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好きな言葉ばかりで大丈夫?

こんばんは、砂漠です。皆さん胃腸の具合はどうですか?キオスクが早く閉まって、コスメに夢中な人のあいだに例のアレとか飲んで飲み会に臨みましたか?
私は、曽祖父の代から酒に強い家系らしいですが、やっぱりこの季節はお世話になる機会も多いです。

今夜、2017年12月10日は、ほんと言うと1年でいちばん避けたいと毎回思う集まりがありました。

暴年会 なんなら年の字を念に書き換えても良いくらいの年末の集まりです。

暴年会の始まり
暴年会って名称は!実は存在しないんです。ただ年の瀬に集まるだけのことなんですが、もうかれこれ25回もやっています。
最初の頃は、仕事上のつきあいのおとなしい席だったのですが、回数を重ねておそらく地球上でいちばん怖い宴会になりました。

それこそ若い頃は、
「なんだ見たぞあの仕事。赤ん坊でもできる。」
「なにを!おまえこそ日和ったな!」
「表出るか!」
ほんとに表に出てしまったこともあります。
派手に腫れた顔で戻って来たやつらの顔を見て、
冷たいおしぼりをママさんが出してくれて、
「あんたらほんとバカね。」
それでママさんに謝りながら
「あれ見て直ぐにおまえの仕事とわかった。」
「売れてるようだな。良かったな。」
さっきまで殴り合っていたやつらが
肩を組んで話している。

それから25回を迎えました。

今日の暴年会
さて、今日の暴年会はというと随分おとなしくなったとはいえ、はっきり罵倒はっきり批判されるする会には変わりがありません。
「表に出るか!」
「おお!」
しばらくしてタバコ吸って帰って来た2人の顔は、冷たい風にあたり何か深い話を短くしたようです。

ぼくは、この集まりの最年少なのですが、先輩とも後輩とも違うし、側から切り取って見たら怖いおっさんの集まりに過ぎないでしょうが、好きなものだけに囲まれて好きなものだけの世界になりがちな自分を、見事にぶっ壊してくれる「いい人たち」です。
けちょんけちょんに言われた後、たった一言だけの賛辞とも呼べない言葉に、ありがとうと思います。実際その場で言うと、ややこしい事になるのであとでメールや電話します。だいたい返事は
「そんな事言ったかなあ。それより結婚しろよ。」
「うるせーバーカ、奥さんによろしく。」
不思議だけど、常套句のような
今年もありがとう
来年もよろしく
よいお年を
という言葉さえ聞いた覚えがありません。

暴年会はエネルギーを使い切るけれど、ほんの少し背中を押してくれる。好きな言葉好きなものばかりではない愛すべき年の瀬のひと時でした。
#エッセイ #忘年会 #年の瀬 #宴 #この世界から無くなりそうなもの #優しい言葉 #言葉




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