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砂明利雅
2023年9月25日 01:43
闇夜の下、紅の宮廷は燃え盛っていた。その広い建屋全体から火が噴き出していて、まるで一つの街が火に飲み込まれたかのようだ。火の粉がそこら中に舞い、黒煙が夜空を覆っている。冬の夜の空気をも熱く熱せられる宮廷の近くに、女剣士は炎を見上げながら立ち尽くしていた。紅と黒の衣装にこびりついた赤黒い血が、炎の明かりを受けてぎらぎらと輝く。彼女……フェンレイは、刀ひとつだけを携え、無表情のまま佇んでいた。周りで