多様性っていうと難しいけど
*2018年8月23日初出。
私たちは無意識裡に多様化の方向を目指しているのではないかと思っています。なぜならその方が種として生き残る可能性が高くなるから。変わることは今ここという視点で見ると迷いや後悔に繋がるような気がしてちょっと怖いけど、そのチャレンジをしてくれた先人たちのおかげで今の私たちがいる。不登校という現象もそんな多様化のひとつの現れなのではないか。私はそう思っています。
目指すべきは多様性を認める社会の実現。
で、それを考えるとき、「多様性を認める=マイノリティに配慮する」という図式を想像しがち。でも、それはちょっと違うかな。マイノリティに配慮するというのは、あくまで上から目線。場所を与えてあげるという考え方です。でも、今、風通しの悪い私たちの社会に必要なのは、既成の概念にとらわれない発想力とその実現。それを可能にするのが、多様な属性を持つ人々の存在なのです。
私たちそれぞれが持つDNA。次世代により安定した遺伝子を残すために、無意識のうちに自分とは真逆のパートナーを選ぶのは、このDNAのなせる技だと言われます。自身の内に多様な遺伝因子を取り込むことで、外部環境の変化に対応できるよう態勢を整えているわけです。
個人を社会に置き換えてみたら?健全な社会というのは、実は、様々な個性、属性を持つ人々がその存在を尊重される社会であることに気づくはずです。
さらに、生物の進化の過程において、突然変異種が出現するのには、それなりの理由があると言われています。種が生存の危機に瀕した時、ある形態が死滅してしまっても、別形態の種は生き残る可能性がある。多様性を確保するための変異なのです。
だとすれば、今、この国はやはり危機的状況なのではないか。そしてこの状況を打破すべく登場した救世主が、多様な属性を持つ人々なのではないか、と考えられます。
不登校という現実に心折れそうなみなさまのお気持ち、わかります。私も同じ経験をしました。でも、ひょっとしたら、私たちは、進化という長い長い道のりの中に幾度かあるターニングポイントにいるのかも知れません。この多様性に満ちた子どもたちには大きな可能性があるのです。