【ボーイ戦術書】No.28 「ボーイ的確定申告マニュアル Vol.1 下準備」
「一件あたりの申告漏れ額が多い業種」ランキングで長年トップに君臨する風俗業やキャバクラ。令和2年では急にプログラマーが台頭しているが、風俗業は依然として上位。風俗業を生理的・倫理的嫌悪感以外で嫌う理由の上位である事は間違いないだろう。ツイッターで恥ずかしげもなく脱税表明(直接言及ではないが、明確に脱税が読み取れる)をなさるお嬢さん方を見た記憶のある人もいるだろう。
「消費税だけでも普通の人より納税してますから」と謎の開き直りを見せる輩もいた。仮に年収1000万円だとして、3/4程度を買い物に消費(すべて10%課税として)したとしても消費税75万円。年収360万円の給与収入者の所得・住民税、社会保険料(実質)額の合計は121万円。ここに普通に買い物等をした分の消費税が入ってくるため……。お察しいただきたい。
この記事を参考にしている。社会保険料の企業負担分は実質個人負担というのがポイント。
https://alliancellp.net/yoshizawaacc.blog/page=90258
明らかに危ないのに大量の生金(ナマガネ)を保有していたり、「アルフォート貯金」というワードがあるのだが、彼ら彼女らがやたらと現金で保有するのは概ね脱税のためである。申告自体を知らない、面倒くさくてやっていないだけのケースもあるが、口座への入出金をしないのが通例な時点で分かっててやっている(やらせている)のは確かだろう。
口座への入金はアシがつくのでご法度。特に高額の場合はそれが原因で目をつけられるケースもある。扶養がどうのこうので親バレが……という一見複雑なケースもあるが脱税を正当化する理由にはならない。とはいってもキャスト個人に直接来るケースは稀で、店が調査対象になったらついでにという感じではあるようだ。
業界の人間の多くは節制できるとも貯蓄できるとも思わないが、普通に申告して指数連動型投信にでもつぎ込んでおけば不労所得生活も夢ではないというのに。ちゃんと申告している風俗関係の人間はコロナ禍における支援も(キャスト個人としての立場なら)いくつかは使えたはずである。
風俗業をグレーゾーンをホワイトにしたいとか大層な目標は全く無いのだが、グレーでいたいなら明らかな隙は見せてはいけないだろう。
ウリセンも風俗業(風営法の性風俗特殊営業{だったか?}からは定義上外れるそうだが)の例に漏れず、まぁみんな申告していない。店舗運営やオーナーまで行くと流石に申告はしているものの、一般ボーイで確定申告をしている例は皆無。もしかしたら口外していないだけで存在しているのかもしれないが……。いたら語りたいものだ。
さて、前置きが長くなったが今回は確定申告にまつわるお話。具体的な方法も添えているので考えている方はぜひご参考に。
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専業/副業問わず確定申告は必要になる。不要な例もあるのだが稀。確定申告のお世話になったことがないと吹かす輩もいるが……何があっても文句は言えまい。
確定申告は別に何も難しいところはない。複式簿記がうんたらかんたら、賃借対照表がうんたらかんたら等と言われるが、会計ソフトに任せてしまえば一発。入力と仕訳さえ間違えなければいいため、ただの家計簿付けと大して変わらない。まずは前準備として必要なことをまとめておく。
会計ソフトの準備
俺は『やよいの青色申告 オンライン』を使用している。スマホからの入力もできるし、確定申告もサッとできる。他にも口座やクレジットカードを連携すれば入出金・利用情報を吸い上げてくれる(条件指定で仕訳科目から摘要まで自動打ち込みまで可能)ため素早い処理が可能。初年度0円のためぜひお試しいただきたい。
青色申告と白色申告の2種類があるが、青色申告を推奨。青色申告は記帳などが少し複雑になる代わりに青色申告特別控除というものがあり、55〜65万円の所得控除をしてもらえるからだ。
ちなみに青色申告をする場合は前準備として青色申告承認申請をしておかないといけない(あとは開業届か)。初めて承認申請をする場合、青色申告したい年の3月半ばくらいまでには済ませておかないといけない。2022年に申請しても2021年のものは青色申告できないので準備は早めにどうぞ。
スマホのみでの確定申告をしたい場合はfreeeがおすすめ。弥生より若干年会費が高めだが。
そしてこれらの会計ソフトに自分の事業用資金が関わってくる銀行口座を連携することになる。さすがに口座がない人は……いないだろう?
