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「何を伝えればいいの?」 ~ 失敗しない"葬儀社への電話のかけ方"について

 こんにちは、燦ホールディングス note編集部 の 祖父江です。

 近年、スマートフォンの普及とともに、LINEをはじめとした各種SNSによる"メッセージ"での連絡が好まれる一方、"電話"を利用する割合が減ってきています。特にデジタルネイティブの世代においてはその流れが顕著であり「若者の電話離れ」という報道も見かけることが多くなりました。


 さて、身近な人が亡くなられたとき、葬儀社に依頼をすることになりますが、その緊急性から、ほぼ「電話での依頼」となります。

 ただでさえ電話が苦手なのに加え、身近な人が亡くなったばかりで精神的に非常に不安定な中、慣れない葬儀の手配をしなければならない…という状況となれば、電話1本掛けるだけでも、相当なストレスになることは容易に想像できます。
 また「何を話せばよいかわからない…」というパニック状態のまま電話をしてしまうと、後々「こんなはずじゃなかった…」と悔やんでしまう原因にもなりかねません。

 今回は、私ども葬儀社の立場から、

  「身近な方が亡くなられた際の、葬儀社への電話のかけ方」

についてご説明いたします。
いざというときの「お守り代わり」に、ご一読いただければと思います。

電話で伝える事は、以下の4つ。

 日本では8割近くの方が自宅外(病院や介護施設)で亡くなられるため、亡くなった直後に葬儀社に依頼する内容および目的は「ご遺体の安置・搬送」となります。

 …なので、電話をする際には、以下4つの内容を的確に伝えられるとよいでしょう。

  1. 故人、および電話をされている方のお名前、故人との続柄、ご連絡先

  2. 故人が現在いらっしゃる場所について(病院名や施設名、自宅の住所)

  3. 安置希望場所(自宅、葬儀社が用意する安置室、菩提寺…など)

  4. お迎えに上がる時間

 このなかで割と重要なのが「3.安置希望場所」で、電話をする前に希望の場所をあらかじめ考えておくと、スムーズに事が運びます。

自宅でのご安置

 主に「自宅で葬儀を行う予定である」、「長い療養生活で自宅に帰ることができなかったため、せめて葬儀までのあいだは一緒にいたい」という考えの方が、自宅でのご安置を選ばれます。

【メリット】
 ・通夜・葬儀の直前まで、ずっと付き添うことができる。
 ・安置施設の利用料金がかからない。
【デメリット】
 ・自宅までの距離が遠い場合、寝台車料金が高くなる。
 ・式場で通夜・葬儀を行う場合、直前にもう一度移動しなければならない。
 ・専用の保冷設備がないため、ご遺体が傷みやすくなる傾向がある。

安置施設でのご安置

 主に住宅事情などの要因から、自宅に帰ることが叶わない場合は、葬儀社が用意した安置室に、通夜・葬儀の行われる当日までご安置することとなります。

【メリット】
 ・専用の冷却設備により、ご遺体の傷みを遅らせることができる。
 ・式場内に安置室がある場合、通夜・葬儀の当日に改めて移動する必要がない。
【デメリット】
 ・施設によって、通夜・葬儀までの面会に制限がある。

 その他、故人ゆかりのお寺で葬儀を行うことを決めている場合、菩提寺(先祖代々のお墓があり、葬儀や法要をお願いするお寺)にご安置するケースもございます。

お迎えに上がる時間について

 私ども葬儀社は、医師による診断が行われていないと、ご遺体を搬送したりドライアイスによる処置を行うことができません。そのため、自宅や介護施設など医師が常駐しない場所で亡くなられた場合は、医師が到着し診断が完了するまで多少の時間を要します。
 このような場合は、診断が終わる時間を目途にお迎えに上がることとなります。

葬儀の内容は、どのタイミングで決めるの?

 葬儀プランなどの"詳細な希望内容"につきましては、ご安置が落ち着いた後の"打ち合わせ"の場で改めてお伺いすることになります。なので、このタイミングではしっかりと決めていなくても大丈夫です。

 また、その後の打ち合わせにおいて、内容に折り合いがつかなかった場合、(なかなか言い出しにくいとは思いますが)このタイミングで別の葬儀社に変更することも可能です。
 ただしその場合、搬送にかかった費用を、それを行った葬儀社にお支払い(精算)する形となります。

FAQ(よくある質問)

 ここからは、よくある質問についてまとめてみましたので、ご参考になさってください。


Q1:深夜に病院で息を引き取りました。病院からは、速やかに退院するよう迫られているのですが、こんな真夜中に葬儀社へ電話してもよいのでしょうか?

A1:問題ございません。ほとんどの葬儀社は24時間・365日お迎えにあがることのできる体制を整えております。


Q2:終末期に差し掛かり、いつ亡くなってもおかしくない状態になりました。葬儀社へは亡くなってから電話すべきものなのでしょうか?

A2:ほとんどの葬儀社は「訃報時の受付」のほか「葬儀の事前相談」も受け付けています。
 事前相談を行っておくことで、心に余裕が生まれるだけでなく、後悔やトラブルの回避にもつながります。また、会員制度を用意しているような葬儀社では、事前相談時に入会しておくことで、さまざまな割引特典を受けることもできます。気になったら遠慮なく、かつ早めに電話してみましょう。


Q3:火葬場に直接電話してもよいですか?

A3:"葬儀"と"火葬"は別の事業者が行うため、火葬場に電話をしても、ご遺体の搬送依頼や、葬儀の相談はできません。


Q4:病院から特定の葬儀社を紹介されました。そこへ依頼しなければならないのでしょうか?

A4:病院指定の葬儀社に依頼しなければならない…という決まりはなく、断っても失礼にはあたりません。もしも、あらかじめ決めておいた葬儀社に依頼をされたいのであれば、迷うことなくお電話にて搬送を依頼してください。
 もちろん「紹介された葬儀社へお願いしたい」と納得されたのであれば、そこへ依頼するのが良いでしょう。


 では、次回の投稿をお楽しみに。


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