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雨の月曜日にお寺で一日過ごしてみたら予想外な出会いが満載だった

こんにちは!さむ活P山田です。

さむ活とは福井県あわら市の天王山安楽寺で毎月開催されている企画。お坊さんの修行のひとつ「作務」を体験化して、お寺でほっとできる時間を過ごしていただこうというものです。
くわしくはこちら▶無心になれる場所をめざして~さむ活が新しくなります~|さむ活【公式】|天王山安楽寺 (note.com)

このレポートでは毎月開催するさむ活の様子をお届けしつつ、わたくし山田の頭の中に浮かんだ問いや実感をお伝えしながら、安楽寺らしいお寺の在り方を探っていきたいと思います。

平日だし雨だし

さて、5月の開催日は29日。月曜だし雨だし、一般的なイベントを思えば「不利」な状況。しかし私たちさむ活メンバーはドがつくほどのポジティブ思考集団。雨の日の平日だからこそ見えることがあるに違いない!と、期待に胸膨らませつつオープンしました。

ここ数日で一番というくらいのしっかり雨。
濡れずに居られる広い軒下があるのっていい。家にはない。

外と中、両方の良さを兼ね備えたこの軒下空間。晴れの日も気持ちよいですが、雨だと一層居心地が良い気がするのはどうしてかしら。雨に濡れるのは嫌だけど、雨音は近くで聞きたい。自然の風も感じたい。そんな希望が叶うからかなあ。

背中を丸めて何かしている山田
雨にうたれるあの方々を撮影していたのでした。
晴れの日には気がつかなかったけれど、濡れると色が違うんですね。
「面白いですね~」と住職せいはんさんと話していると、
坊守あきさんがおかきを作ってきてくれました。
この日の精進スイーツメニューのひとつです。塩加減が絶妙!

「中までサクサクにするのが難しいのよね」と揚げたておかきを持って来てくれたあきさん。「これはこれでモチモチしててめちゃくちゃ美味しいです」と感想を伝えつつ、そのほとんどをひとりで食べ尽くします。

あきさんと軒下で世間話をしながら、ふと自分の足元を見ると

足になめくじさんが這っていました!わーわー言いながらなめくじを落とし室内へ駆け込む(笑)雨の日ならではのお客さんに、この日一番の大声を出して大騒ぎしてしまいました。せいはんさんとあきさんが笑ってくれて「あ、なんか家族みたい」となんだか嬉しかったです。

安楽寺って1日1日、必ずどこかが変化していて、しかもそれを身近に感じられるんですよね。当たり前のようですが、結構大切な気がします。
空模様や気温はもちろん、植物が育ったり枯れたり、虫や魚がいたりいなかったり、鳥の声の聞こえ方も毎回違う。椅子が増えていたり猫の形をしたポッドが置かれていたりと、せいはんさんやあきさんが手掛けたものもたくさんあります。

「前回来た時にはなかったですよね」という小さな変化がたくさんあって、お二人に伝えると「そうそう、あれはコメリで買ったんですよ」と話が広がったりして。おしゃべりの楽しさと、小さな変化に気がつける自分を感じることができる嬉しさ。「よく気がつきましたね!」なんてほめられると良い気になったりもして、何かがうるおっていく実感があります。

はじめてのさむ活

ゆったりと過ごしていると一人目のお客様が来てくださいました。次回6月24日(土)のさむ活でゲストとして参加してくださるsuuさんです。

次回のさむ活では「さむトーク」という新企画がスタートします。住職せいはんさんが最近気になっている人をゲストにお招きして、さむ活を一緒に楽しみながらトークセッションをしてみる企画です。suuさんはその記念すべきお一人目のゲストなのです。

suuさんはあわら市在住の西洋占星術の占い師さん。とっても明るく気さくで、軽快で楽しいトークが魅力的な方なんです。気になる方はこちらの公式インスタグラムをご覧ください♪
「さむ活が気になって仕方ない!」とはじめてのさむ活を体験に来てくだったsuuさんです。

雨の日の室内さむメニューから仏器みがきをお選びいただきました。よし来た!と張り切る山田。仏器みがきが大好きなんです。suuさんに安楽寺流のみがき方をレクチャーさせていただきました。

「おお~これは気持ちいいですね!」「うわ、すごいピカピカ!」と感動の声をあげていただき、なんだか自分が褒められているみたいに嬉しくなりました(笑)

仏器に向き合いながら、何を話そうと決めたわけでもなく、ゆるやかなリズムで会話がつながっていきます。

正直なところ、お話の具体的な内容は覚えていないのです。でも、とてもここちよく良い時間だったという実感が残っていて。suuさんの話し方とか表情とか、話している時の自分の表情や声色とかが感覚としてしっかり残っています。これ、なんだろうなあ。とてもリアルな、生身のコミュニケーションを取っているような感じがします。

