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指す将順位戦9th自戦記 B級1組 6回戦 (vs nanamuko 2級[1411])

第9期も折り返し。未だ中団グループは混戦模様。
一つの勝敗で一気に順位が入れ替わるヒリヒリした展開だが、今は目の前の一局に集中したい。


【対局前】

◇対局相手の印象

純粋居飛車党
先手番では飛車先保留型の角換わりや相雁木系統の組み合う将棋、後手番は一手損も含む飛車先保留型角換わりを志向している印象。

棋風は定跡派の受け将棋とのことで、確かに戦型を固めて知見を深めている印象はある。ただ先手雁木は自分から仕掛けないと膠着してしまうので、受け将棋とはいえ打開力はありそうな気がしている。

◇対戦成績

初手合い
前期B級1組に参戦し残留。
料理垢も兼ねていて勝った分だけスイーツを食べるスタイルのようです。私も本局は勝利したらお寿司にでも行こうと思います。

◇事前準備

 [▲先手番]

こちらが先手番の場合は通常通り組んで後手の一手損角換わりを受けようと思う。
今期指す順が開幕する直前までは3手目▲2五歩から角換わり左美濃も連採していたのだが、後手が上手く組めば受けられそうだということがわかってきて今回は見送った。相手の土俵だがこの機会に自分も認識を深められたらと思う。

想定局面①


 [△後手番]

こちらが後手の場合は2手目△8四歩から角換わりを目指す。最近野良対局では2手目△3四歩からの後手雁木をよく指しているが、本局やると力戦調になったときに相手だけが経験のあるような将棋になって4回戦のように冴えない展開になりかねないので本局は従来の指しまわしに戻して挑む。
飛車先保留型の角換わりは組めてしまえば(拒否しようと思えば形勢を落とさず雁木にできる)▲2五歩型より得と言われており、実際そうなのだが一応作戦はあるので上手くハマればと思う。

想定局面②


~対局前まとめ~

こちらが先手番なら対一手損角換わりに早繰り銀後手番なら角換わり腰掛け銀とどちらも角交換する展開で勝負。
それでもnanamuko2級が先手の場合駒組み次第では角換わりにならず相雁木調の将棋になる可能性もあるが、その場合は千日手を狙い、受け将棋に攻めさせるような展開を目指したい。


【対局開始ッ!】

先手:SaisokuAmanogawa(1707)
後手:nanamuko(1411)

(↓対局棋譜と振り返りは下記リンクからどうぞ!)

https://shogi.io/kifus/260104



















◇急所の局面(38手目△1四歩まで)

[a図]

本譜は何気なく突き返した歩だったが、むしろここは後手に突き越させても損はなかった。
shogi.ioの方でも少し触れたが、ここでは▲9六歩に対し後手が突き越してきた際の変化を確認したい。

[a図]以下 ▲9六歩 △1五歩 ▲1六歩 △同歩 ▲同香 △同香 ▲1二歩 →[b図]

[b図]

1筋で反発して▲1二歩が好手で形勢は先手が良くなっている。▲1一歩成→▲1二角が間に合えば強烈だ。
後手はこれを防ぎたいが、その手段として
①△2二玉 ②△3三角 ③△2二角
をそれぞれ考えていく。

[b図]以下 △2二玉 ▲3二歩 →[b-1図]

[b-1図]

▲1二歩を直接取りにいく△2二玉には▲3二歩が、見えにくいが指されればなるほどの一手。
△3二同玉はやはり▲1一歩成→▲1二角、△1二玉なら▲3一歩成で先手に指したい手が多い。
どちらにせよ、早々に後手陣にと金が出来てしまっている状況で後手が指しにくそうだ。

[b図]以下 △3三角 ▲3五歩 △4三銀引 ▲2六飛 △1八香成 ▲3七桂 →[b-2図]

[b-2図]

△3三角には一旦▲3五歩で銀を下げてから▲2六飛で香車を狙う。ちなみに▲3五歩に△2五銀は▲3七桂で先手優勢。
後手は香取りを回避するが手順に桂馬を跳ねて好形を組みにいって満足。以下は一回▲1六飛をいれてから▲3六飛とまわって角頭の弱点を狙っていく方針だ。


△2二角に対しては2つ手段を考えたがまずは私が気に入った方から。

[b図]以下 △2二角 ▲3六歩 →[b-3図]

[b-3図]

△2二角に対しては▲3六歩がオススメ。
こう指す人はいないかもしれないが、以下△3三角に▲3五歩で②と合流できるのが良い。

また単に指し手のわかりやすさもある。目的は単純で▲3五銀とぶつけていくのが狙いで、最善手の読み筋にあるように△1三金→△2三銀と受けられたら▲6八角と足していく。
△3三角は24の地点に利いていたが△2二角だと利きがなく、角頭をターゲットにされるという意味で△2二角を咎めているという見方が可能だ。

しかしこれはソフトの示す最善手ではない。
もう一つの指し方として、最善手順も確認しておきたい。

[b図]以下 △2二角 ▲2五歩 △同歩 ▲5五歩 △6三銀 ▲3八飛 △2四金 ▲1五角 △同金 ▲3四飛 →[c図]

[c図]

上記は最善手順の一例で、▲1五角から角を捨てて▲3四飛までいくと、これが王手になるのが△3三角ではない△2二角を咎めていると見えてくるがなにぶん指し手が難しい。
ただ角捨ての格好良い手順と評価値1000超えは魅力的でもあるので一応掲載しておいた。

個人的には今後同一局面が現れたら[b-1]~[b-3]を選ぼうと考えている。


【対局後】

◇本局の振り返り

最善手順を追究した序盤戦で相手が先に時間を使う展開になったのは嬉しかった。
これは前期2回戦前期7回戦でも経験したことで、案外有力な方針かもしれない。形勢も時間も勝てれば最高なので今後も「相手の土俵だから」と恐れず研究していこうと思う。
逆に中盤で圧勝→投了を狙うのは結構大変で、圧勝に見えた本局でもなんだかんだで怖い形まで持っていかれてしまったので過剰な受け将棋は控えることになるかもしれない。
あと実は今回秒読みに入ってから55秒法を久しぶりに止めてみたが、あまり恩恵が感じられなかったので当分は50~55秒法でいきたい(55は時間切れが少し怖い)。

◇最後に

なんとか7回戦対局前までに書き終わった……。
今回は延期があったので仕方ないが、対局間隔1週間はなかなか余裕がないのでちょっとやり方を考えたい。
あと、お寿司おいしかったです。それじゃあ。


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