どうきょがはじまった

波乱の幕開けだったが
リフォームは予定通り進んだ。

リフォームについては
何度も説明し、
紙に書いて目に付くところに
置くようにした。

それでも記憶に定着せず
聞いていないと怒る母。
周りに、自分は望んでいないのに
勝手にリフォームをされていると
言いふらすようになった。

正月は家族集まって
我が家の定番料理を作り食べたが、
姉が帰宅した日に
『お正月は終わったの?』と言い出した。
自分が何を作ったかも、
孫にお年玉を渡したことも 
すっかり記憶から抜け落ちていた。

母は酒豪だ。
お酒を飲むと特に記憶が無くなる。
自分でもそれは自覚しているが
飲まずにはいられない。

飲んでいる時の方が
機嫌が良いので
私もむしろ飲ませてしまう。
良くないとは思いつつ。 
でも父との長い習慣をいまさら
80歳過ぎた母に止めさせる意味は
果たしてあるのか。

2月、リフォームが終わり
とうとう始まった同居。

早速その翌日に事件?は起きた。


私が仕事中、
母の友人が訪ねて来たらしい。
二女が飼っている犬を散歩させようと階下に降りたら
会話が聞こえる。

『私は同居なんかしたくないのに
勝手に娘が決めてしまったの』
『孫娘は昨年、結婚に失敗して戻って来て、今は引きこもりなのよ』

二女は元夫の一方的かつ理不尽な理由から離婚に至り、うつ病になって療養中だ。
彼女に落ち度は無い。

二女にとっては祖母である母の
心無い言葉に酷く傷ついて
口論になったと
私に連絡が来た。

二女の気持ちを考えると
目眩がするような感覚になった。
仕事も上の空で、急いで帰宅し、
母に詰問してしまった。

そんなこと言ったかしら?
と初めはとぼけたが何かまずいことを言ってしまったのは分かっていたようだった。

そもそも二女の経緯は
何度も話していたが
例によって記憶に残らず、
(私も二女のことに関しては心配を必要以上に掛けたく無いし、余りにショックで詳細は話せ無かった)
結果として母には疎外感を大きくする原因になってしまった。

二女の話から
同居の話、お互い興奮して
激しい口論になり
最終的には
出て行け出て行くの
言い合いになった。

最悪の雰囲気になって、
どうやって話を終えたかは
記憶に無い。

途方にくれた。
母の認知度がガタ落ちなのと、
だからと言って
今日の発言はあんまりなんじゃないか、とか。頭の中がパニックだった。


…noteを利用し始め、
記録と気持ちの整理を兼ねて
書き始めたが、
今現在進行中なのもあり
なかなかに辛い。

まだ何も解決していないし
火種は燻ったまま。

母の記憶はまだらで
急に思い出したり
すっかり忘れていたり。

以前は社会情勢に敏感で
そういう類いの話を
熱く語る人だったが
同居以来は
昔話しかしていない。

何回も聞いた話を
くすくす笑いながら
今初めて話す雰囲気で
いや、本人は至って初めてのつもりで話される。

でも聞いてやらねばならない。
皆様経験済みのことなんだろうけど、辛い。

とにかく同居は始まって、
早くも四ヶ月が経過。

一時は体重が減ってしまったが
最近やっと持ち直した。

食べて寝る、
気持ちを切り替える。

姉弟に聞いてもらう。

そんなことを心掛けながら
母との生活を
手探りでやって行こう。


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