御射山サナギ

駆け出しライター。 面白記事が書きたい。 過去が暗いけど頑張ってる。

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最近の記事

私の悪癖と不老不死願望の話

 ただこれを書き出しておかねば、私はこのことについて脳内で煮詰まり焦げ付くまで考えることになるので書き出しておこう、そう思った。  私は希死念慮を持ちつつも、このトラウマやら生きづらさが無く無限に金があるなり、生きる分の衣食住が保証されるなら不老不死でいたいという割と我儘な危険思想の持ち主である。その理由を突き詰めて考えた時に、私の出典掘り返し癖というべきか、遡り癖と言うべき悪癖にあることに思い至ったのだ。  この文章は私の我儘な願望とその言い訳を書いていくものなので、特に読

    • ざらめ

      わたしはざらめ 和菓子屋さんで落雁になれると思ってた お花の型にはめられて お抹茶のおともに わたしはざらめ まわりのみんなは和三盆 わたしも和三盆だと信じてた きれいで香り高い落雁になれる わたしはざらめ わたあめになるしかないって ある日思ってご主人にうったえたけど 型にはめらればらばらに わたしはざらめ ざらめにはざらめにできることがあったはず

      • 【SS】願わくは2 穀雨

         もとは父親がふんぞり返っていた書斎から父親の本をほとんど追い出して、本棚を客間に移し、私の城を作っている。  台所で使い物にならなくなった電化製品を納戸に運び出して、近所のホームセンターからキャンプ用品をくすねて調理台に置けば、食材の調達を考えれば食うにはほとんど困らない。  困らないのだが、退屈は敵だ。一般家庭にしては上等なソファに身を沈めて本から目を離して窓を見れば、濡れそぼった芝生が雲の切れ間からの光で宝石のようにきらきらと輝いている。  なにやってんだか、と喉まで出

        • 【SS】願わくは 晴明

           吹き抜けた肌寒さに目を覚ますと、花越しにぽっかりと月が浮かんでいた。読んでいたページのまま胸に抱いた本を鞄に仕舞うと、体に積もった花びらを払いもせずに丘の上から転がるように家路を走る。  思ったよりも寝過ごしてしまったのか、電気がついている家は無い。スマートフォンの画面を表示させようと電源ボタンを操作するも、電池が切れていてうんともすんとも言わない。  こうなっては父も母もお冠で私をただでは家に入れてくれないだろう。それならば、と私は歩調を緩めた。  いやに私に吠え付く隣の

          私と紙の本『菜の辞典』

          皆さんは本を買うときは電子書籍派だろうか、それとも紙派だろうか。 私は断然紙派である。 紙の本は良い。 カバー材質、表紙の材質、装丁の種類、中身の紙質。 もちろん内容だって見ている。でも、内容だけなら、電子書籍だって良いわけだ。 なぜ私がこんなことを言い出したのかと言えば、先日雷鳥社の『菜の辞典』を購入したときに 「ハードカバーは高い」 と言われたのだ。 値段は税抜きで1500円ほど。 ハードカバーで中身はフルカラー、挿絵が繊細で情報量も申し分ない。 インディーのゲームソフト

          私と紙の本『菜の辞典』

          上手に生きられなかった私がライターとしての第一歩を踏み出した話

          いきなりですが、お仕事ください。 それだけではアレなので簡単に自分の事を書いていきます。 毒親生まれ底辺育ち。頑張った所で意味はない。 ここまでそんな風に書いてきたけど、大切な人と一緒に暮らすにもお金がかかる。 彼のために生きようと思った。 体は長年の引きこもり生活と、レジ打ちのバイトのせいかガッタガタで腰痛もち。事務の仕事は今でも絶賛募集中。 そこで、画像のアノテーションの短期バイト、クラウドソーシングでちまちまと小銭を稼ぐ。 そう、クラウドソーシングだ。 クラウドソーシ

          上手に生きられなかった私がライターとしての第一歩を踏み出した話

          なによりも「私」を増やさない社会が欲しい

          2021年現在、30代前半、三十路の女。 中卒、立ち直れないメンヘラ気質、そんな私のお気持ちです。 毒親育ち、って言っても、様々で中には、制度から外されてしまう、虐待ではない、でも、親や環境がちょっと、そんな子供がいなくなったらいいのに、もちろん、全員救済のハッピーエンド的な意味で。 例えば、自分を例に出せば、男尊女卑の家庭に生まれ、親の暴力を目の当たりにし、時にはその餌食になり、親戚の家に逃げるように泊まりに行けば、その親戚からは性的ないたずらをされ、女に学はいらない

          なによりも「私」を増やさない社会が欲しい

          育つのに最悪の環境の話:親編

           最近定着してきた「毒親」という言葉。一般的には母親を指す言葉なのではないか。  その言葉を冠する読み物では女親がひどいからだ。うちも多少は母親がひどい。だがそれ以上に父親がひどい。  そんな私の体験を、やや箇条書きのように書き出してみよう、と思い立ったのだ。  これを読んで「うちの方がひでぇや」と心を軽くするもよし、「うちの方がまだましだ」と安心するもよし、好きに使って下さい。  ただ、これは、気持ちが落ちかけて「あぁ、消えたいなー」と思っている時に「こんだけ酷い事

          育つのに最悪の環境の話:親編

          最悪のコンディションで風邪を引いた話

           あるお正月のお話。  確か小学6年生とか中学生とか、そんな位だったと思う。母方の祖母と叔父が2日の午前中に迎えに来る。家族総出ではなく、私だけが初詣に行く事になる。  帰りはブックオフやゲオなどの古本屋に立ち寄るのだけど、そこで立っていられなくなった私に、気が強く、私と馬が合わない祖母。 「なにやってんの?具合悪いの?」  なーんて嫌みったらしい口調で言ってくる。髪の毛も引っ張られた気がする。良く髪の毛を引っ張ってくる祖母なので、覚えていない。後に湯タンポとレトルトのお粥を

          最悪のコンディションで風邪を引いた話