廊下に立つ弾丸

 退屈な授業だ。しーんとした教室で、先生は一人笑顔、ブリッジをしている。私たち生徒は眺めるだけ。あまりにも暇だったので私は先生の足をピストルで打った。

 バキューン

 見事命中。先生のブリッジは崩れた。ドドドン。足から出血している。先生は血相を変え、私を見て言った。

「廊下に立ってなさい!!」

 どうやら怒らせてしまったらしい。私は机の上に「ろうか」と書いて立った。

「よし、以降このような行動は慎むように。」

 先生は言った。先生は足を撃たれブリッジが出来なくなってしまったので、壁倒立を始めた。しかしさっき撃った弾丸は先生を貫通、前の壁に跳ね返り、後ろの壁にはねかえっていた。

 カーン、カーン、ズギュッ

 跳ね返った弾丸は、先生の腕に見事命中。先生の壁倒立は崩れた。ドドドン。腕から出血している。血相を変えた先生は、弾丸を見て言った。

「廊下に立ってなさい!!」

 しかし、弾丸は動かない。

「廊下に立ってなさい!!」

 先生は再び叫んだ。しかし、弾丸は動かない。そこである生徒が言った。

「先生、弾丸は自分では動けません!」

 先生は、はっとした表情を浮かべた。そして、弾丸に申し訳なさそうな顔をしながら教壇の上に血で「ろうか」と書き、その上に弾丸をちょこんと置いた。これでよし。

 先生は優しいなあ、みんな、笑顔になった。

 あははは、うふふふふ、あははは、うふふふふ

 完

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883455812

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