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石器で豚バラを切る!

実用

大昔の・まだ金属器を知らない人たちは石器を使っていたのだが
中でも黒曜石の刃物は切れ味がいい
ということをご存じの方も多いだろう。
だって、黒曜石って、天然ガラスだし。
ガラス成分が多い溶岩が固まったもので
日本には火山が多いのであちこちにきれいな黒曜石の産地があって
北海道では「十勝石」が有名。
ガラスで手を切った人は少なくないと思うが
思い出すとお尻がムズムズするくらいによく切れる!
ガラスは硬いし、割れると滑らかな刃になりやすいので要注意の物質だ。
この黒曜石で作った刃物はカミソリのようによく切れて
(黒曜石のかけらが指に刺さった経験あり)
特に、脂の多いアザラシなどを解体するときは
刃に脂が巻きにくいので、使い続けても切れ味が落ちなくて
金属の包丁より実用的だと聞いたことがある。
これ、多分材質の違いと・石器の刃の形の問題ではないか。
多くの石器は細かく打ち欠いて刃を作るのでパン切り包丁のような感じだ。
とび出した刃先は多少の脂が付いても肉をひっかけて切り裂いていくのだ。
さて材質の方だが
ガラスは金属よりも脂が付きにくいのだろうか。
石器で大根を切ってみたら、さくさく切れたけど
バラ肉切って実験してみようかな。
というワケで
色々荷物を片付けていて、昔々に山道で拾った石器が出てきたので
脂身の多い・豚バラ肉を切ってみた。

これは黒曜石の小さなナイフ型石器で、多分途中で折れているもの。

刃の中央部が引っ込んでいるのは(赤い線の部分)

使っているうちに刃こぼれしたりして切れが悪くなって
新たに小さく割取って、刃を付けたから。
料理人の使う包丁は研いで研いで形が変わってくるが石器も同じである。

左側の石器は、刃が丸くなっていたらしく
肉の上を滑って行って、文字通り刃が立たなかったが
右側のナイフは「さりさり」と切れた。

もちろん包丁のように一回で切れなくて、5,6回刃を引いて切り取ったが
この刃渡りでは無理もないともいえる。
博物館などで「ブレード」と呼ばれる大きなナイフ型石器を見かけたら
ぜひ、肉を切るところを想像してみてほしい。

さてそこで
石器を使って5センチ幅くらいに切った肉を
改めて包丁で半分幅に切っていくと一度で「さっくり」と切れてしまう。
文明の利器、やべえ!

刃には脂がべっとりとついてしまうが

黒曜石のナイフの方には、包丁ほど脂がつかないようにも見えるが
黒くて違いはよくわからないものの
とにかく切れるのは確か。

この小さいナイフはおそらく大きな肉を切ったりするのじゃなくて
糸だとか紐だとかカゴを編む草だとかを切っていたのじゃあるまいか。
だから、使っていたのが刃の一部分だけだったのだと思う。
面白い実験だった。
(あ、肉は美味しくいただきました ♪ )

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