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指す将順位戦8th自戦記 B級2組 10回戦 (vs 88ミノ 4級[1162])

B級2組には振り飛車党が多い。
今期 何人もの振り飛車党と戦ったが、本局がその最終戦となりそうだ(11回戦の相手は居飛車党なため)。
おかげで対振り飛車の検討をすることが多くなったので、本局でも更に知識を深めていきたい。


【対局前】

◇対局相手の印象

純粋振り飛車党
先手番では中飛車、後手番では四間飛車が特に多い印象で相振り飛車も厭わない生粋の振り飛車党。
また勉強熱心で独自の定跡を持っている上に終盤にも鍛えが入っていて非常に手強い相手になりそうだ。

◇対戦成績

初手合い

◇事前準備

 [▲先手番]

こちらが先手番の場合は対四間飛車を想定。
今回は箱入り娘急戦を指してみようと思う。
比較的誘導しやすく、評価値も良い。
問題は終盤だが、穴熊での終盤よりむしろ急戦調の終盤の方が得意な気がしてきているので今回試してみたい。


想定局面①
金無双急戦との大きな違いは飛車が5筋に回れるところ。


想定局面②
対振り穴の変化の一例。
あとは端歩の関係や金銀の細かい配置などで違ってくる。


 [△後手番]

後手番は対中飛車を想定。

ここまで色々な対策を用意してきたが、本局はこれまでと違ったアプローチをしてみたい。
というのは、88ミノ4級の実戦から対戦相手が上手く指した将棋を持ってきてもう一度ぶつけてみるという戦い方を試してみたい。

今回選んだのは今期2回戦の88ミノ-アカサビ戦。
後手の指しまわしが非常に上手く、最善手連発で一度も評価値を先手に振らせないまま勝ちきっていた。
本局は88ミノ4級がどのように修正してくるかを見てみたいし、実際このようなゲームメイクの仕方が有効なのかを確かめたい。

https://www.shogidojo.net/kifu/show_kifu.php?id=41600&dd=97aea37ff0a49ea62b04bfed9ea40f83&dojo=osaka

特に想定局面は設定しないが、↑が上記対局の棋譜。
基本的にこの将棋をなぞるように進める予定。


~対局前まとめ~

先手なら対四間飛車後手なら対中飛車を想定してどちらも急戦調で挑む。
どちらも指してみたい将棋だが、後手番でのアプローチの効果が気になるので後手番を引いてみたい(先手番でも同じアプローチで指そうとも考えたが、始めから終わりまでほぼパーフェクトな完勝譜がなかったのでこちらは断念した)。


【対局開始ッ!】

先手:M__883(1162)
後手:SaisokuAmanogawa(1516)


(↓対局棋譜と振り返りは下記リンクからどうぞ!)
https://shogi.io/kifus/258486











◇急所の局面(71手目▲6六角まで)


shogi.ioの方でも触れたが、ここで△4九飛成上とする手も有力だった。

△4九飛成上 ▲同金 △同飛成 ▲3二金


この進行が不安だったので躊躇ってしまったが、ここで△3三銀という手があった。▲7一飛から攻め駒を足されると苦しそうだが、

△3三銀 ▲7一飛 △2九龍

△2九龍から先手玉が詰んでいた。
この手で桂馬を取っているのが大きく、以下▲2九同玉△3八金 ▲同玉 △4六桂 ▲4七玉 △3六銀 ▲4八玉 △5八金 ▲3九玉 △3八金 が一例でピッタリ金駒が足りる。

ここで自分の弱点というか、奇妙な現象について考えたい。
この「王手をしながら駒を取って、その駒があるからピッタリ詰む」というときに持ち駒が増えることを失念してしまうことが非常に多い。
ただ これは最終盤の詰みの部分においてのみであり、序中盤では「手順中に桂馬が取れて、それで両取りがかかる」という考え方が概ね出来ている。それが寄せになると抜けてしまうというのがなんとも不思議だ。
以前naokiさんとお話したときも共感してもらえたので あるあるなのだろうか。
ともかく、現状は色々な終盤を経験して慣れていくしかないと考えている。今後の課題だ。

【対局後】

◇本局の振り返り

序盤のやり取りでは時間でペースを握られることとなったが形勢自体は概ね良かった。
過去の棋譜からそのまま引っ張ってくるという今回の作戦は確かに相手が一度指したことのある将棋ということで時間を使わせることには繋がらないかもしれないが、有力な手法であることはわかったので今後も活用していきたい(ただし相手の序盤が精密、自分もある程度指しこなせるような適切な棋譜があるなどの条件が必要)。
また秒読みの時間の使い方についても学びがあったのでこれも取り入れていきたい。

で触れたような「攻撃的な時間の使い方」は秒読みルールでは真価を発揮しきれず、出来ることは事前準備によって序盤を飛ばすくらいと考えた方が良さそうだと今は考えている。

◇最後に

今回記事が完成するまでに相当の時間がかかってしまった。もう対局中の記憶を振り返れるか怪しいと思っていたが、棋譜を見ていると意外と当時の感覚が戻ってきて面白かった。
一度止まると再開するのがかなり大変なので、なるべく勢いで書き上げられるように善処します。それじゃあ。

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