指す将順位戦8th自戦記 B級2組 2回戦 (vs わわわ7級[997])
第8期指す将順位戦は手痛い黒星スタート。
ここから一つ一つ勝ち星を重ねていきたい。
【対局前】
◇対局相手の印象
角交換四間飛車使い?
本当に申し訳ないが、この対局はほとんどぶっつけ本番になってしまいそう。
棋譜を数局見ただけになってしまうがそんな印象。
やばボーズ流に近い形を志向しているのだろうか?
◇対戦成績
初手合。
指す順参戦は第7期からということでまさかの同期。
◇事前準備
超絶時間無。でも出来る限りの準備はする。
[▲先手番]
わわわ7級の今期1回戦の棋譜から。
角交換振り飛車になる前に開戦できそうな組み方だが誘っているのかどうか。
そのときは相手がその手順を選ばなかったので角交換振り飛車になったが本局はあえて最善手順でぶつかってみる。
[△後手番]
後手番のときどうするかは最近の課題だが、本局は1回戦の方針をそのまま流用して三間飛車を志向。
わわわ7級は相振り飛車も厭わないタイプのようなので、そちらを中心に考える。
①対向かい飛車
向かい飛車には1回戦同様Lah流三間飛車で先攻を狙う。
②対四間飛車
相振り飛車で四間飛車は珍しいが、本局現れる可能性はある。
角道を閉じていればLah流三間飛車で良いのだが、わわわ7級の四間飛車は角道を開けている場合もあり得る。
そうなった場合はこちらも角道を開けた三間飛車で対抗。相手が手に乗ってくれば乱戦必至の勝負になる。
~対局前まとめ~
先手番なら居飛車で乱戦。
相手の駒組みによっては通常の角交換四間飛車になることもあり得る。
後手番は三間飛車で相振り飛車の激しい将棋で勝負。
【対局開始ッ!】
先手:* 最速キメ(950)
後手:A_wawawawa(997)
(一手一手の振り返りは下記のリンクからどうぞ!)
↓
https://shogi.io/kifus/256718
【急所の局面】(33手目▲2二歩まで)
本譜は以下△3五香だったが感想戦では代えて△2二同金の変化が検討された。
ここではそちらの変化を深掘りしていきたい。
評価値を見ると▲3一飛と▲4四角の二つが有力手。
二つの読み筋はそれぞれ
〈▲3一飛△4一香▲4四角△同歩〉
〈▲4四角△同歩▲3一飛△4一香〉
……これって同じじゃないの? ってことはどっちを選んでも変わらないのね。と思った方もいるかもしれない。
ところがこれは間違い。実は ▲3一飛 一択である。
もちろん▲3一飛でも▲4四角でも評価値は変わらないのだが、それは後手が最善手を指してきた場合の話。
後手が次善手以降の手を指してきたときに差が出てくる。
例えばこの変化。
ここでは▲3七桂→▲4五桂と33の地点に利きを足していく手段が生まれている。
▲4五桂に△同銀は▲2二角成があり、これは〈基本図〉から▲4四角を選んでいる場合は選べない展開。
このように表面だけの評価値を追うと差がないように見える手にも明確な優劣が存在する場合が往々にしてある。
目先だけの評価値にとらわれず、かといって毛嫌いして無視することもなく、適切に向き合っていく強さが必要である。
さて難しいのは後手最善手の△4一香の変化。
感想戦では先手が明快にぶっちぎる展開はなかなか発見できなかった。
△4一香と低く受けられると思った以上に隙がない。
例えば以下▲3三歩成△同銀▲同角成△同桂▲3四歩と攻める手を感想戦ではやってみたが△4五桂▲1一飛成△1二金▲2一龍△2二金▲1一龍△1二金……から千日手。
飛車の横利きが手強い。
途中▲1一飛成に代えて▲3三歩成は△同金で▲3三飛成は△5五馬で龍銀両取り。よって▲1一飛成とするくらいだが△3二金とされてやはり同じ筋の両取りを見せられて後手が指しやすい。
そこで△4一香には▲4四角と切ってしまう。
△同歩となったときに前述の△5五馬が両取りにならなくなっている。
こういう最善手の意味がわかる瞬間が検討の楽しさの一つ。
ということで〈b図〉からは二つの手段がある。△5五馬の脅威を緩和してから今度こそ①▲3三歩成か、更にゴリッと②▲3三銀。
それぞれ検討してみる。
同じような筋で攻めていき、▲3三歩成が強烈に見えるが△5七桂成→△2四角が△4五桂を活かした上手い切り返しでと金を払うことが出来る。
〈b-1図〉まで進んでこれをどう見るか。
ソフトはこちらがやれると判断しているが、玉の頭が空いており角に睨まれている点、後手はわかりやすく4筋から攻めていける点(41の香車までもはたらいてきそう)、先手が歩切れである点などを考慮すると数字以上に先手が勝ちにくいのではないかと思ってしまうがどうだろうか。
まあ先手が負けの変化ではないのでこれも選択肢の一つではあるか。
次に▲3三銀の展開も見ていく。
前に記したように、ここで△5五馬がないのが▲4四角△同歩を入れた効果。
さて全部清算した後だが、ここで後手から手が広い状態。
よってここから深めていくのは難しいが、見た目としては〈b-1図〉よりは戦いやすそうな感触。
ちなみに読み筋には△4五歩▲3七桂とあって「えっ△5五角は!?」と一瞬思ってしまうが▲5三龍の切り返しで大丈夫。△5二飛は▲4三桂△同桂▲4二金がピッタリで先手勝ち。
その前に▲5三龍を阻止しようと53の地点を受けると飛車の横利きが止まってしまい一気に弱体化する。
こうなるのを後手が嫌がるなら▲3三銀にそれでも△5五馬と引いてくる手も考えられる。
この形はどうだろうか。
個人的には〈b-1図〉よりはマシだが、一局の将棋という感じにうつる。
以下△5四馬▲2三龍から後手の手が広く構想力勝負。
形勢としてはこちらに分がある勝負なので不満はない。盤面をひっくり返して見るとまた印象が違ってくるような将棋になりそう。
もしこの展開を嫌がるなら本譜31手目をより攻めっ気のある▲3三角成や攻めを見せつつ馬を遮断する▲3七桂にするなど先手にも工夫の余地はある。
【対局後】
◇本局の振り返り
十分な準備が出来なかった中で、研究から外れてからも概ね上手く指せたと思う。
▲2二歩打や陣形差を活かした戦い方など、過去の振り返りが確実に自分を強くしている感覚があった。
持ち時間の面でも常に優位に立てていたのは大きい。
今回は序盤から相手の駒組みに最強手で迫っていくのがコンセプトだったのでこの戦い方で勝てたのは自信に繋がった。
◇最後に
ひとまず1勝できたのは良かったです。
しかしまだまだ永い指す将順位戦。
冒頭の繰り返しになりますが、ここから一つ一つ勝ち星を重ねていきたいと思います。それじゃあ。
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