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推しに捧げるはじめての横断幕づくり

これはオタクが、推しの誕生日を祝うべく、突貫工事で横断幕を作成した記録である。

いずれはもう一度幕を作りたいが、多分卒論が終わっていざ作ろうとする頃には細かいことを忘れている自信があるので、自分の記録用としてnoteに残しておく。正直はじめての横断幕づくりのなかで、ネットで検索してもわからないことがたくさんあったし、今でもわかってないことがまだまだある。未来の私と、同じ状況になった誰かの役に立てれば幸いである。

ただし、これはあくまで一オタクの体験記であり、これが最適解で正解とは限らない。ご了承いただきたい。というかこれをご覧になった横断幕プロの方でこっちのがいいよとかあったらぜひご教授いただけたら幸いです。

横断幕を発注するまで

さて、10月26日は推しの誕生日だ。

ということに気づいたのは10月7日だった。
気付いたのだから、なんかやらねば気が済まないオタク。とりあえず私は、ファンレターを書くのが本当に下手である。本当に。汚え言葉でしか文章が書けないが故に。なので、ファンレターはあとまわし。やはり競馬界といえば横断幕だろうという結論に辿り着いた。パドックの部分にファンが飾っているアレである。いまから手縫いは無理だし(卒論やれ)、業者さんを確認すると完全にデザインも任せるともっとかかるようだが、デザインは自分でやって入稿して布にプリントする所だけであれば、大体七日ぐらいで仕上がるということだった。私は絵は描けぬ。しかしまあ、PowerPointは別に使えるので何とかなるだろうと考えた。ざっくりデザインを考えて必要なものを用意しよう。

一番悩んだのは幕のサイズである。幕、上限はわかる。縦100cm×横300cmだ。しかし、平均はわからない。私が知りたいのは上限ではなく、皆様が何センチで作ってるのかというところである。結局最後までみんなどれくらいのサイズで作ってんすか!?どれくらいのサイズなら見えるんすか!?となっていたがわからずじまいで、何となく縦80×120というサイズをイメージすることにした。持ち運びやすいので。結論から言うと平均サイズよりは小さかった。あとで書くけど縦は100でよかったよ。

とりあえず幕を発注する前にデザインをしないといけないので、何となく脳内で完成品を想像する。この段階で私は完全に「お誕生日おめでとう幕」を作るきでいた。あとから冷静に考えたらこの幕は一年に一度しか使えないわけだが、全く頭から抜け落ちていた。「Happy Birthday」を前面に出すとして、名前と文字だけじゃ流石に味気ない。ということで、絵を発注することに決めた。

ただでさえ、気づいてから誕生日まで三週間もないのに絵を発注したのは今思えばあほだ。しかしやる気って怖い。私は急いで短時間で絵を納品してくれて、絵柄が好きな人を探しに探した。あと、絵の発注なんてものも初めてなので、簡単に発注できる人を探した。時間があれば友人に頼んだんだけども、いくらなんでも三日で推しの絵(三次元)描いてをやるほど非常識ではない。難しかったのが、三次元の絵をかいてもらえるかどうかというところだ。よく考えたら二次元絵と三次元絵は多分違う。三次元の(しかも推しの)絵をどんな人なら描いてくれるんだろうと思いながらいろんなシステムを検索した。

頼んだ方を見つけたのが9日。ココナラというシステムで、恐らく普段はSNSアイコンなどを書いている方がどちゃくそ素敵な絵を描かれていてかつ三次元の似顔絵もやるというのでこの人しかねえ!と即座にお願いすることにした。似顔絵を書くなら三次元の絵もお願いできるやろ!の精神。これが大正解だった。なので、もし絵を今後発注したいという方がいたら似顔絵OKの人に頼むのが手っ取り早いと思う。クオリティも高い。


10月10日、とりあえず「競馬の横断幕にイラストを使用したくて似顔絵を描いてほしい」という内容の相談を送った。いきなり購入じゃなく相談ができるのが結構ありがたい。正直アイコンとかを描いている人にとっては予想外の依頼なんじゃないかと思ったので、初手から競馬の横断幕であることをめちゃくちゃ強調し、あと時間がないことも説明した。断られてもしゃーないと思う。ようわからん依頼だと思うので。なるべくわかりやすいように、南関関係者のあげている横断幕の写真URLも添付しておいた。そのあといくつかやりとりをして、大体の要望を伝えた。

