Sanae Fujino

はじめまして。Sanae Fujinoと申します。短歌と和装、猫界隈にいます。note…

Sanae Fujino

はじめまして。Sanae Fujinoと申します。短歌と和装、猫界隈にいます。noteには主に娘の不登校時代のことを綴ったブログを転載していますが、折々の雑感も書いています。日常のさまざまな出来事を通じて社会課題をともに考える方々と知り合えたら嬉しいです。

最近の記事

こんな日が来るなんて

*2021年11月28日初出。 現在帰省中の娘。社会人1年生を楽しんでいます。不登校の日々を過ごし、高校受験をすっ飛ばして大学に行き、専門をもう少し学びたいと大学院へ。半年の休学期間を挟んで、今年4月からとある出版社で働きはじめました。自分で選んだ仕事に納得できるまで取り組んでいるもよう。毎朝仕事に行くのが楽しくて仕方がないのだそうです。私にはなかったなあ、そんな気持ち。不登校の日々の、あの気持ちを思えば、ほんと「こんな日が来るなんて」ですが、実際来るんですよ、こんな日。私た

    • 頑張らない

      *2018年11月5日初出。 座右の銘です。「頑張らない」。 娘が不登校を経験して以来、口にしなくなった言葉がある。 「頑張れ」 いやいや、もう十分過ぎるほど頑張ったから、今動けなくなったわけで…。もうこれ以上何を頑張ったらいいのだろう。「頑張れ」なんて、そんな無責任なことは言えないと、その時思った。以来、軽口を叩いて遊ぶのは別にして、娘に対してこの言葉を口にしたことはない。「頑張れ」と言われて頑張れるくらいなら、最初から頑張っている。それができないから、相談したり、キ

      • 娘が考えるいじめの構造

        *2019年11月20日初出。 現在娘、帰福中。 5年前のブログを懐かしく思い出しました。 昨夜、娘からメール。 「ちょっと思い出したから、忘れないうちに書いてみました。全てのいじめが、このパターンではないけど、私の場合はそうだったんだと思う。」 なるほど。そして、その後、こんなやりとりが続きました。 娘の中で、客観性が育っているのがわかります。娘を辛い目に合わせた人間に対して、正直、私は娘ほど寛容になれません。娘の辛そうな顔を思い出すたびに胸が痛くなります。比喩では

        • 学校というイデア

          *2018年11月2日初出。 「学校には行きたいって言うんですけど、でも行けないんです。どうしたらいいんでしょう?行きたいって言っているこの子が、学校に行けるようになるにはどうしたらいいんでしょう?」そんなご質問をよく聞きました。難しいですね。でも、お子さんの本当の声に耳を澄ませてみたら、案外答えはすぐに見つかるかもしれません。 学校に行きたいのに、行けない。 よく聞く言葉である。で、今回、その言葉の真意について考えてみたいと思ったのだった。 学校に行きたいのなら、行けば

        こんな日が来るなんて

          イルタテエ

          後日、あらためてお知らせいたしますが、若者のみなさまのための〈まなびの居場所 イルタテエ〉をはじめることにいたしました。 出会いと語らいと学びの場所です。 こんなメンバーで運営します。 詳細が決まりましたら,またお知らせしますね。 それまで少々お待ちください。

          イルタテエ

          時には凹んでみたりする

          *2020年11月8日初出。 昨日の福岡は終日冷たい雨でした。しかも小雨。この小雨っていうのがけっこう⤵︎ってなる。気持ちが妙に落ち着いてついつい自分の内側を覗き込んでしまう。 内省っていうとかっこいいけど、でも心の免疫力が下がった状態でこれをするとどんどん隘路に迷い込むから気をつけて(私だけ?)。 舌切り雀の強欲おばあさんの大きな葛籠みたいに、まあ、次から次に湿った、重たい何かが数珠繋がりに出てきます。 ある程度までは「あら、私の中にこんなものが?」って新鮮な気持ちに

          時には凹んでみたりする

          鼻筋描いてこby娘

          *2021年10月29日初出。 「自分の機嫌は自分でとる」がモットーのワタクシですが、時にはそれが難しいこともあります。そんな時、ナナメから妙なパスを出してアシストしてくれるのが娘。 いつもありがとうね。 あまり落ち込むことがない(自覚がないだけなのか)私ですが、先日、いくつかのしんどい事案が重なって、自己肯定感⤵️。 浮上するタイミングを見計らいながらじっとしていたら、トラ子からメール。全く別件だったのですが、つい何となくここ数日の⤵️な気分について、トラ子に話を聞いて

          鼻筋描いてこby娘

          It’s a small (すぎる) world.

          *2020年11月6日初出。 今はもう言われなくなったのかな? 「学校でうまくやれない人間は社会に出てもうまくいくはずないんだよ。」 っていう(決め)セリフ。 私自身が学生だった頃、高校教員だった頃、そしてトラ子が学校に不適応を起こした頃にも頻繁に聞いたし、場合によっては私自身が口にしてもいました。 当時の私は本気でそう思っていました。学校という組織からこぼれてしまうような人間は、結局どこにいってもこぼれてしまう。社会に出て困らないように、勉強のみならず、いや、ひょ

          It’s a small (すぎる) world.

