非常勤講師と公募

ある日、いつもの通り、大学へ出勤し私書棚の部屋の掲示板を見ると、「専任教員の募集について」という公文が張られていました。

なだろう?内容をよく見ると、担当してもらう科目が4つほど書かれているのですが、それが、私の仕事にも関連し、今教えている科目にも関連し、修士論文とも関連するという、ミラクルといえるほど私にピッタリの公募内容でした。

「これは大学が私を呼んでいる」と思い、早速、教授のもとへ公募の話を聞きに行きました。

私(独り言)「(もし、教授に「そうだよsammytz君が応募してくれるのを待っていたんだよ)って言われたら、大学に転職しちゃおうかな~。」

私(独り言)「でもやっぱり今の仕事も楽しいし、このままいけば、昇進もできるからもったいないな~どうしよっかな~」などと、取らぬ狸の皮算用をしていました。そして、教授の研究室へ

~~教授の研究室へ~~

私「この公募の内容を見たのですが、手前味噌ながら私がお役に立てそうなので、公募を出そうと思うのですが、どう思いますか?」

教授「う~ん、たしかにsammytz君は学生からの講義の評価もいいし、科目もぴったりで適任だと思うけど、博士号を持っていないから厳しいよね。せめて単位取得満期退学でもいいんだけどね~。」

私「(え!ダメなんだ)そうですよね。修士じゃ厳しですよね(汗)」「では失礼します」

ということで、「大学が私を呼んでいる」のは勘違いだということがしっかりとわかりました。博士号が必須だそうです。

もし、人生にもしはありませんが、もし、もし博士号を持っていたら、大学の先生になれるかもしれなかった。でも博士号がなければ、スターラインにすら立てない。それはそれで悔しいという感情がわいてきました。

正直、それまで大学の先生になりたい気持ちはあまりなかったと思います。仕事はすこぶるうまくいっていましたし、上司からも高評価を得て、同僚からも信頼されていたので、それなりのポジションにはいける自信がありました。

しかし、大学の先生。。。考えたことも夢見たこともなく、遠い世界の頭のいい、素晴らしい人物が就くと思っていた職業が、もしかしたら私もなれたかもしれない。これまで、底辺から這い上がって、それなりに仕事でも趣味でも努力すればそれなりの結果を残してきた。努力すれば博士号もどうにかなるんじゃないか?

幸い今は仕事もあるし、金銭的にも困っていない。時間の捻出さえあれば、チャレンジはできる。大学の先生にならなくても、やる価値はあるんじゃないか?やるか?博士号?

取れるか博士号?


やっぱりさすがに博士号無理じゃない?


いやいや、できない理由を探すんじゃない!


できる。絶対できる。


この瞬間、博士課程への進学を決めました。


その後、サブ3の状態をキープしていた趣味のマラソンを完全にやめ(正直めちゃくちゃもったいないけど)、非常勤講師の更新もお断りしました(教授に博士号とります宣言もしちゃった)。

さて、博士課程のある大学を探そう。

近くにはない。

どうしよう。

続く。

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