10月11日、イラストを頼んだ方から依頼に対する重大な問題の提起をいただいた。それは「イラストの解像度はどの程度がいいですか」というものだ。忘れていた!!!僕はイラストよわよわ、パソコンよわよわなのでAdobeを使っているが解像度の概念をよくわかっていない。高いと綺麗だなーぐらいである。こちらの返信が止まったことでこいつわかってねえなというのを察されたのか、「センチ表記でも構いません」と連絡があった。神だ。つまり考えるべきは、横断幕のサイズはどのくらいにしたら良いのかということである。上限はある。上限はあっても、定番のサイズがわからん。定番が知りたいんや僕わ!!!!!
解像度が高ければ多少拡大してもそんなに画質は落ちないらしい。でかくなると価格もあがる。色々考えた末に(主に価格の面で限界があって)20cmくらいのイラストが欲しいといったら、追加料金を提示して対応いただけた。ありがたい。結果的には、多少拡大してもぜんっぜん画質は落ちなかった。神だ。幕への使用と、幕のSNSへの掲載許可をもう一度確認して、正式発注した。あとはラフを待つだけ。

10月12日、ラフが来た。早くね?神では?あとめっちゃかわいい。神では?何枚か参考写真を送ったが、ヘルメットをかぶってる写真を送ったのはシンプルにアホだった。多分400勝のときの髪型を参考にしていただいたらしい。神では?

細部の修正が可能だというので、ケーキを少し下げて勝負服を見せる形にしてもらった。そしてそのイラストを見てふと気づいた。幕を白で作るならこれで問題ないが、もし布全体に色をつけるなら、イラスト目立たなくね?と。なんとなく横断幕は布自体に色をのせているイメージがある。地方競馬はそれぞれにわかりやすく勝負服カラーがあるので(本当に地方競馬のいいところだと思う。公式推しカラーがあるの)、布をそれにしたらわかりやすい。派手だし。推しピのカラーは、海老茶色。クソ雑に言うとワインレッドである。赤にそのままイラストをべたで載せたら、多分目立たない。天才のひらめき。なので、イラストの周囲に白く縁取りすることをお願いした。これは似たようなイラストを発注して貼るなら今後も忘れないでいたほうがよさそうだ。いらすとを別の布で作るなら必要ないんだろうけど。


10月13日、修正版のラフ案を受け取り、これでお願いした。

10月14日、完成品の絵を受け取る。これがま~~~じでかわいくて泣いた。本当に可愛い。天才だ。あと、これは私のイラストを頼みの選定の良かった点だと思うが、あまり複雑なイラストでなくシンプルにかわいいゆるふわ似顔絵ものを選んだので、布に印刷したときもほとんど崩れず見えないところもなかった。ごちゃごちゃした、もしくはリアル系のイラストをかくなら多分別の布に書いて貼ったほうがよさそうだ。依頼から完成まで4日。早すぎる。神だ。おかげで誕生日までまだ12日ある。余裕の進行すぎる。

ここからはちまちま幕のデザインをしてたいた。ここが意外と難しくて小さい画面でデザインしたものが大きく布になってどうなるのかがいまいち想像つかない。初めてだしね。最終的に絵とのバランスをとって、やや小さめに配置したんだが、これはやや失敗だった。

布自体の80×120というサイズは、一般より小さいがまあ目立たないってほどではなかった。でも多分みんな縦の長さは100だな。横も200以上が多かった気がする。次回はそれで作りたい。で、一番大事なことはもっと文字はでかいほうがいいということだ。そうじゃないと見れない。いや、今回作ったものも見れないわけではなかった。なかったが、みんなもっとでけえ字でどっからみても見えるような幕を作っている。なんだったら幕のほぼ全面が文字。文字サイズが三倍くらい違った。これは作って比べて初めて実感したというか、自分の幕だけ見ててもあまり気づかなかったんだが、パドックで見えるようにするにはもっっっっっっとでかくなきゃいけない。広いからね。布サイズより断然字の問題。ちなみにイラストは30cmなかったはずだが案外映えた。やはり文字サイズの方が重要だ。未来の私よ、もっとでかい字で作れ。よろしく。頼んだぞ。

当日

さて、当日にもさまざまな困難(概ね情報不足による準備不足)があった。

まず、朝私は致命的なことに気がついた。なんと幕をつける紐がない。もっとはよ気付けばーか!
というのはおいておいて、これが真剣に困った。紐の素材も長さも、必要なものがよくわからない。幕会社の推奨はよおわからんがガチなやつで今からは手に入らない。一瞬無理では?と思ったが、諦めるには勿体ない。船橋競馬場にはららぽーとという強い味方がいる。それでもららぽーとなら...なんとかしてくれる...!と家から船橋競馬場までの電車で幕の紐の情報をめちゃめちゃ調べたが、ネットで情報をあさりにあさって、概ねホームセンターか手芸店で手に入る何かを使っている人が多い、ということだけしかわからなかった。とにかく大事なのは切れない、と結べるだと踏んだ。
ららぽーとにあるのは、東急ハンズとユザワヤ。強力な味方である。船橋競馬場に着いたのは13時45分頃だったので、急いでららぽーとにいく。ユザワヤと東急ハンズを両方回って、店員さんに「幕をつけるのに切れない紐がほしい」と言って見つかったのは、メルヘンアート アウトドアコードという商品だけだった。

