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子ども達を一人残らず、”ゆたか”にする小さな選択。

お金持ちの子どもは本当に“ゆたか”なのだろうか?

働く中でずっと考えていたのですが、それは本人が“選べた”かどうかにあるという結論にたどり着きました。

世の中にある仕事の数だけ、お父さんがいる。

そう思うようになったのも、教育業界で仕事を始めてから。ぼくは、何百人もの子ども達を指導してきました。性格の穏やかな子、怒りっぽい子、色々な特性を持った子どもがいます。家庭環境も同様です。何百年もの歴史ある会社の経営者や開業医のお医者さん、弁護士、大手企業の役員など。そう、ぼくはいわゆる“お金持ち”の子ども達と数多く接してきました。至極当然のことですが、世の中にある仕事の数だけ子どもがいることを知りました。

中流家庭で育ったぼくにとっては、「お金持ちでいいな。将来安泰じゃん」くらいにしか最初は思ってませんでした。しかし、どうやらそうでもないと気づき始めました。つまり、お金持ちだから“ゆたか”とは限らないということに。

どういうことか。

人には人の地獄がある

これは尊敬するフリーアナウンサー宇垣美里の好きな言葉です。開業医の奥さんは「なにがなんでも息子を医者に」と姑のプレッシャーに耐えながらも四苦八苦している。明治時代からファミリー経営をしてきた方は「なにがなんでも息子を社長に」と偉人たちからのプレッシャーに耐える。

ここまで書いたことはほんの一例に過ぎません。もっともっと多様なご家庭があります。もちろん、そこに生きる子ども達がいます。彼らは生まれながら、半ば将来の道が決まっていることもある。それを「子どもの人権が~」と咎めるつもりは毛頭ない。ご家庭にはご家庭の苦しさがあり、楽しさ、喜びがある。それをコンマ1mmしか知らずに否定するなんぞ、教育者として失格だ。

”ゆたか”は選べる力を持つこと。選ぶこと。

改めて考えてみよう。
ゆたかさってなんだろう。

お金持ちになることだけでしょうか。
お医者さんになることだけでしょうか。
誰もが認める大企業に入社することだけでしょうか。

本来なら「そうではありません」というところで、ちゃぶ台をひっくり返すようですが、”お金持ち”は”ゆたか”になれる可能性が非常に高いです。
経営者だってそう簡単になれないし、お医者さんだってそう。
それに至るまでに莫大な教育投資・努力が不可欠。
それを可能にするのは”お金”であることがおおい。
ひとりの子どもを教育するのには数千万円といわるほどの資金が必要です。

子ども達の選択肢の数は生まれた環境で決まってしまう。
悲しい表現になるけれども、これが教育の現在地だ。

諦められない”ゆたかさ”

でもー
お金持ちでしか”ゆたか”になれないなんて、嫌だ。だって、ぼくはお金持ちではないから。どちらかというと、貧乏。”ゆたか”になれないのだろうか。

じぶんがそのとき行きたい学校・会社、やりたいこと、共に戦いたい仲間は選び続けたい。「この子と昼休み遊びなさい」と言われるよりも、「この子と昼休み遊びたい」と選ぶほうが絶対に楽しい。

ぼくが、教育が、できることがあるとすれば、子ども達の選択肢を増やすこと、そして選択肢から選べるような力を授けることしかない。それには全力で挑んでいる。お金持ちに限った話ではない。ぼくもみんな。

灘中学に行くか、地元の公立中学に行くか。
東京大学に入学するか、京都大学に入学するか。
お医者さんになるか、弁護士になるか。
会社経営をするか、サラリーマンを続けるか。

どの選択肢も全部素晴らしくて、かっこいいこと。美しいこと。

だから、「誰かがこういっていた」とか「社会から認められているから」と自分の内側に蓋をして意思決定してほしくない。人生は○×ゲームではない。〇もなければ×もない。じぶんで選べた人は全部「〇」だとおもう。2分の1の確率ではなくて、100%の確率で。

誰かにとっての”ゆたか”はきみとって”ゆたか”とは限らない。ぼくらは思った以上に選ばされている。偏差値にしても、人間の能力を測るほんの一部に過ぎない。

だから、明日は選ぼう。

着る服を。朝ごはんを。帰り道を。

お金持ちでなくもみんなに共通する”ゆたか”になる方法があるならば、
「あした、選ぶ。」ことだけだとおもう。それだけでいい。いや、それができれば最高で最強。”ゆたか”への特急券。

いまある選択肢から”選ぶ”という行為をすることで、”選べない”に気づける。そのときにはじめて、「これが足りない」とハッとさせられる。そこに気づけたら、あとは近づけるように、いつか選択できるように努力すればいい。ぼくもあしたは、たくさん選んでみようとおもいます。あしただけではなくて、明後日も、明々後日も。

読んでくださったみなさま、ありがとうございました。
ぼくもあしたは、たくさん選んでみようとおもいます。


#ゆたかさって何だろう #コラム #教育 #エッセイ

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。皆様の貴重な人生の時間を頂戴しました。 これからも、暖かい記事を書けるように頑張ります!