はじめまして、のさむ活

今回よくばりコースをお選びくださったsuuさん。精進スイーツとプチ瞑想体験がセットになったプランです。

瞑想体験中に新たなお客様が!毎回さむ活を楽しみにしてくださっているご近所さん、ゆうちゅうさんです。

ゆうちゅうさんはグラフィックデザイナー&イラストレーターさん。安楽寺のいろんなアートワークも手掛けていらっしゃいます♪ 例えば……

🌺散華寺プロジェクト第3弾🌺 ついに安楽寺のオリジナル散華が登場です☺ 初回のリリースは以下の御三尊です ・大日如来さま ・薬師如来さま ・不動明王さま 近日中に頒布を開始いたします☺ デザインをしてくださったのは、せいはん幸話のパ...

Posted by Shigenori Sugimoto on Thursday, April 27, 2023

こちらのかわいいオリジナル散華はゆうちゅうさんが手掛けたもの。せいはんさんが定期開催している「せいはん幸話」のパンフレットやイラストもゆうちゅうさんの作品ですよ~!気になる方はこちらの公式インスタグラムをご覧ください♪

suuさんとゆうちゅうさんはこの日はじめましてだったので、少しご紹介させていただきました。

「suuさんは占い師さんなんですよ」
「えっ!占いって興味あります」
「ゆうちゅうさんはイラストレーターさんで、インスタもあって…」
「かわいい!こういう雰囲気好きなんです」

と、あっという間につながるお二人。精進スイーツを楽しんでいただきながら、ゆる~く楽しく過ごしていただきました。

4つのスイーツメニューから好きなものをお選びいただくスタイル。
こちらにコーヒーや薬膳茶などのお飲み物がつきます♪

この感じ、安楽寺では本当によく見かける光景なんです。はじめて会った方同士がスッとつながっていく感じ。かく言う私もこの場所で、本当にたくさんの方とお知り合いになりました。

どうして安楽寺だとこんなにスムーズに交流できるんだろう?といつも不思議になります。ご本人のコミュニケーション能力が高いということもあるのかもしれないけれど、いやいや。それだけではない何かがあるはず・・・

まず、間に立ってくれるせいはんさんやあきさんの存在は欠かせません。おふたりが紹介してくれる時点で「あ、この人は大丈夫な人なんだろうな」とほっと気が抜ける。「安全が保障された場所でコミュニケーションが取れる」「安心して人とつながれる」というのが安楽寺なのかも。

そんな場所で開催するさむ活は、ならばどういう位置づけになるのかしら?山田の問いはまだまだ続きます。

そら・うみ・りく

さあ、ここから先は猫好きの方、ご覚悟ください。

KAWAIIIIIIII

安楽寺のSNSを見ている方はすでにご存じのとおり、安楽寺には現在3匹の保護猫さんがいます。一般のおうちで暮らせるようになるまでの、預かりボランティアの取り組みです。

そら・うみ・りくという名前の3匹の子猫さん。こちらはうみさん。

suuさんもゆうちゅうさんも猫が大好き。そして私山田(恥ずかしい姿ですみません、猫目線になりたくて笑)も大の猫好きでございます。みんなでしばらく子猫うみさんがうろうろする幸せな本堂を堪能したのでした。

こういう楽しいイレギュラーが起こるのもさむ活の魅力。「毎回かならず同じ」という空間や体験も安心感があって良いものですが、「何が起こるか」「誰が来るか分からない」という見えなさ・分からなさって刺激的で楽しい。

安楽寺の場合、こういうイレギュラーによってモチベーションがアップしたり、癒し機能が高まったりと良いことが起こることが多いので、「不安定さ」や「分からなさ」を魅力として発信していくこともできるかもしれないなあ。ミステリーツアーのような・・・

昨日の護摩の・・・

ゆうちゅうさんが体験してくださったのは護摩堂そうじ。この日は29日で、前日28日には月例護摩祈祷が行われたばかりだったので、良いかんじにススや油で汚れていた護摩壇のお掃除をしていただきました。

護摩祈祷の炎のススで汚れた仏器も綺麗にしていただいて・・・
午前中にsuuさんに磨いていただいたものも含めて
ピッカピカに!!
いつもの場所に置いてみると、光が反射していっそう綺麗です。

途中でゆうちゅうさんのお姉さん、まゆみさんも来てくださいました♪ とっても仲良しなお二人にさむ活メンバーもなんだかほっこり。ご家族のあったかい雰囲気に混ぜていただきながら・・・

