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大切なのは、資格を「取ること」ではない。

こんにちは。

一気に風が秋の気配になり、気温がぐっと下がってきました。
体調を崩している方が多いですね。
年を取ると、この急激な気温差に付いていけません(;^_^A
春から夏の時もそうでしたが、近年は季節の移ろいが急激です。
上手にコントロールして振り回されないようにしなくては、ですね。

さて
少し前の投稿でアロマスクールの事を書きました。
*思い出の「ニールズヤードレメディーズ」

数々のスクールを転々とした私ですが、
最終的にアロマセラピスト資格を取ろうと門戸を叩いたところ、
それは地元で30年以上も前からハーブのお店をやられていたR先生の教室でした。

決して大きな店構えではありません。
街の中に並ぶ小さなテナントの一角に、R先生のお店はありました。
そもそもフランス式のメディカルアロマを学びたいと切実に思っていた私は、R先生のお店に行くなり
「NARDのアドバイザー資格が欲しいので講座が受けたいです」と申し出ました。
他の協会の資格を持っているのですが、NARDのアロマを教えてくださいとお願いしたところ、返ってきた答えは

「あら、他でそんな立派な資格を取ったならもう要らないじゃないの」
と言われ「えっ」となり( ;∀;)

いや、私はフランスのメディカルアロマが学びたいんです!
NARDの資格が欲しいんです!と訴えたのですが、
「資格なんて一個あればいいのよ、あとは自分でどれだけ深めてお勉強するかだけなんだから。要らない要らない。余分なお金使わなくていいのよ!」
と取り付く島がない状態に・・・(;^_^A

えーーーっ?!
これはもう青天の霹靂でした。
今まではアロマのスクールと言えばどこもウェルカム状態で「是非うちに。お待ちしています」なんて言うスタンスの所ばかりだったのに、
あら?この先生はどういうことかしら?やる気ないってことかしら?と怪訝な趣になり「あの、ダメなんでしょうか?」と聞いてみると、

「ダメではないのよ。でも資格ばっかりたくさん持っていても仕方ないのよ。本当に大切なのはそこではないからね」と諭されて・・・
ここで私も引き下がる訳にいかず、
「でもNARDのお勉強をしたいです。お願いします!」と再度頭を下げてみた。
結果的には私の願いは受け容れてもらえ、無事NARDアロマアドバイザー資格を取得。その後アロマベーシック講師の講座も受けさせて頂きました。
(後日談で「もう認定講座はめんどくさいから辞めようと思っていた矢先だった」のだとかで笑。R先生の認定を頂いた一番最後の生徒でした)

受講中にR先生のアロマボディトリートメントを受けた時、
そのタッチの柔らかさと緩急のあるトリートメント技法の虜になり、
次は「トリートメントを教えてください!!」となりまして笑。

「うーん、二人一組でならいいんだけどね。一人だとモデルがその都度必要になるのよ。誰かもう一人受けたいって言う人が来たらやりましょう」となり、そんなの何時になるんだよ!と思うか思わないうちに「教えて欲しい」人がいらっしゃり、アロマセラピスト講座が勃発しました(笑)
こういう時って呼びますよね。と言いますか、やはりR先生のコアなファンは私だけではなかったと言うことなんですよね。

R先生はどこぞの協会の「〇〇認定アロマセラピスト資格」と言うのを持っていらっしゃいませんでした。
その昔、フランスにアロマの修行にいらした時、薬用植物療法の大家でいらっしゃるモーリス・メセゲ先生から直接指導していただき手技を学んだのだそうです。(サラッと書きましたが結構凄い事です)

「私から学んでもディプロマは出ないけどいいの?」
R先生はこう仰いました。
しかしその時一緒に先生のトリートメントを学んだ4人は(結果的に受講生は4人にまで増えました、募集したわけでもないのに)資格より何より、R先生の優しいあのタッチが学びたい!と思ったという事です。
そして他のどの講師からでもなく、R先生から学びたいと。

ビデオを観ながらの解剖生理学はめちゃくちゃ分かりやすく、
手技を教えるだけの講座ではなく、セラピストのための解剖生理学も丁寧に教えてくださり本当に有難かったです。

そしてR先生の真骨頂はその手技にふんだんに盛り込まれ、毎回の講座は濃厚でそれはそれは充実した時間でした。

私は一時期、資格マニアみたいになっていて
アロマやハーブの面白い資格講座があると飛びついて、たくさんの資格があればあるほどハクが付くんじゃないかと勘違いしていました。

確かにきちんと勉強してその道の知識を網羅することは非常に大切だと思うし、資格と言うものが「信頼」に繋がることも良く解っています。
正しい知識がないと精油は危険を伴うものだという事も良く解っています。

だから勉強することは大切だし、プロならば怠ってはいけない。
でも資格だけが先走りしてはいけない。
事実、いろんな協会の資格を持つようになると、その維持だけで年間に何枚もの諭吉さんが飛んでいくのだよね・・・

一般人はその年会費の捻出だけで大変です。

そういうことも踏まえて、
R先生は「資格は一つ持っていればいい」と仰ったのだろうな、と。

R先生にはアロマセラピストの心得をたくさん教えていただきました。
時にそれは日常の生活にも及びました。
今日は生理痛が酷くて・・・と言う時には即興で生理痛ブレンドを作って腰にクルクル塗ってくださったり(それがまた瞬時に楽になると言うマジック付き)
寝違えて首がピキピキしている時は「ちょっとそこに座りなさい」とブレンドオイルを垂らしてリンパを流してくださり・・・

家事で手がガサガサなのを目ざとく見つかってしまった時は叱られました。
「アロマセラピストがこんな手をしていたら失格よ!」と。
先ずは自分のお手入れをしなさい、そんな手のセラピストに触って欲しい人なんていないのよ!と。

もう10年以上前に、R先生と二人で地元の小学校に依頼されてPTA主催のセミナーをやらせて頂いた事がありました。
テーマはもちろん「アロマ」のお話だったのですが、小学生のお子様を持つお母様に「香り」「植物」「子育て」と言うワードを見事に繋げてのセミナーは非常にわかりやすく素晴らしく、R先生の優しさが伝わる講座でありました。

私もこんな講座が出来るようになりたい、と心から思い
今も私が求めるアロマセラピストの理想像として、ここにあるのです。

今現在、私は理由あってアロマトリートメントのメニューは閉じておりますが、
精油に対する思いやアロマに対する思いには、
R先生のスピリットが確実に私の中で息づいていると感じます。

あの頃のR先生と同じぐらいの年齢を迎えることとなり、
今やっとR先生の仰られてたことの意味が分かるようになってきました。

資格に固執しなくてもよいこと。
大切なのは精油をとことん愛する気持ちだということ。
全てはそこから始まるのだということ。

もう何年もお会いしていないR先生。お元気であれば良いなと思いを馳せ
お店を続けておられるのかも定かではありませんが、
近いうち一度、行ってみようかなと思っています。


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