メンタルヘルス関連での産業医との付き合い方 復職面談の「面談編」

はじめに



さて前回の記事”復職の産業医面談に向けて人事担当者はどんな準備をすればよいのか?では、面談の事前準備について説明しました。

簡単におさらいです。

会社としての復職の目安・要求水準
➁復職後の働き方やルール

上記2点を会社として整理しておき、産業医に伝えるのが重要でしたね。

さて、これらの準備ができたら実際にどのように面談を進めていくのか?
今回はオススメな方法をお伝えします。

面談の流れ

STEP①
管理職(上司)・人事・産業医・本人が4者同席し面談の目的等を共有します。

共有すべき事項は
・面談の目的:復職のための面談であることを明確に伝える
・復職の目安:体調などにおいてどのような点を重視するか話しておくことで認識違いを無くす
・復帰後の業務:復帰後の業務を全員がイメージすることで復職の判断の目安にする

会話例

人事「今回は○○さんの復職面談になります。復職するためには、元通りの業務ができる体調になっていることが必要です。詳しくは復職の目安を参考にしてください。一定期間は慣らしの期間を設けますので、管理職から復職後の予定されている業務について説明してください」

管理職「今後予定している業務は○○で、復職後3カ月ほどかけて徐々に業務負荷を上げていきます。4カ月後からはほかの人と同じくらいの仕事量になる予定です。少なくとも最初の3カ月程度は残業は発生しない程度になる見込みです」

人事「ご本人から質問などありますか?」

本人「大丈夫です」

産業医「それでは産業医として体調などを伺っていきます」

こんな具合です。復職の目安に関しては休職中に本人や主治医に伝えておくこともポイントです。

そうすることで、復職に向けてすべきことが明確になります。

また、面談のたびに4者が同席するのが難しい場合は、情報の齟齬がないように書面や事前の打合せで、産業医や本人と必要な情報を共有しておきましょう。

STEP② 
産業医が体調などを確認する。産業医は意見書を作成する。

このSTEPでは産業医が本人から詳しく話を聞いて、医学的な見地から、復職後の業務に対して体調が問題ないかを確認していきます。

このステップでは、本人と産業医だけで1対1になる場合もありますし、人事や管理職が同席する場合もあります。

全員が同席すれば、管理職や人事もその場で懸念点などを整理できます。

本人と産業医だけの場合は、会社の人がいては話せないような悩みも話せるでしょう。一方で、言った言わないのトラブルが生じることもあるので、産業医と会社であらかじめどうするか決めておきましょう。

STEP③
再度4者で面談結果の共有、復職の可否を判断

産業医から面談結果や意見を話してもらいます。
産業医が聴取した情報と意見を元に最終的に復職の可否を判断します。復職の可否はあくまで会社が下すものです。

人事は規則にのっとって、管理職は本人がしっかり働けるかどうかを見極めた上で可否を判断して下さい。

職場の受け入れ可能な時期や、他の管理職の意見が必要な場合もあるため、判断を保留して、後日に本人に結果を伝えることもあります。他にも管理職や人事は同席せず、産業医の意見書を書面で確認して復職を判断することもあります。

面談を丁寧に行い、十分な情報を集めるとなると45分ー60分程度は必要になります。時間に余裕を持たせましょう。

もし復職が可になれば、復職後に予定していた業務などがこなせているかを確認しましょう。
復職が不可であれば、どのような理由で復職が認められなかったを明確に共有しましょう。
そのうえで、次回の復職面談を行うタイミングを決めましょう。

いくつかの会話例を提示します。

復職が可能なパターン

産業医「体調も整っていますし、再発予防策も立てられています。復職後の業務プランは問題なくこなせると思います」

管理職「問題なく一緒に働けると思います」

人事「規則としても、問題ないので復職可と判断しましょう」

復職が困難なパターン

産業医「体調に関してはまだ懸念が残っています。日中の活動がほとんどできていない点などが問題です」

管理職「復職後の業務プランに対して、まだ体調が整っていないと感じました」

人事「復職にはまだ早いように感じます。日中の活動がもっとできるようになってから、再度復職面談を行いましょう」あるいは「懸念点が多いため、今日すぐの判断は難しいです。改めて、社内で検討して復職の可否をお伝えします」

まとめ


いかがでしたでしょうか?
前回からの流れをまとめると

面談の事前準備として
会社としての復職の目安・要求水準
➁復職後の働き方やルール
を決めておき、産業医と共有しておく。さらに本人や主治医にも上記を休み中に伝えておく。

面談当日の流れとしては

STEP①管理職・人事・産業医・本人が4者同席し面談の目的等を共有する。
事前の打ち合わせや書面での共有も可能ですが、4者で齟齬がないようにしましょう。

STEP➁産業医と本人が面談
人事や管理職が同席する場合はメリット・デメリットをよく検討する。

STEP③面談結果の共有
産業医から面談結果と意見を聴取して、復職の可否を判断しましょう。
判断が難しい場合はその場では保留して、社内で検討してから返答してもよいでしょう。


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