どうやらアウトドア商品らしく、耐久性はバツグン。あと安い。耐久性は高いがハサミで切れる。これでいいのかは分からないがこれしかないから仕方ない。しかし、きれないという最低限の要項は満たせている。5mセットなので10mもありゃ足りるだろと2セットついでに紐を切る用のハサミも買って(次回はもってけ僕よ)、東急ハンズをあとにした。ちなみにユザワヤにもあった。2つ回る意味なかったネ。

次に悩んだのが幕の紐の長さだ。幕は馬のいない時間に出さなければならないので、設置の時間はそんなに余裕がなさそうだ。先に幕に紐を結んでおいて、そこから柵に結ぶだけにしなければならない。ググっても分からないよ〜〜〜〜!と泣きそうになっていたが、千葉県調教師会の公式の幕制作要項ページを見直したところ、なんと書いてあった。

「取り付け用のひもの間隔は1メートル以内とし、ひもの長さも1メートル以内。」見落としである。おっけー1mね!となったものの、5mを五等分になんてうまくできない。怒られたらまあはさみできればいいかと、4等分し、125cmの紐を6本(幕は六ヶ所で止める)と余った250cmに切り分けて幕に紐を通しておいた。

この段階で14時30分である。1Rが始まる直前。もう少しで2Rのお馬さんたちがパドックに来る。パドックにおうまさんがきたら張れない。つまり2Rに間に合わない!2Rから推しの乗鞍あるのにYO!ばーか。準備不足。

船橋競馬場には無事入れた。2Rのお馬さんはもういた。ところで、どこに行けば横断幕ははれるんですか?例の調教師会のサイトを見たら「 スタンド1階 警備本部。」どこ?????
仕方がないので近くにいた警備員さんに聞くと、エスカレーター上がってまっすぐ出店のほうに行けば看板あるよとのこと。確認する前に聞いてごめんなさい警備員さん。
言われたとおりにたしかにパドックとお店と室内の分岐のあたり(語彙力)に、警備本部こちら 横断幕etcの看板があった。そして言われたとおりに警備本部への道を行く。この塞がれてるとこ通っていいんですか?いいんだろな何も言われなかったし。

スロープを降りて左に行けば警備本部だ。声をかけて、初めてなんですけどと宣言しておいた。優しかった。ここで手続きで書類を書いて、提出する。細かい幕の確認はされなかったがそれはパドックの方の警備員さんの役目なのかな?いや規定通り作ったから問題はないはずだが。

手続きをすませ、2Rの馬がはけるのをまって階段を降りてパドックの柵に近づく。内側にいる警備員さんと協力をして幕をつけるわけだが、警備員さんの動きが早すぎてしばらくボケっと突っ立ってしまった。ごめんなさい。こっち側は俺がやらんといけなかった。
幕をうまく貼る部分は初心者僕より圧倒的に警備員さんがうまくて、きっちりたるまないように伸ばして引っ掛けてくれた。船橋競馬場は作の下の方が丸い穴になってるからそこに通すと安定するっぽい。逆に言うとあんまり太いひもだとたぶんこまる。東急ハンズのあれは大正解だった。最後まで切れず解けずだったしね。

失敗したのが紐の長さ、これは僕の切り方が悪かったわけだが、125cmじゃ短かった。特に上の真ん中。たまたまパドックの柵と柵の切れ目で、太い柱みたいになってたせいもある。が、他の部分も正直短かった。警備員さんに紐は長いほうがいいよといわれたし、隣に佐藤裕太厩舎幕を貼られていた方にも紐は長い方がいいとアドバイスを受けた。千葉県調教師会公式が1m以内って書いてたじゃん!!!!!!!!!!YO!!!!!!!!!!!!!気づいてたけどあのサイト古いな!?!?!?!?まずショッキー紹介ページにまだデビュー14年目の推しピいねえもんな!!!!!!!!!

