自転車レーン
わたしはよく自転車に乗る。
自転車で急いでいるときに、行く手を阻む歩行者がいる。
それは、自転車レーンと歩行者レーンが分かれている歩道や自転車マークのある横断歩道でよくある話。
自転車レーンのが日陰になっているから、あえてそこを歩きたい人。
だよね、日陰だもの。日陰が涼しいもの。
自分の行く先の、なるべくインコースを取りたい人。
だよね、近いもの。ちょっとのことだけどムダがないもの。
複数人で横イチで並んで歩いている人たち。
だよね、3,4人そろえば横に並んで話したいもの。
5人そろえばキーハンター(で合ってるだろうか…なんか刑事もののむかしの)かゴレンジャーか横並びがかっこいいってイメージしちゃうもの。
行く手を阻まれても、チリンチリンとベルを鳴らすことはない。
そういえば、自らあのベルを鳴らすことなどほとんどない。
どうしてものときに口で言うことのがあったかもしれない。
、、、あ、チリンチリン!を言うのではない。さすがにそれを言うくらいならベルを鳴らそう。
言うのはスミマセーンだ。遠慮がちにスミマセーン。
そう、エクスキューズミーのニュアンスで。
でも、ほとんどが、スミマセーンも言わず、普通に速度を合わせてゆっくり後につく。
気づかれて、は!この自転車の人ここ通りたいんだわ。よけなきゃ。
などとワチャワチャしないよう、絶妙な距離感で後につく。
自転車を降りて引いて歩くこともある。
歩行者レーンがすいていれば、ぐわんとよけて抜かす。
でもそれもあまりしない。そういうところは律儀にレーンを守ってしまう性分だ。
そんなわたしだが、この前、うっかり自転車レーンを歩いている自分に気づいた。
日陰だったのか。、、、違う、がっちり日向だ。
インコースだったのか。、、、違う、むしろアウトコースだ。
キーハンターかゴレンジャー気取りだったのか。、、、違う、一人だ。オンリーワンだ。
ただ、いつも自転車レーンで通っている道だから、癖で自転車レーンを歩いていた。
歩いているのに自転車に乗っているみたいなつもりで。
まるでそれは、自分専用レーンであるがごとく。
ママチャリで後ろから来たおばちゃん二人組にチリンチリンされ気づいた。
あれくらい爽快にチリンチリン鳴らしてみたいものだと思うほどに、二人してチリンチリンして抜かしてていった。
わたしは一人で歩いていたのでチリンチリンしなくても、抜かせるスペースはあった。
でも、鳴らす。
どけどけーと言う感じではなく、あぶないよー。というニュアンスだ。
前にいる一人が鳴らすんでなく、ふたりで鳴らす。さすが、人生の先輩。
あたしらが通るよー、あぶないよー。というニュアンスだ。
お恥ずかしい。
自分がそこをうっかり間違うとは思わなかった。
自分専用レーンであるがごとく、の無意識でいるとは。
謙虚なつもりでなんとでかい人間になったものだ。反省、反省。
わたし、分かってますよ。
わたし、これくらい我慢のうちに入りませんよ。
って顔して、実はけっこう気にするところ。あんまり好きじゃないな。
ときに、こんなふうに不器用に、反省と改善について時間を費やす。
爽快にチリンチリン鳴らせるかんじ。
あのかんじ。
いつできるようになるだろうか。。。
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