マイナンバーカード
あった方が楽。なしでやる方法もあるのだが、面倒くさい(税務署に行く必要がある)。ポイント還元等もあり、今後活用場面がどんどん増えていくと思われる。今のうちに作っておいて損はないだろう。
マイナンバーカードを読み取るためのカードリーダーが必要なので、そちらも用意しておく方が良かった……のだが、スマホをカードリーダー代わりにすることが可能になるそうだ。以前もできたのだが、iPhoneだとできない謎仕様だった。助かる。
売上の記録
店がボーイ個人の売上表をしっかり作っている所ならそれをコピーなりなんなりさせてもらえば良い。ただ、店がきっちりつけているかどうかは若干の不安が残るため自分で指名ノートや簡易的な帳簿をつけるのがおすすめ。
自分がどれだけ稼げているか、今どんな状況なのかを把握できるためモチベーション維持や営業戦略などにも役立つ。記録をつけておく事自体が様々な面でプラスに働いてくれる。
実際の仕訳の詳細は後述する。
経費に計上できる(そうな)領収書の保管
確定申告では売上だけでなく経費の申告も行う。売上(収入)がそのまま手取り(所得)になることはまずありえない。何かしらの経費がかかっているはずである。
極端な例だが、仕入れ900万円、売上1000万円の場合経費を申告しなければ所得1000万円で各種税額が計算されてしまう。経費をちゃんと申告すれば所得100万円に対しての課税となる。
ボーイ個人の場合大した経費はかからないと思うが、交通費なり、消耗品費なり、(付き合い上の)贈答品費なり、コスプレ代なり……色々あるだろう。
そういったものの領収書やレシートを保管するのが前提となる。正直な所、領収書よりも買い物内容が明確なレシートの方が個人がやる分には分かりやすくていいように思える。仕訳の詳細は後述するが、とりあえず経費に計上できる/できそうなものの領収書やレシートは大事に取っておこう。きっと来年の自分が喜ぶはずだ。
年金、保険料などの記録
支払った年金や保険料も収入から差し引いて税額計算をしてくれる。住民税は対象外。
会社勤め、給与収入扱いのバイトをしているボーイの場合は源泉徴収票に記載があり、それを転記するだけなので特に問題ない。年間の徴収票をもらうのだけは忘れないように。厚生年金、社会保険料……など様々な記載があると思うが、入力自体は簡単なのであまり迷わないはず。
専業ボーイは国民年金と国民健康保険料あたりを記入することになる。国民健康保険料は世帯分をまとめて請求されるため、単身でなければ自分の分を確認しておく必要がある。自分で払った分を記入するので、そこは注意。
ウリセンの仕組みに関わる話なのだが、個人事業主であるボーイと店舗の業務委託契約というテイで商売をしている。そのため専業ボーイは確定申告上では自営業という事になる。自営業者は基本的には国民年金と国民健康保険のセットになる。
その他では個人で入っている生命保険(生命保険料控除)や確定拠出年金(小規模企業共済等掛金控除)も控除対象になるためちゃんと記録を取っておこう。年末が近づくと一年分の記録が送られてくるため、それを確定申告で入力。
ふるさと納税(寄附金控除)など控除対象なのだが、やる人は分かっていると思うので省略。
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……と、準備が多いのだがあとは間違いなく売上や経費を入力していくだけである。入力はまた次回の記事で。
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市場調査とかやってみたいですね。