          ローカルルール

          *2019年10月30日初出。 私は「いじめ」という言葉が嫌いです。 というか、実態にそぐわない、事実を歪曲し、隠蔽してしまう言葉だと思います。その行為によって、落命したり、自ら命を絶ったりする人々がいるのに、それが起こった空間がたとえば学校だったりすると、犯罪扱いされることはなく、「いじめ」の一言で済まされてしまいます。おかしいですよね。懲罰主義を推奨しているのではありません。「いじめ」という言葉によって韜晦されているものの正体についてきちんと考えるべき時なのではないかと思

          ローカルルール

          NPO法人イルタテエ

          今日の記事は2024年10月25日現在のものです。 〈NPO法人イルタテエ〉、よろしくお願い申し上げます。 この度、〈NPO法人イルタテエ〉の理事をお引き受けすることになりました。なぜワタクシなのか、全くナゾなんですが、理事長のきどかつやさん、副理事長の後藤富和さんの推挙理由は「キャラ」。ナゾは深まるばかりですが、せっかくお声かけいただいたのだから、やってみようと思いました。 そもそも〈NPO法人イルタテエ〉って何?っていうことなんですが、それについては理事長きどかつやさ

          NPO法人イルタテエ

          いいかげんがちょうどいい

          *2020年10月28日初出。 Daft Punk 好きなんですよ。 娘の影響かな。 〈daft punk の脱力系グルーブ感が好きです。〉 頑張りすぎてしまう人っていますよね。それは素晴らしい美質です。 でも、いつも全力だと、当たり前だけどとても疲れるし、その疲労の矛先がやがて自分以外の誰かに向けられるかもしれません。 以前の私のように。 自分はこんなに頑張ってるのに、どうして◯◯は…! ◯◯の部分にありとあらゆる対象を当てはめては、年がら年中苛立っていました。

          いいかげんがちょうどいい

          いまここ

          *2019年10月25日初出。 気がつけばもう10月もあと一週間。今年もあと少し。ちょっと前にお正月だった…と思っているのは私だけ? 時間の加速が止まらない。これが加齢するということなのか。 この時期になると、ついつい来年のことを考えてしまい、鬼を笑かしてしまいがちですが、最近、ほんとにあまり先のことは考えない方がいいかもね、と思うようになりました。 私たちはよく、最悪の想定をしていれば、どんな結果になったとしても、最小限の心的ダメージで済む、などと考えがちですが、ほんと

          「子どもの人権から不登校を考える」後藤富和弁護士講演会レポ

          *2019年10月28日初出。 福岡の誇る人権派弁護士後藤富和氏の講演会を開催した折のレポです。人権ブームの今ですが、正しい理解が大切です。後藤弁護士がお考えになる人権を一言で言えば、「邪魔をするな!」だそうです。納得。 10月26日 土曜日、「子どもの人権から不登校を考える」を開催いたしました。  当日残念ながらご参加かなわなかった、とのご連絡もいただいており、講演会レポートを後藤弁護士がご用意くださった資料に沿って紹介しようと思います。 ◯学校に行くのは義務なのか?

          「子どもの人権から不登校を考える」後藤富和弁護士講演会レポ

          Just an ordinary guy フレディ・マーキュリーのこと

          *2018年10月26日初出。 もう6年前。映画「Bohemian Rhapsody 」公開をとてもとても心待ちにしていました。そのかなり前からフレディ・マーキュリーの映画制作の話は何度となく出てはいましたが、主演をつとめる俳優の選定に、ブライアン、ロジャーが難色を示し、なかなか具体化に至らなかったのでした。それがこの年、満を持して映画公開。主演は「ナイトミュージアム」でエジプト王を演じたラミ・マレック。フレディとはずいぶん印象が違うなあと思っていたのですが、スクリーンに登場

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          スタート地点が変わってる

          *2021年10月20日初出。 このブログをお読みくださっているみなさまには、今さら私が言うまでもないことだとは思いつつ…。 物事は繰り返しますよね。 あー、これ、前にもこんなことあったわー。 そういう風に感じることってめずらしくありません。 でも、それがこと不登校に関することとなると、途端に感じ方が違ってくるような気がします(当社比)。 以前不登校を経験したことがあり、でも今は学校に通っているお子さんが、再び登校が難しくなった時、ついこんな風に考えがち。↓ (前にも

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          みんな『テス』

          *2020年10月25日初出。 このブログを書いた頃、世間はコロナ禍最中。外出自粛要請が出され、社会のありようが変わりました。その影響を真っ先に受けたのが非正規雇用の人々。特に女性の失職率が高かった。そんな中、福岡で起こった30歳女性の刃物による恐喝未遂事件。容疑者はコロナ解雇で路上生活を強いられていました。 何が悪かったのだろう? この女性をこんな凶行に駆り立てたのは何だったんだろう? 胸が締め付けられる事件でした。 この西日本新聞の記事(↑参照)は反響が大きかったようで

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