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フットワークは意識的に軽くできるのか?〜試しに「おでかけガチャ」をやってみた

本を読まない人のための出版社 
サンクチュアリ出版 広報の岩田梨恵子です。

先日、サンクチュアリ出版の宣伝チームで「おでかけガチャ」に挑戦してみました。
東京で開催されるイベントの中から、ランダムにガチャで当たったイベントに参加してみるというものです。

人は大人になるほど、自分の興味のあることしかやらなくなっていきますよね。
でも、広報マンにとって必要なのはフットワークの軽さやミーハーさ、ストライクゾーンの広さ。
自分に興味のないイベントや場所にもあえて行ってみたほうが良いのではないか?? 
ということで、30個程リストアップした「東京で開催されるイベント」の中から、ガチャを回して当たったイベントに行ってみることにしました。

コロナ禍も終わり、イベントが各地で復活してきていますが、世の中には本当にいろんなイベントがあります。

たとえばコレ。


ニュースでも話題になっていた「ぼーっとする大会」
一番ぼーっとできた人が優勝だそう。

はいはい、現代人は忙しくてぼーっとする時間がないから、的なやつね。

特撮には何故ダムが頻出するのか、その理由や魅力について迫るという超マニアックなイベント。
特撮にもダムにも1ミリも興味ないけど、もし参加してみたら自分がどうなっちゃうんだろう、には興味ある。

ホリエモン主催のただただ温泉街でお湯をぶっかけるだけの祭り。
これはちょっと楽しそうだし参加してみたい。

で、今回ガチャで行くことになったのはこちらのイベントです。


よく晴れた平日の午後

上野アーティストプロジェクト2023
いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間
https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_uenoartistproject.html

人間以外の自然界のいきものを「うつす」ことに取り組み続けてきた6名のつくり手たちを紹介した展覧会です。
その対象は
「野生きのこ」「ゴリラ」「牛」「鳥」「馬」「草花」
表現方法も写真、版画、立体と作家によってさまざま。

平たくいえば「それにハマっちゃった人たち展」です。

人はなぜ、なにかにハマるのか。
わたしにとっては興味深いテーマです。
なぜなら自分自身があまり何かにハマるということがないから。
小学校のときにチェッカーズにハマって以来、推せるものが何もない。
推せるものが欲しいです、推し活したい。

開催場所は、会社から割と近い上野の「東京都美術館」。
平日にも関わらず、たくさんの人が来場していました。
鑑賞前に腹ごしらえをしようと美術館内のレストランに行ったら激混みで入れなかったくらいです。
定年引退後のおじさま、おばさま層が多かったかな。

東京都美術館では、複数の展覧会を常時同時開催しているみたいで、入場後若干迷いましたが、ギャラリーA・Cというところで開催されていました。
地下2階と3階にある展示会場です。

平日だし、マニアックそうな展覧会だからそんなに人は入ってないだろ、と若干ナメてましたがどっこい。かなり賑わっていました。

事前情報どおり、さまざまな生き物の作品が展示されています。

愛くるしく見つめてくるゴリラ

こちらは展示会のポスターにも採用されていたゴリラの作品。
なんとも言えない表情が愛くるしい。
作者は日本屈指のゴリラ作家さんのよう。
日本にゴリラ作家が何人いるのかわかりませんが、ゴリラといえばな有名な方なんでしょうか。
「ゴリラをみること・ゴリラを知ること」というテーマのギャラリートークイベントも企画されていましたが、定員200名が満席だったみたいです。
ゴリラの人気、恐るべし。

鑑賞してみて、きのことか、鳥とか、草花はハマっちゃうのなんとなくわかる気がしました。
コレクション欲求、収集欲求を満たしたいという人間の本能、ポケモンにハマる人と同じ理屈でしょうか。

ただ、初見で一番わからなかったのが「牛」。
ゴリラと馬はまだ、人間に近い知性を持ってて彼らの感情の機微に触れる魅力がありそうだけど、

牛…。
牛はわからない…。

展示パネルには、作者が北海道の牛舎でアルバイトをしたことをキッカケに牛にハマったこと。
牛の表情は1頭ずつ全然違うことが紹介されていました。
(ちなみに牛に名前はないため、作品には全て牛の識別番号が振られていました。なんか切ない…)

主に木版画の作品中心だったのですが、牛の1本1本の毛並みまで細かく全て再現されていて、作者が牛に全集中して向き合ったんだろうなということが伝わってくる緻密な作品。

等身大の牛と二児の母

特に実物大の作品はど迫力でした。
写真OKだったのでつい、2ショットを撮ってもらいました。
展覧会ってこういう楽しみ方でよかったっけ??
よく見ると私、めっちゃ牛に睨まれてますね。

作者の冨田美穂さんは、ある記事のインタビューで、このように語っています。

一見は同じように映る牛でも、よく観察すると個体差は大きいのだとか。少し年寄りじみた表情だったり、おっとりとした天然タイプだったり、顔つきや性格の違いを表現することにも面白みを感じ、飽きることはまったくないと冨田さんは笑います。

https://dokkoisyo.jp/work/5546/

「全く飽きることがない」

動きもトロいし、食べてるか寝てるかくらいしかない牛に全く飽きることがない、と…。スゴい…。私1日で飽きる自信がある。

でも、富田さんは牛に飽きない。
つまり、牛に無限の可能性を感じているのでしょうか。

無限… 宇宙… 沼… ハマるって奥深い…。
掘っても掘っても無限だと思えるようなものに、今後私も出会えるでしょうか。

少し話は変わりますが、
「21世紀最大の課題は"暇"との戦い」
といわれていることをご存知ですか?

人類が生活の利便性を追求し続けた結果、今や家事はほとんどを機械がやってくれるようになり、宅配サービスを利用すれば家から1歩も出ることなく生きていくことができ、AIの進化によって、仕事ももはや人間がしなくていい時代が到来しつつあります。

そうなったときに私達を待っているのは「膨大な空き時間」。
夢中になれるものを持たない人間は、ただただ動画を見たりスマホをいじったりして非生産的な時間を浪費するしかないという恐ろしい末路が待っているかもしれません。

これからの時代に私達に必要なものは「夢中になれる何か」。
推し活が流行っているのにもそのような背景があるかもしれませんね。

牛にハマれる気は全くしないのですが、2024年は「無限にハマれる何か」に出会いたい、沼につかってみたい。
そのためにも、今後も「おでかけガチャ」に挑戦していこうと思います。

皆さんのハマっている沼はなんですか?
ぜひ教えてくださいね。

サンクチュアリ出版 岩田梨恵子でした!


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