"その漫画"を描いた理由
以前にcomicoの「ベストチャレンジ」枠で連載していた漫画のお話。
その漫画にはこんな説明書きがされている。
その漫画が連載開始されたのは2015年8月。
ちょうど今から9年前にあたる、戦後70年の年であった。
今回は、"その漫画"を描いた理由(ワケ)についてのnote。
その漫画は
その漫画は当時高校生だった「ましゅまろ」さんという著者が描いた、「君の笑顔」という漫画。
「君の笑顔」は総合で6,050いいねを獲得している。
ましゅまろさんは他にも「また、駅で。」という漫画を描いていて、総合で24,022いいねを獲得しているものの、バイトが始まってなかなか描くことができないという理由で更新をストップさせてから更新されず、1年後に投稿したものの、自分で何を描きたいのかわからなくなってしまったようで、完結まで至ってない。
(2024年6月現在)
そんなことは置いておいて、本題。
「君の笑顔」という漫画はどんな漫画なのか、あらすじ。
これしか書けません。笑
この漫画はなんとベリーショート、、!
全5話で完結します。
ちょこっと読むにはちょうどいいかもしれない。
というあなた。
この漫画は「ちょっと読む」っていうだけでは済まないほど深い内容なんです。
漫画の作者から
「この漫画を描いた理由」について
このコメントにもあるように、この漫画を描こうと思ったきっかけは「自身の経験」と、「戦後70年」ということでした。
「自身の経験」という部分では、昨日普通に登校していた同級生が次の日の朝、登校中に事故で亡くなったということがありました。
その日はテストの初日で、朝の朝礼の時間に先生がなかなか来ないと思ったら、教室に来た先生が声を震わせながら、「今朝…」と話し始めたんです。
今でもその日のことを鮮明に覚えています。
みんなは声を揃えて言います。
「昨日、普通に喋ったのに」
「また明日ねって言ったのに」
その子の母親は
「気をつけていってらっしゃいと送り出したのに」と言っていました。
あの事故はおそらく一生忘れられないと思います。
その日から私は「またね」というのが少し怖くなった時期もありました。
でもそのくらい人の命っていつなくなるのかわからない。
何が起きるのか想定できない。
自分の命も同じです。
そんな中、「いってきます」という言葉を思い出しました。
「いってきます」は「行って」「(帰って)来ます」
ということなんだと知りました。
なのでこれの元は「行って参ります」。
これは危険な場所に行く時に大切な人に向けて「必ず帰ってきます」という意味で使用されていた言葉と言われているそうです。
そして、そんなことを考えていた年はちょうど「戦後70年」。
「これは描くしかない」と思って描き途中の漫画を置いて、衝動的に描き始めました。
なぜ「描くしかない」と思ったのか
こうして経験した人しか、命の大切さということがわかっているつもりでも分かっていないのでは、と感じたからです。
学校などでも命の大切さについては学びます。
しかしながら人の命は大切、というだけで自身の命の時間までは考えることは少ないと思います。この漫画を通して、自身の命もどれだけ大事なのか考えて欲しいと思いました。
それにcomico上の漫画でもこういう漫画は少ないとも感じたので、描いたというのもありますし、もちろん戦争はしてはいけないことだという訴えでもありました。
戦後70年で世間が特番やら色々やっていても、若い年代には「ふーん」くらいにしか届かないかもしれないとも感じました。
なので漫画を通して等身大で感じてもらえるよう、戦時中に実際に起こっていた「学徒出陣」という学生の出来事をもとにストーリーを考え、漫画にしました。
当時の「お国のために死ぬ」ということ。
それはお国のために「必ず」「死ぬ」と書いて「必死」で頑張るということ。
そして、お国のために出兵する為の赤紙を渡された時、「おめでとうございます」と言われる複雑さ。
それはイコールほぼ死にに行くということ。
それに対して「ありがとうございます」と言わなくてはいけない。
「ほんとは行かないで欲しい。」
それを声に出してしまっては非国民と言われてしまう、そんな時代であったこと。
愛する人は自分の髪の毛を袋に入れて戦地に行く前に持たせたり、千人針も持たせたり。
そういう風に送り出す方は「ばんざい!」と喜ばないといけない。
本当は生きて戻ってきて欲しいのに。
特攻で突っ込む時などには「天皇陛下万歳」というのがきまりであったこと。
生きて帰って来た時には、「お国のために死ねなかった」ということで怒られるなんて話も。
そんな時代が日本にはあったんです。
描くにあたって苦労したこと
苦労したことはたくさんあります。笑
こうしてcomicoで漫画投稿するということは不特定多数の人が見て、コメントを入れてくださるので、それなりに時代背景を理解していないと叩かれると思いましたし、服装から出来事、年齢や時代の流れも全部ちゃんと描かないと意味がない。
そんな中途半端な気持ちで描きたくなかったので、パソコンで調べるのももちろんですが、図書館で資料を読んだり、零戦について調べたり、戦争についての博物館や資料館に行ったりしました。
私この漫画のストーリーの背景にある「学徒出陣」という出来事は調べていた時に知ったできごとであり、学校で習った記憶がありませんでした。
とても悲惨だと感じ、その時代背景にストーリーを考えました。
なので、本当にその時代を知っている方はわかるかと思いますが、
という流れです。(たしか、、)
実際はおよそ2年くらいの流れかと思います。
この流れを全て書いてあるような資料というのは当時私が探した中ではなかなか見当たらず、そもそもその流れを作るのが難しかったです。
私の中でストーリーを作るなら、ここでこの出来事があって、、と考えること自体も簡単ではないですが、それ以上にこの時代の背景を考えつつもストーリーを考えるのは非常に難しかったです。