まゆみさんが体験してくださったのは灰こし。
大きな線香立ての中の灰をザルで漉して、さらさらの灰にして戻します。
灰こしをしてもらっている間に、線香立てをピカピカに磨きます。
お家ではなかなか磨けない特大サイズの仏器です。やりがいがすごい!
きれいになった線香立てにさらさらの灰を戻していきます。
ものすごーく地味な作業なのですが、さらさらの灰に線香を刺すと
「スっ」となんともいえない心地よい感触が味わえます。

みんなでわいわいさむしていると、若狭町から彫刻家の新野さんがいらっしゃいました。あわらに来られる予定があり安楽寺にも寄ってくれたそう。
本堂の入り口の山号額は新野さんが手掛けたものなんですよ~迫力満点の彫刻は安楽寺の見どころのひとつ。お越しの際にはぜひ堪能してみてくださいね。

目力(めぢから)が半端ない 🐲八方睨みの龍🐲 安楽寺山号額の設置に 新野 佑一 さんはじめ 新野彫刻店 のみなさんが来寺🚗💨🚗💨 遅くまでありがとうございました また宜しくお願いします 完成形のお披露目は 5月8日 となります #天王山安楽寺 #山号額 #阿吽 #双龍 #dragon #新野彫刻店

Posted by Shigenori Sugimoto on Monday, May 2, 2022

人が増えたり減ったりするたびに空間の空気がふわっと変わります。言葉にするのは難しいですが、人それぞれの距離感や感覚がまじりあって、その場所を共有しているメンバーだからこその唯一無二の空間ができあがる感じがします。

これって職場とか家とか、いつも自分がいる場所ではなかなか体験できない感覚かも。いつもの居場所を飛び出して、他の人が来るかもしれない(来ないかもしれない)場所で過ごすことで、普段は使っていない感覚が呼び起こされるような気がするんです。これはなんなんでしょう・・・

「パンドラの箱を開けた?」

昨年までは非日常体験イベントとして開催していたさむ活。予約不要、いつ来ても帰ってもOKのオープンスタイルで開催するようになって3か月が経ちました。

これまでのレポートをお読みいただいた方には見破られているかもしれませんが、開催を重ねるたびに新たな発見や疑問が起こって、さむ活というものの存在がどんどん大きく深く広がっています。いったいどこへ向かうのでしょうか?

住職せいはんさんも「この活動をどう言語化する?」と楽しくもがいているみたいです。

🎁パンドラの箱🎁 ...もしかして開けたのかもしれない こんなにも言語化の難しいイベントをよく毎月開催しているものだ😂 ゆっくり... のんびり... 地味時間... 言葉を見つけようとするほど本質から遠ざかるような気がする 20...

Posted by 杉本 成範 on Wednesday, May 31, 2023

私の方はというと、今回のさむ活を終えてみて、この場所の魅力をこんな風な視点から見ています。

小さな変化=自分の成長を感じられる場所

安楽寺には、さむ活にはたくさんの変化があります。というか、誰でもどんな場所でも変化は起こっているはずなのですが、安楽寺に来るとその変化がありありと見えるようになるから不思議なんです。変化が見えるということは、変化に気がつく自分になったということでもあって。自分の成長を感じられる場所なのでは?という予想を持っています。


あんしん・おためしコミュニケーション?

安楽寺で過ごしていると、長く時間を過ごすほど、誰かとの出会いが起こりやすくなります。しかも住職せいはんさん、坊守あきさんが間に立ってくれることで緊張感が和らぎ、ほどよい距離感で空間を共有できるようになります。ある程度の安全が保障されたうえで、誰かとのリアルなコミュニケーションができる場所なのかもしれません。


何が起こるか分からない!が楽しい

例えばカフェにお茶をしに行くとしたら、混み具合の違いこそあれ、「何が起こるか分からない」というドキドキ感はないですよね。さむ活の場合、事前の予約がないこともあり、誰が来るか分かりません。定番のさむ体験はご用意しているものの、その日だけの特別なさむがあるかもしれないし、偶然檀家さんが訪れるかもしれない。今回も保護猫さんに会えるという嬉しいイレギュラーがありました。

普通のイベントならばリスクとされる「不安定さ」「未定である」ということが、さむ活の場合は「何が起こるんだろう?」というわくわくにつながるのではないかと思っています。予期できない何かを楽しみに出かけてみるという新しい過ごし方の提案にもなるかも。

さて、さむ活はまだまだ続きます。今回見えた視点もしっかり持ち続けながら、新たな発見が起こることも楽しみに、どんどん進んでいきたいと思います。引き続きさむ活をどうぞよろしくお願いします♪

▼次回のさむ活はこちらです。気軽に遊びに来てくださいね~


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