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月が泣くとき

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書き溜めた詩を まとめています。
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#記憶

夜明けの砂漠

夜がしらんできた

私のほかに在るものは
今 ここにいることの不思議と
どこまでも続く 有限の砂と
やすらかな星と
安堵

そして孤独
#詩 #詩を書く#ポエム#記憶

からっぽ

それとなしに
現実的なものだけを
頼りにして
一日を 過ごす

薄いカーテン越しに見る
夕焼けの 弱さ
風を 孕んだ
あの人の 漆黒の髪
蝉の鳴く声に

わたしは 動じない

今更ながら
時間は 戻らないことに
ハッと 気が付いて

暗がりの部屋で
一本の 煙草を のむ
#詩 #詩を書く#ポエム#記憶

無題

笑いながら
曇り空に 針葉樹の枯れ木の枝を
ぽいっと
放り投げて遊んだ

あの人は
だれだったろう
幼い記憶

冬が やってくる前の
きちんとした 秋のにおい

わたしを
確実に 幸せにする 記憶
#詩 #詩を書く#詩作#ポエム