見出し画像

飛騨古川のファブラボ

突発的なひらめきで、途中ショートカットして飛騨古川に来た。白壁土蔵造りの町並みで有名だが、最近は映画「君の名は」の聖地としても賑わっているようだ。

ここでナイスなファブカフェを見つけたので少し紹介する。

「FabCafe Hida」は 100年以上前から残る商家の豪邸を改築し、約2年前にファブラボ兼カフェとしてオープンした。

まずは、趣きある格子戸の店構えに目を奪われる。玄関から一歩中に入ると、冷んやりとした静かな空気が感じられた。カフェの注文は奥のレジで行う。レジ横の部屋では外国人観光客が談笑していた。

ファブカフェというくらいだから、もちろんものづくりのマシンは揃っている。カフェスペースの一角にレーザーカッターや3Dプリンタが並び、これらのマシンと飛騨の材木を使って、オリジナルの箸やスタンプが作れるという。

▲カフェに並べられた3Dプリンタやレーザーカッター

こうしたサービスは観光客向けだが、カフェの奥には、酒蔵をリノベーションして造った、プロのデザイナーが使用するデジタルファブリケーション工房があり、デザイナーさんらしき人が活動する姿も見えた。

▲白壁の酒蔵を改修した工房

スタッフによると、カフェの2階には泊まれるスペースがあり、デザイナーさんが泊まり込みで創作に来ることもあるのだとか。

「ものづくりをもっと身近に」をコンセプトに全国にファブラボが広がり、私も雑誌の取材で触れたりしてきたが、こんなふうに伝統や町の風情、地域資源までをミクスさせた場所は初めて見た。

そこにいるだけで感性が研ぎ澄まされていく。創作家が集まる理由が、よく分かるというものだ。

▲店の中から通りの方向を眺める