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漢方生活30余年

こんにちは。

漢方薬、飲んだことありますか?
苦いですよね。飲みにくいですよね。解ります。
でも不思議と漢方薬というのは、
自分の「証」にピタリと合うと美味しいと感じるものでして。
そしてその「証」に合った時と言うのは見事な即効性があります。

私は二十代前半、結婚して娘を出産して間もなくの頃、
最初の「人生の師」とも言える漢方の師匠に出会いました。

今からもう35年ほど前の事です。(年がバレます)

その頃の私は学生時代からの酷い生理痛に悩まされ、
おまけに鎮痛剤の乱用が祟って十二指腸潰瘍を繰り返していました。
元々丈夫ではなかった胃腸に、更なる拍車をかけて負担を強いている状況。

もちろんいくつかの医療機関を回りましたが、
どこもお決まりの検査をしてお決まりの投薬しかしてくれず・・・
体調はますます酷くなるばかり。
これはもう西洋医学では解決の糸口が見つからないと判断し、
次なる手は東洋医学・漢方に頼るしかない!と
近隣の漢方薬局の門を幾つか叩いたのですが、

いまひとつピンと来ないんです。
何か月飲んでも。
どれを飲んでも。

そんな時、不思議なきっかけで出会ったのが
前出の漢方の師匠のお店だったという訳です。

問診・望診・脈診・舌診などを経て処方を決めますが、
最初のインスピレーションで
「この先生は信頼が出来そうだ」と思いました。

以来30余年に渡り、
先生の漢方薬で体調を改善し整えてきましたが

コロナ禍に入った年にお店をたたまれ、隠居に。
それまでは何かと電話一本で指示を仰ぎ危機を脱していた私も、
もう隠居されるとなれば頼る訳にもいかず・・・

自身の力で何とかせねばなりませんでした。

「頭で考えるな、体の声を聴け」
「迷った時は基本に返れ」など、
有難い教えを思い出しては言い聞かせる日々です。

当時ボロボロになった体を立て直すために取り組んだ「体質改善」。
食生活からの改善はそれはそれは苦難の歳月でした。
それでも健康になりたい一心で頑張り続けること5年。
今までの体が嘘のように好転し始めました。それが30代前半の頃。

その時に出されて一番つらかったのが
・甘いもの禁止令
・冷たい飲み物禁止令
この二つ。

食後にチョコレートとか普通の生活。
甘いもの欲しかったらハチミツ舐めとけ!と言われ、
夏はお風呂上りに毎日アイスクリームだったのを全部やめろと。
いや~辛かったですね。真夏でも熱いドリンクすする生活ですからね。

でもやり抜きました。
この意思の強さ。それだけギリギリの精神状態だったってことです。
どうしてもこの体をなんとかしたかった。
そこまで酷かったのです。

そのお陰で、今も甘いものや冷たいものは口にしません。
「敢えて」しないのではなく、「欲しない」のです。
真夏でも氷の入ったドリンクは体が必要としていないのです。
スイーツは嫌いではないですが、たまにでOK。
チョコレートに至ってはそこにあっても手に取ろうとすら思わなくなりました。

それが良いか悪いかはさておき。
師匠に出会わなければ、今の私は絶対的に存在しません。
今はもうお会いすることもないのですが、感謝の気持ちを忘れません。

漢方と言うものに出会い、
陰陽五行を知り、東洋思想を勉強しました。
今も延々とその学びは続きます。果てのない学問です。

陰陽五行とは「気」の学問で、
「気」とは見えないもの、実態のないものです。
見えないところを見ていくのが「漢方」であり「東洋医学」です。

漢方薬は病名で処方を決めるものではありませんが、
ドラッグストアで気軽に手に取って購入できる昨今では
仕方のないことですが病名での選択になってしまいますよね。

漢方は深く知ると
「この症状に何でその処方が功を奏するのか!」と言うような
テンション上がる「治験例」が自身の中にも幾つかあったりします。笑。

私は医師でも薬剤師でもありませんので、自分で試みた(或いは師匠の指示の下)だけの話なのですが、

その経験は本当に貴重で、今も心の引き出しから引っ張り出しては懐かしく嚙み砕いている・・・という訳でございます。


貝原益軒の「養生訓」

折に触れ、ページをめくる「養生訓」
読んだ方も多いのではないでしょうか。
色々な方が現代文にして出版されておりますが、
アーユルヴェーダ医学と紐づけて考えておられる蓮村誠先生のこの翻訳が
一番面白いな・・・とチョイスいたしました。

真面目にこの通りの生活はちょっと(いや相当)難しいですが・・・
人間が無為自然に生きるにはどうしたら良いか?
天から与えられた肉体を大切に生きるとはどういうことか?

・・・が伝わってくると思います。




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