それに、この内容は長い内容だと飽きてしまう可能性があるとも感じたので、なるべく短くコンパクトにまとめました。
漫画のタッチについて
この漫画のタッチは儚さを感じられるように、淡いイメージで創っています。
今見ると、隙間があったりして結構雑にも感じられますが、、(苦笑)
でもスマホで見るくらいならあまり目立ちません。笑
(だから多分、「書いてるの中学生?」とかってコメントが入っているんだろう笑)
でも一応ちゃんと下書きをしてから線画を描いて、、って手順は踏んでますよ!笑
励みになったこと
この漫画は先ほども言ったように本当に描くのが大変でした。
最終話では最後に私からこんなコメントを載せさせていただいてます。
この文章の中にある通り、本当にコメントといいねに励まされて、描き続けることができました。
おそらくなにもなければ私は折れていたと思います。
それに、この漫画は途中途中で修正を加えています。
それは読者の方からいただいた意見をいただいた上で私の方でも調べて修正をしながら描いた漫画です。
読者様と創った漫画とも言えるのかなと思いました。
でもその当時の人間ではないので、きっとまだまだな部分もあったんだろうなとか、その当時とは少し異なる部分もあるんだろうなとは思います。
この漫画に寄せられたコメント
先ほど書かれたように、この漫画にはたくさんのコメントがあります。
最も多かったのはやはり最終話で108件。
ここでは最終話に寄せられたコメントの一部を紹介します。
今だから言えること
何度か消そうと思った
私自身、もう投稿していないし、comicoすら最近見れてもいないので、もうアカウントを消そうかと思いました。
最後に自分の漫画のコメント欄でも見ようか〜なんて思って見ていた時に、最新のコメントでこんなコメントがありました。
一番最新のコメントは2019年。
完結からおよそ3年ほど経過していましたが、コメントをつけてくださいました。
とても嬉しいです。
誰かの中で私の漫画はまだ生きているんだなと思い、消すのをやめました。
でも私の中でもこの漫画が死んでしまったわけではありません。
こうしてまた思い出して綴っているんですから。
私が描いた漫画の作品の中で一番と言っていいほど好きだし、愛を込めた漫画です。
そんな漫画を消すわけにはいかないですよね。
実は伏線も張ってあった
実は最後に防空壕の中に進が残した箱の中に最後のメッセージが入っているシーンがあるのですが、その前の段階でその防空壕の中に既にその箱を描いていました。
どれくらいの人が気づいたのか、それともあからさますぎて誰も触れていなかったのかわからないですが、、!
なぜこの内容でnoteを書こうと思ったのか
他人っぽく書いてきましたが、、
気づいている方もいらっしゃるかもしれませんが、私「早川沙奈」は著者の「ましゅまろ」本人です。笑
高校生の頃のことをふと思い出して、そんな漫画を描いていたなと思い出しました。でも今こうしてnoteに改めてその時の気持ちなどをまとめると、「よくやったな」という気持ちになりますし、高校生の割に立派な考えをしていたのかもしれないなと自分で自分のことを褒めたい気持ちになります。
余談ですが、この漫画を描いていた時、2つの漫画を描いていたのと、普通にコンクールに出す漫画もあったりで休みの日は寝る間も惜しんで描いてました。
全ての原動力は先ほども書いたように、漫画を描いていると同時に日々いただくコメントといいねでした。
それが励みになり、私は完結まで描くことができました。
本当に断言できます。
今回、そんなことを思い出したのでなんとなくPhotoshopで文子を描いて、「あーnoteにまとめようかな」とか思って、まとめ出しました。
完結からもうすでに8年経っていますが、私がこの漫画を描いていた時の記憶は薄れていません。
そのくらい私はこの漫画に愛情を注いでました。
でも画力とか丁寧さに関しては本当に触れないで欲しいくらい結構やばめだと感じますが、、笑
この漫画で改めて学んだこと
上記の通り、画力と丁寧さに欠ける漫画でしたがこんなにたくさんの方が「いいね!」と言ってくださるのはやはり中身だと思いました。
この漫画の経験を振り返ると、どんなに量があっても内容のクオリティが下がってしまってはいけないということ。
でもおそらく両方兼ね備えた方が立派な漫画家になるのだと思います。
私は漫画家になる道を諦めた身分ではありますが、諦めるのはまだ早いよ、ということを証明してくださった同時期のcomicoベストチャレンジ作家でもあり、現在は別の漫画サイトで漫画家をしている方がいらっしゃいます。
その方は若い時に漫画家を夢見ていたけど諦めて就職し、お子さんが大きくなってからまた漫画を描き始めて、夢を叶えたという方です。
私に励ましの言葉をかけてくださったり、応援してくださったり、年賀状のやりとりをしていた方のひとりです。
まだ私は26歳です。
人生100年時代という言葉がある通り、まだまだ先は長いのだと思います。
そんな中で一分一秒を大切にしつつも、長い人生の中で色んなチャレンジをしつつ、成功と失敗を繰り返しながら楽しんでいけたらいいなと思います。
最後に
最後に、この漫画を書いていた時に教えてもらった曲を貼っておきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうござました。
この読んでくれている方の中に「読んでたよ〜」なんて方がいらしたら本当に嬉しいです。
もし丁寧に描き直して公開できる機会があったらやりたいななんて密かに思っています。
こんな私ですが、今後ともよろしくお願いいたします!
これからもクリエイター活動頑張っていきたいと思います! もしよろしければサポートをお願いいたします🙇♀️ いただいたサポートは今後の活動に使わせていただきます!