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ニュースを消費するだけでは現実を知ることができないかもしれない〜ケリー氏のその後

日本の裁判は争うと時間がかかるのは知ってるけど、2年かぁ。ゴーンさんは逃げちゃったけど、残ったケリーさんにようやく判決が出た。

法曹界の面子として無罪にするわけにはいかないということなのかと、穿った見方をしたくもなるような判決で、8年度分のうち7年分が無罪。

この記事を書いたのが2020年の1月。その頃からすると世間の注目は薄れ、メディアも大きく取扱うことはなかったが、事の顛末を見届けたい者にとっては、一つの節目となる大きな出来事だった。もちろん、これから控訴審がはじまり、これで終わりではない。なんとも先の長い話だ。

本来、報道の役割は「事実を詳らかにして知ってもらうこと」なんだろうけど、多くの人に知ってもらうためには、多くの人が関心を持っているもの、あるいは多くの人が関心を寄せそうなものを報じることになる。
そして「悪」は、人間の関心事項一つというだけでなく、「悪」を懲らしめる快楽をもたらすという側面があって、それが故に報道は歪み、そこに為政者なりステークホルダーがつけ込んで利用するという図式がままある。

だが、時が経って関心事がうつろい、快楽をもたらす「効き目」が薄れてくることによって、歪みが是正されて、現実が見えてくることもある。
そういうこともあるから、現実を知りたいのであれば情報と気長に付き合っていくことも大切だと思う。

そんな真面目なことを考えていたらリビングから「バカじゃねぇの!」とカミさんの声がする。訝しげに覗いてみるとテレビで「警察24時」を見ていた。自分は録画してまで見る番組ではなかろうとも思うのだけど、カミさんはこの手の番組が大好きなのよね。

やっぱり悪は消耗品でもいいのかもしれん。


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