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「いつか、きっと」のいつかは、一生来ない。だから私は旅にでる。

「旅は老後のネタ作り」といつも母がいつも言っている。

将来、体が動かなくなって旅行に行けなくなった時に、お父さんと一緒にご飯食べながら、ストレスばっかりの日常生活の記憶なんて思い出したくないのよ。旅にはハプニングは付きものでしょ。それを思い出して笑いながらご飯が食べたいの。これが母から聞いた両親が旅行にいく理由だ。

両親は、金婚式を迎えるまでに日本全国制覇を目指して、津々浦々旅をしている。金婚式まであと5年。そしてあと5年を残して今年の6月に沖縄旅行が決まり、ついに全国制覇が達成されると嬉しそうに電話で話していた母。

両親は性格が正反対である。繊細な父と、がさつな母。私がざっくり人生を生きているのは母の遺伝に間違いない。

一見反りが合わないかと思われがちだが、そんな2人も共通の目標をもち、お互いの得意・不得意に合わせて役割分担をするとわりと上手く行くのである。我が夫婦も性格が正反対なので、両親に習って、今はスペイン全土を旅することを目標にしている。スペインは「州」で見るとすぐに達成出来てしまうくらい数が少ないが、都市や村、島で分けて考えると結構な数になるので今後の人生が楽しめそうである。

行きたい所は山のようにある。世界で見たらまだまだほんの一部しか行ったことがない。でもいつかは行ってみたいなと漠然と思っていた、コロナが来る前までは‥‥いつでも行けると思っていたのだ。

考えが変わったのは、コロナが始まって外出禁止令が出た頃だった。
国が扉を閉めることがあるんだ。国と国の行き来がこんなに大変で、容易にいかなくなることがあるんだと知った。

またいつこんな事が起きるか分からない。行けるうちに行かなくちゃ!と決心した。

「いつか、きっとのいつかは一生来ない」
私達の合言葉だ。いつかを自分達で決めない限り一生旅に出ることができないのだ。

年始に、旅行先をざっくり決めるようにした。そして、近い予定のものからどんどん日程を決め、ホテルまで予約してしまう。
場所、日程、滞在先まで決まれば、後は観光したい場所をお互いにリストに入れて、予約の有無と休館日などを見ながら予定を組んでいく。

この時間がとても楽しい。旅行前から楽しいのだ。
たまに楽しすぎて、旅行当日にピークを迎えてしまい、クタクタになって旅に出ることがあるので気をつけなくてはいけない。

新しい土地を知る楽しみと、何も変わらずいつもそこにある田舎の安定感のギャップが、私達の人生のバランスをとってくれている。

「いつか」を自分で決める事は、旅行に限らずあらゆる事に共通していると思う。英語が話せるようになりたい。こんな仕事がしてみたい。こんな所に移住をしてみたい。やりたい事を見つけたら、まずは実行しなくちゃいけない環境にしてしまうこと。あとは勝手に動いていくはず。ダメならやり直せばいいだけなのだ。

スーツケースに荷物を詰めて準備は整った。

新たな私達の旅がまた始まる。
いってきます‼

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