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覚える限界

勉強

日本語教師(と将来の教師)の勉強会で
全く知らない外国語をその知らない外国語で教えてもらう
という体験をやったことがある。
これは「直説法」という教え方だ。
さてそこで
全然知らない・わからないことを
1度に詰め込まれるとどうなるか。(汗)

その外国語の使い手が先生役となって
絵カードを見せてその絵の名前(たとえば車など)を言う。
私たちが先生のまねをして言う。
1枚目、2枚目…
何とか覚えていく。
5枚目… もう、頭の中は「ぱんぱん」になっている。

さて先生は1枚目のカードを掲げてこれは?という身振り。

え?ナンだったっけ?え?

先生は2枚目を見せる。
「おや、だめですか?」という顔をしてみせる。
3枚目は?4枚目は?

何と全部、頭の中からどこかに飛んでしまった!

4枚目までは何とか覚えていたはずが
それ以上になったとたんに全部忘れてしまったとは!
これは強烈な体験だった。

まるでボールをたくさん抱えていて
もう無理だというところにさらに1個持とうとすると
今まで持っていた分も全部こぼれ落ちてしまった
そんな感じだった。

外国語に限らず・仕事でも運動でも
何かの覚えはじめというのは
ボールを手で持っているようなもので、つかんでいないと落ちてしまう。
何度もくり返し練習しているうちに「身に付いて」くる。

「身に付く」と、手を離しても落ちない。
そういうことなんじゃないかな。

とにかく、一度に覚えられないということだけは
よおおーくわかりました、先生。
何かを覚える・身に付けるには
行きつ戻りつ日々繰り返し、だ。

ちなみに今までやってみた言語は
「ポーランド語」「ベトナム語」「アラビア語」など。
いや、ホントに大変だから!

先生は時々生徒の身になるべし。


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