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スベリヒユ(野草)とブリコラージュ(野生の思考)

先日、鎌倉の市場に立ち寄ったら、スベリヒユが売られていました。スベリヒユもついに鎌倉ブランド野菜の仲間入りかぁ、と嬉しくなって思わず購入すると、隣から「これってどうやって食べるの?」というお客さんもおられました。

スベリヒユは、そこらへんに生えているいわゆる「雑草」や「野草」と呼ばれるものです。けれども、栄養化は高く、また、ねばりのある食感は夏にはぴったりのおいしい野草です。地方によっては、一般的に食べられてもいます。

昔、私は「野草マップ」なるものを作って、街中に生えている野草を図示したことがありました。ドイツの研究者からは面白がられたのですが、日本人研究者にはいまいちピンとこなかったようでした。

オーストラリア発祥のパーマカルチャーも、実は、その創始者は日本の百姓から学んだことなど、パーマカルチャーを実践している人でも知らない方もいるようです。

パーマカルチャーには、人類学者レヴィ=ストロースが「野生の思考」と呼んだ工夫がたくさんなされています。

例えば、古びたタイヤを土の中に埋め込んで池にしたり、お互いに寄ってくる虫がそれぞれを助ける働きをするハーブを隣同士に植える(コンパニオンプランツ)ことで助け合わせたり。

近代の思考ではタイヤは車の部品でしかありませんが、野生の思考ではそれは池にもなり遊び道具にもなるのです。

当相談室にある花台はもともと羽釜の蓋ですし、窓の格子は昭和初期の炬燵の台でした。近代の思考から離れて、野生の思考で世の中を見直すと、呼吸ができる感じがするのです。

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