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なのか展備忘録-Ⅶ 「ルールのたまご」

今日は、CHOCOLATE様より出展された「ルールのたまご」について。
ガチャを回したい人間の根本的な欲に訴えかける、非常によくできたゲームです。いやほんとマジで。

1回100円の「ルール」ガチャ

「ルールのたまご」のコンポーネントは、会場に2台設置されたいわゆる「カプセルトイ」系のガシャポンマシン。100円入れてハンドルを回すと、中からルールが書かれた紙の入ったカプセルが一つ排出されます。

この紙に書かれた「ルール」はあくまで発展途上のルールの「たまご」であり、これを遊んでみるのも持ち帰って育てるのも自分には合わないと捨ててしまうのもプレイヤーの自由として完全に委ねられています。

僕はこういうのコンプリートしなければいけない人間なのですが、物販コーナーで「たまご全部入りセット」が販売されており事なきを得ました。
全30種だそうなので、コンプリートセットがなければ命が危うかった。


どんなルールがあるの?

「たまご」の中身は、そのままでも十分楽しめそうだなと思えるようなルールから何か物足りないと感じるもの、これは難しいなと頭をひねるものまでさまざま。いくつか紹介しておきましょう。

1.じゃんけんの「グー」のみしか出せず、それぞれが「グー」に自分なりの名前を付けてその強さを競う「グーだけじゃんけん」

2.親が読み上げるwikipediaのページ内容を基に、何について説明しているのかを当てる「逆算wikipedia」

3.全員が知っている曲をイメージしたパーカッションを親が行い、それを聞いて曲名を当てる「雰囲気パーカッション」など。

こんなルールがたくさん提示されるわけです。
身内のボドゲ会の途中でこれを出してみて、気になったものを遊んでみることにしました。

進化するゲーム

実際に遊んでみると、拡張性の高いゲームがバランスよく収録されているなというイメージでした。「これ面白いかもね」「これなんか惜しいよね。どうしたら面白くなるんだろう」と話し合いながら遊んでみるのが楽しい。

「逆算wikipedia」は「アンサイクロペディア」を使ってやってみたらもっと混沌とするんじゃないかとか、
「グーだけじゃんけん」では「《太陽》が強すぎる」問題が発生して、どうしたら太陽を倒せるか考えてみたりとか。
テストプレイをしながら良かったところを挙げたり改善点を探したりする、ゲーム制作の過程を追体験できるようなゲームだったなと思います。



これはゲームなのか?

それはもうゲームだったなと感じました。ただ、これは「ゲームのルールを買って遊ぶ」側面もありながら、「ゲームを作る体験を買う」キットとしての味が強めのゲームとして作られたのだと感じました。

プレイヤーに与えられているのは、あくまで「ルールのたまご」という名前の素体だけ。
これを遊んでみて、その上でどう料理するのかはプレイヤー次第。完成したルールだと判断するのも、自分なりに味を加えて育ててみるのもすべて自由という懐の広さが良いなあと思います。

買って持ち帰った人の数だけ、新しいゲームが生まれたのです。
僕も今後少しずつ、残った卵たちを育てていきたいなと思います。

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