幸いだったのが、買った紐に250cm分のあまりがあったことだ。うまく結べなかった一箇所は、急いでこれに付け替えて事なきを得た。余分は大事だ。

紐、正解は分からないがとりあえず今回買ったもので問題はなかった。ただ長さは足りなかった。次回は2mずつぐらいにしたほうが良さそうだ。かなり大事。

ファンレターの宛先が分からなくて困る

ついでにもう一つ困ったことも書いておこう。推しにファンレターを書いたのだが、ネットじゃその送り先がわからなかったのだ。厩舎所属のジョッキーなら厩舎に送ればいいんじゃね?というYahoo知恵袋の解答を見て一理あるなと思ったのだが、じゃあ騎手会所属の騎手はどこにおくればいいか、インターネット様は答えを返してくれない。ちなみにJRAと川崎競馬場だけは、きちんとQ&Aやらに住所を書いてくれている。神である。

考えた末にじゃあ船橋競馬場できけばいいか~ついでに船橋の郵便局から郵送したら送料安く済むし〜、と思って競馬場にファンレター一式を持参していた。ドケチである。ちなみに南船橋駅すぐ近くに郵便局はある。しかし、結果的にはこのケチ思考が役に立った。船橋競馬場のインフォメーションで、「船橋競馬場所属の騎手にファンレターを送りたいんですが、宛先はどちらにすればいいですか?」と聞いたところ帰ってきた答えは「警備本部にいってそこにおいていけ」だったのだ。持ってきたんだから競馬場においていけばいいんだ、それはそう。盲点からド正論をかまされたので、そりゃそうか…と二度目の警備本部訪問をした。めっちゃ優しく対応していただいたので、多分これはいつもおっけーなやつなんだろう。知らんけど。ありがたく警備本部に置かせていただいたので送料が浮いてso happyとのんびり考えていたんだが、よくよく考えたら結局ファンレターの宛先はわからずじまいだった。競馬場いけないけど、ファンレターは送りたいときはどうすればいいんですか!?!?!?!?教えて船橋競馬のプロ!!!!!!!!!!

無事プレゼントを置いてこれたので本日のミッションは、あと幕を回収できたら完了である。ようやく落ち着いてレースを見れた。さっむい。マジで。脳死で突っ立ってたらいつのまにかフワッフワッしていて、一レースぶん見損なった。さっむい。

横断幕は良い文明


2Rは間に合わなかったが、推しの乗鞍のうち4Rと7Rは間に合い、先出しでもなく(初めてパドックで会えた)パドックで写真を撮ることができた。クッソぶれてるけど。

推しに見ていただけたかなんて分からないが、それはいい。少なくともパドックにいた観客様たちの目には止まっただろう。もう朝からドッタンバッタン大騒ぎだったが、落ち着いてパドックに並んでる自分の幕を見ていると、やっぱり幕を作って良かったな〜〜〜!!!となった。

なんていったって、オタクの好きを合法的にわかりやすく、周囲に表明できるのである。素晴らしい文化。推しに伝えるだけならファンレターでいいし、まあファンレター書くのは相変わらず死ぬほど苦手だが、それ以上に全く知らないどこかの誰かの目にもとまるってのがいい。元々長いこと推しの誕生日には一人で誕生日仕様のホールケーキを買って食ってた人間である。応援が何になるんだというのは一旦おいておいて、とりあえずオタクが一人でホールケーキを家で食ってるよりかは、横断幕を作って張り出してるほうがまだ、まだ何かの役に立ちそうではないか。少なくとも自分の中で完結せず外に表明してるだけ、発展の可能性を秘めている。巡り巡って、Twitterにあがる推しの写真の枚数が増えたらお赤飯案件である。他人経由の供給を増やすには、オタクの存在と位置を表明するのは大事だってこれはわりとマジだと思っている。でもケーキも買った。ケーキ屋さんのファンなので......。

あと、配信でよく見かけていた、泰山北斗森泰斗とか一心不乱西村栄喜とかも〜〜〜とにかくかっけぇ知ってる幕たちの中に僕のHappy Birthdayがちんまりと存在してるの、かなり良かった。布サイズと文字サイズはもう一度やり直したいけど。応援してる人がいるよ〜〜〜〜!!!と声を上げるのは自己満足以外の何物でもないが、自己満足として良かった。何度もいったが、次回はもっと大きくだしたい、本当に。でっっっかく主張したいので。

とにかく、はじめての横断幕作りはうまくいったとは言い難いが、いろんな人のおかげでなんとかなった。いろいろ教えてくださったフォロワーさん、お隣の幕の方、警備員さん、本当にありがとうございました。めちゃめちゃ楽しかったので、次は一年に一度じゃなく普段使いできるような幕を作りたい。そしたらキャッチコピーから考えなきゃ。卒論を無事出せたらやるぞ!!!!!

最後に。もはやこれを書いてるの5日後だけど、川島正太郎騎手お誕生日おめでとうございます!

Happy Birthday!!!!!!!

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