアの首都ジャカルタで泌尿器科医10数名を対象にした講演会でJakartaの大学の教授や前教授も御参加いただきました。

2日目はタイのバンコクに飛んで、Bhumirajanagarindra Kidney Institute Hospitalで手術の説明のあと、初めてRezum治療を行う2人の先生の手術に立ち会いました。お二人とも初症例ながら順調に手術を完遂することができました。

3日目は今回のアジアツアーのメインイベントである最終の国マレーシアの首都クアラルンプールに移動しました。ここでは “UNRAVELING NEW HORIZON: Rezum Reimagined” と題した2日間の講演と、Discussionの会でした。この会はマレーシア泌尿器科学会の主催で行われ、前マレーシア泌尿器科学会会長のOng 教授の司会で執り行われました。初日はタイから合流したDr. Suntcjao と一緒にゲストスピーカーとして、日本のRezumの現状を紹介する講演 ”Patient Journey: Selection and Management” を行いました。

翌日は3つのテーマで討論会があり、私とタイのDr. Suntcjaoに、マレーシアのDrを加えて、Rezumの手術について皆さんの前で、お話し合いをしました。3か国の話が聞けて興味深い会でした。

今回は4日で3か国という斬新な企画でこんな連日飛行機に乗ったのは初めての経験でした。加えて、東南アジアの首都はどこもインフラの整備が遅れており、道路が大渋滞であり、空港からの移動も大変時間がかかりました。そんな慌ただしい中で、各国の皆様がこの上ないほどに歓迎してくださり、時間がない中でも各国の首都の様子を直接見て感じることができたり、地元の方々の話せたり、各国自慢の料理や、地元で人気のところで食べれたり普通の観光ではできない経験ができました。
送り出していただいた佐藤理事長、赤樫院長をはじめ医局の先生方に感謝いたします。
今回の講演がアジアでのますますのRezumの普及にも役立てば幸いです。

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