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中小企業DX推進担当がリアルに感じた課題

ただの経理部平社員だったのに、3か月の休職(英語勉強のため自己都合休職)明け突然デジタル要因にアサインされてしまったわたしですが。

最初のミッション

”とあるイベントまでにSaasタイプのオンラインオーダーシステムを稼働させる”

2週間もない期間でほぼ丸投げの状態でしたが、背負い投げのごとくなんとか終わらせ、しばらく山積した課題と情報整理の時間をに割く時間をもらっていたのですが

今後の展開をどうするか?という大きな意思決定の必要がありました。

・今回トライアルということで、一部製品での展開でしたが、全商品展開とすべきかどうか?

・そもそもこのオンラインオーダーを使い続けるべきか(Saasは年間契約で3桁の経費)

ただの経理部平社員であったわたしにはどう判断すればよいか皆目見当つきません。

そこでまずは今回このミッションに関わった製造部門、営業部門の担当者を集めメリット、デメリットを収集しました。

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<メリット>

1.商品が写真画像で見栄えがいい(既存では紙に手書きの設計図)

2.注文の集計が楽

3.注文データの詳細な分析が可能

4.イベントに来られない人にもリーチできる

5.社内のデジタル化耐性が強化される

<デメリット>

1.オンラインオーダーまでできる得意先は一部(独特の商習慣の問題)で他の得意先に関してはオンラインで新商品ラインナップが見れるだけ

2.これまで使っていたPDFの商品説明書類(プリントアウト)はオンライン上での商品一覧ページにとってかわるものだが、イベントではこれまでどおり紙の商品説明書類がないとアテンドが難しい

3.オンラインオーダーのデータベースを作成するのにそこそこ手間がかかる(それを超えるメリットがあるのか)

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メリットデメリットをそれぞれ3段階評価で重みづけして点数化したところ、現段階ではマイナス評価、つまりデメリットがメリットを上回る結果となってしまいました。

ただ、初回だったこともあり多くの改善点が回収できているため

それを織り込んでの評価をだしたところ、それでなんとかプラス1の評価。

この結果により

次回他商品への展開は実施せず、今回と同じ製品のみとし

・準備作業の効率化

・イベントのアテンドを行う営業へのフォロー

に注力し、どれだけプラス評価にもっていけるか観測する方向性としました。ただ、自分的に本当にこれでよいのかとモヤモヤした気持ちが残ります。

というのも、デメリットの2に関して

2.これまで使っていたPDFの商品説明書類(プリントアウト)はオンライン上での商品一覧ページにとってかわるものだが、イベントではこれまでどおり紙の商品説明書類がないとアテンドが難しい

これは営業からの意見なのですが

正直疑わしい。。。

彼らが嘘をついていると思っているわけではないのですが、営業としてはこれまでと異なる未知のツールを使ってアテンドすることに対してできればそんなもの使わず現状どおりのやり方がいい。というバイアスが絶対にあるはずで、それが

・これまでと同じ紙媒体がないと商談に影響が出る

・得意先も紙媒体がないと困るという声がある

と無意識に

今回のDXには無理がある。

という抵抗意見として出てきたように思えてなりません。

ただ、営業としての実績もなくただの平社員のわたしが

そこについて

”・これまでと同じ紙媒体がないと商談に影響が出る”

⇒まずはオンラインシステムでの商談スタイルを活用できないか最大限思考錯誤してみるべき

と説いたところで、営業の反発は必須です。

ここで、先日読んだ

”日本電産永守重信社長からのファクス42枚”

で繰り返し主張されていた内容が鮮明に頭に浮かびました

”最重要は従業員の意識改革である”

日本電産永守重信社長からのファクス42枚

https://www.amazon.co.jp/dp/B01N2RYCG0/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1


今回のケースも、社内の空気が

”DXしなきゃ”

程度であることが重篤な要因な気がします。

”DXできなきゃ確実に死ぬ!できてもギリかもしれないけど、できないと間違いなく死ぬ!”

これぐらいの認識が多くの従業員に浸透していないと

無意識に”できない理由”が並べられ、デジタル化への道は閉ざされてしまいます。

とはいえ全社の意識改革を行うには、わたしには権限やコネクションもろもろのカードを備えていないので知恵を絞って次の一手を打つことを考えています。

その次の一手とは。。。

営業のデメリットの主張のひとつである

・得意先も紙媒体がないと困るという声がある

ここの封じ込めにかかります。

これ。得意先の声といっていますが

一体どれくらいの数と深刻度の声なのか?

次回は顧客アンケート(※B to B)を実施しようと思っています。

デジタル化への大幅な遅れの傾向からもお察しいただけるかもしれませんが、弊社ではこのようにアンケートをとるようなロジカルなデータ収集、分析の文化も根付いておらず、これもまた同じように営業からの反発が起こらないはずはないのですが

幸い今はMicrosoftのFormsなど簡単にアンケートを作成集計できるサービスも充実してますし、社会共通の最重要課題

・”サステナビリティ”⇒紙の削減という観点

・”DX”

この2点に関心のない企業はおそらくいません。

こういった取り組み姿勢があるという好アピールにもなるはずなので、2分程度で終わるアンケートを取らせる案は提案すれば実現可能ではないかと踏んでいます。

これにより得意先が実はそこまで紙媒体を望んでいないということが可視化されれば、営業が主張している大きなデメリットを突き崩すことが可能となります。


ただ、もし多数の得意先が紙媒体を必須としていたとしたら、それはそれでもっと大きな視点でビジネスモデルの変換が必要なのではないかと個人的には思います。

すこしきつい言い方になりますが、紙媒体に依存してデジタルシフトにまごついてるような企業の将来性は見込めません。

つまり今後売上規模も縮小している可能性も高く、そんな望みのない顧客に多くのリソース(主に人的な)を割き続けるのはリスクでしかありません。

週明け今回のミッションに対しての今後の方向性を定めるため、総括ミーティングが予定されています。

顧客アンケートの件提案予定ですが、さてどのような反応となるのか。。

うまくいきますように。

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