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スポーツにおけるダイナミックプライシングは反対です

幼稚園の頃、親に連れられて後楽園球場にプロ野球を見に行きました。
あれから40年、毎年のプロ野球観戦は続けています。
結婚して子どもが生まれてスタジアムに足を運ぶことは少なくなりました。
でも、サッカーやラグビー、大相撲、バレーボールなど様々なスポーツを応援してきました。
もちろんテレビで見る方が圧倒的に見やすいです。実況と解説があるので、背景が分かりますし、リプレイもあるのでよく見たいシーンを見返すことができます。ただそれ以上に、現地でみる臨場感や興奮。これはテレビ観戦ではなかなか補うことができません。

そんななか、最近のプロ野球はダイナミックプライシング制度をチケット販売に導入する球団が増えてきました。

ダイナミックプライシング制度とは、
その日のチケットの売れ行きによって、同じ席でもチケット販売価格が上がったり下がったりする制度です。
人気がある試合の日のチケット代は高くなり、あまり集客を見込めない日のチケット代は安くなるということです。

私はスポーツにおけるダイナミックプライシングには強く反対します。

プロ野球においては、
特にセ・リーグで似たような販売方法が以前からありました。
それは、ジャイアンツ戦のみチケット代を高くするという販売方法です。
昔のプロ野球はジャイアンツが一強で、セ・リーグのそれ以外の5球団はジャイアンツ戦で稼ぐ。反対に、パ・リーグの試合はいつも閑古鳥が鳴く。そんな状況でした。
なので、集客の見込めるジャイアンツ戦は、多少金額を上げてもお客さんが入り、売上増に寄与するということです。

個の販売方法はダイナミックプライシングのようですが、厳密には異なります。ジャイアンツ戦のみのチケット代を上げますが、販売動向によって価格を上げ下げすることはしていませんでした。
というか昔の技術では価格を上げ下げすることができなかったということです。
ゴルフ場の使用料が平日と土日で金額が異なるというのも同じ手法です。
集客が見込めるときは単価を上げても買ってくれるという前提です。

今のダイナミックプライシングはもっとシビアです。
その日の需要予測、現在の売れ行き、今後起こりそうなことを想定して単価を決めています。

先ほど、スポーツにおけるダイナミックプライシングには反対であると書きました。その理由は以下のとおりです。

航空券やホテル代は現在、ダイナミックプライシングが導入されています。
飛行機やホテルはサービスの内容は変わりません。平日でも土日であっても同じプランならば同じサービスが提供されます。ですから、需要の多い少ないで価格が上下するのは致し方ないと思います。
結局、受けるサービスは同じなので安い金額で旅行に行きたいならばシーズンオフに行く、ということです。

ではスポーツはどうでしょうか?
スポーツにおいてのサービスとは何でしょうか?
私は試合内容だと思います。そして試合の内容は毎回異なります。当たり前です。それがスポーツです。試合内容が分かっていたのではスポーツを見る面白さはまったくありません。
サービスの内容が異なる商品にダイナミックプライシングを導入する、この意味が私には理解できません。高い金額を設定したのに試合内容がひどかったら、運営側は「それも含めてスポーツです」ということなのかもしれません。それはそうですが、だからこそ金額はある程度は一定であるべきだと思います。
そのような運営側の意図を感じると、この球団はスポーツを愛していないんだな、スポーツを金儲けの手段としか考えていないんだなと考えてしまいます。
時代が変わったと言われればそれまでですが、ファンあってこそのスポーツです。ファンから愛されるために、心から応援してもらえるために何が必要かを考えるのが、運営側の本当の仕事なんだと思います。
「儲けるんだったらチケット代を変動させればいいんだよ」
安易に飛びついているようにしか見えません。

チケットが完売したので大雨でも試合を開催する、
ビール代が半額の日にチケット代が3倍になる。

何を目的にやっているんでしょうか?
私はスポーツにおけるダイナミックプライシングには反対です。

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