見出し画像

指す将順位戦9th自戦記 B級1組 4回戦 (vs けい1級[1460])

開幕出鼻を挫かれたが、そこからは勝ちが続いている。
この連勝の勢いに乗っていきたい。


【追記】
対局相手のけいさんも本局の自戦記をお書きになりました。
一つの対局を双方の視点から眺められるのがTwitter棋戦の良さ、面白さであり醍醐味だと思っています。
以下にリンクを貼っておきますので是非ご覧ください

https://note.com/shogi_kei/n/n3a5ac7689481



【対局前】

◇対局相手の印象

純粋振り飛車党
特に三間飛車の採用が殆どで、相振り飛車も厭わないタイプ。

棋風は定跡派の攻め将棋。棋譜を見た感じも攻め将棋で間違いなさそうだ。
度々、同クラスの対局を実況されており、私の対局に言及していただいたこともあった。

3回戦(最速キメ-マルマイン 戦)に対してのコメント

前局はあえて踏み込む将棋にした訳だが、それに似ているということは つまり似ていないということw
私から見ても けい1級の方がより猛烈な攻め将棋という印象がある。
上記チャートで私がけい1級以上の攻め棋風になっているのは、ちょうどその時期野良対局で角換わり▲4五桂馬速攻を連投していたのでその影響もあるのではなかろうか。

◇対戦成績

初手合い
前期からの参戦ということで、自分の方が歴が長い手合いは久しぶりだ。

◇事前準備

主に対三間飛車を想定して作戦を用意する。
攻め将棋同士ということで、攻め合いを意識した戦型選択を考えたい。

 [▲先手番]

先手番の場合はへなちょこ急戦を指したい。
三間飛車に対して相性の良い急戦だ。

想定局面①
過去の棋譜を見たところ四間に振り直す指し方をしていたのである程度張って準備しておく。

 [△後手番]

後手番の場合は相振り飛車をやってみたい。
自分らしくない将棋シリーズの一環でもある。

とはいえ突拍子もなく指す訳ではない。 最近相居飛車の後手番で2手目△3四歩からの雁木が再評価されつつある。その上で▲7六歩△3四歩▲6六歩のオープニングに対する方針を決めなければならない。4手目△8四歩でオーソドックスに指すのも勿論有力だが、なべ将棋実況などで指されている相振り飛車も面白いと感じた。 今回振り飛車党が相手ということで丁度良い。
こちらから積極的に攻めていけるイヌヌワン戦法を軸に作戦を考えていきたい。
(前期1回戦等で採用を考えていたLah流三間飛車は、振り飛車党の間では対策まで割と知られている作戦であったことがわかってきたので封印されました)

想定局面②
……というよりイヌヌワン戦法の基本図のような局面
相手が対応を間違えれば即優勢で、不発でも互角の序盤になる

とはいえ相手の指し方も色々あるところで、早々に力戦になる可能性は高い。そのときは振り飛車党に対する縦の将棋がどういう戦いになるか、相居飛車の経験が活きるような展開を考えたい。

~対局前まとめ~

先手番ならへなちょこ急戦後手番ならイヌヌワン戦法を見せてどうか。先に相手に受けに回らせて間違えさせるような展開になれば面白い。
折角なので後手番で戦いたい気持ちもある。
相振りは事前に将棋クエストで何局か試したが好感触だった(ので採用に至った)。
相振り飛車は手が広いので想定通りに進むことは稀くらいの心持ち(特に相三間飛車は十分あり得る)で挑みたい。



【対局開始ッ!】

先手:Kei_0922(1460)
後手:SaisokuAmanogawa(1727)


(↓対局棋譜と振り返りは下記リンクからどうぞ!)

https://shogi.io/kifus/259751






















◇急所の局面(59手目▲6八飛まで)

△7七角 →[a図]

本譜は△4三銀引と縮こまって▲9三歩を間に合わせてしまったが、代えて△7七角が感想戦で挙がった。

[a図]

[a図]以下 ▲6四飛 →[b図]

[b図]

△7七角に▲6四飛と王手で逃げるのは自然な手だ。

対して、形だけ見ると△6三銀と雁木模様にして受けてみたくなってしまいそうだが、これには▲6三同飛成がある。以下△同金左は▲2三角、△同金右は▲8二角、△同玉は▲6一銀とどう応じても乱れた陣形を咎められてしまう。

よって[b図]では△6三歩と冷静に歩で受けるのが正着だ。

[b図]以下 △6三歩 ▲6九飛 △4五歩 →[c図]

[c図]

▲6九飛と香取りを防ぐ手に対し△4五歩が見えにくい好手。
ここで先手の手が広いが、本譜でも現れた▲9三歩を見てみたい。
実は△4五歩の意味が初めよくわからなかったのだが、▲9三歩の変化でその効果がわかってくる。

[c図]以下 ▲9三歩 △5五銀 →[d図]

[d図]

▲9三歩に△5五銀とぶつけてしまう。
これは銀交換を迫る攻めの手としてだけではなく、飛車の横利きを通して▲9四香を防いでいるという受けの性質も持ち合わせている。
これを見越しての△4五歩だったのだ。

逆に先手としては再度飛車利きを止めるべく▲6四歩として△同銀と厚く受ける。▲9四香と要望が通ったようだが△9五角成として▲9二歩成△9四馬▲9一と△8五馬▲8ーと と桂香を取り合って、△4六歩▲同歩△5四桂を狙う。これも△4五歩が効いている展開だ。


【対局後】

◇本局の振り返り

全体的に冴えない将棋だった。
▲9三歩が間に合う展開になってしまったし、最後も△8五角と指したからには△5二玉は指したかった。
しかし金無双があんなに遠いとは……。慣れない将棋で序盤外れると急所が本当にわからないな。
時間がある将棋だから崩れないように指せると思っていたけどそう簡単ではなかった。縦の将棋というだけでは勝手が違ったか。
本来の強みが出せる将棋に完全に戻すか、経験を積んで新しい強みを獲得しにいくかは少し考えたい。

◇最後に

4回戦を終えての全勝者はポールさんとけいさんのお二人。見事に勝ち星を献上してしまった。前期は最終順位1位の島ノ葉尚さんとは初戦、前々期は最終順位1位のうぃるさんとは当たらないと 鬼勝負とわかっている鬼勝負にはなかなかならない(そして今期もポールさんとは初戦)という不思議な状況にいるなかでやっと巡ってきた本局。本局けいさんは昇級戦線にいるプレイヤーとわかっていたので食って上がっていこうと燃えていたが混戦にできなかったのは残念だ。
これで2勝2敗となったがB1には同じ成績のプレイヤーがあと6人いるという団子状態。
今後も上がるか落ちるかの死闘が予想されるので、勝利を目指して技能を研いていきたいです。それじゃあ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?