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もう今さら違う自分になれるわけないじゃない?【櫻坂46 BAN 歌詞考察】

タイトルは櫻坂46の2ndシングル「BAN」の歌詞だが、この歌詞がこれからの櫻坂46を形成していく上で大事なキーワードを内包していると感じた。

そのキーワードとは「開き直り」だ。

欅坂46時代は中・高校生として社会への、大人への反抗心、青春時代特有の焦燥感、自己嫌悪について歌い、聴き手と同じように悩み寄り添う形で応援をする楽曲が多かった。そんな子ども的な反応的な「誰かのせいにしたい、でも...」という気持ちを代弁してきたのが欅坂46だった。

そして、改名して櫻坂46となり、誰もが明るいアイドルらしい楽曲を歌っていくと思いきや、欅坂46の核を忘れず、欅坂46時代の「僕」が大学生や社会人に成り立ての人の目線でしっかりと成長した姿が描かれる。
「誰かのせいにしたい」という子ども的な気持ちはあるけれど、それじゃ何の解決にもならないよなと気づき、もがき、それでも前を向く。この「前を向く」という行為はとても大人的(主体的)な行為であり、しっかりと改名した意味も見えてくる。
そして、ここで欅坂46の核とは一体なんなのか。
それは「孤独」だ。
これにより、櫻坂46は欅坂46時代と同じく、時代の代弁者となり寄り添う形で聴衆を応援する。

櫻坂46では、欅坂46時代の「僕」が前を向く手段として「開き直り」を使うことで、この社会を全面否定するのではなく、受け入れる気持ちはあるけれど、自分は何も変われる気がしません。でも、僕は絶対にBANされるものか、と前を向いています、と開き直っている。

この完全に変わるのではなくて、人間のリアルを描きつつ、欅坂46時代と同じく、人々の心を代弁し、改名した意味も見出す。

一見変わってないように見えてちゃんと変わっている。予定調和にはしない。

最高にロックだ。

変わらないっていけないことなの?


※ここではロックを、一貫性がある、ブレずに自分を持っているという意味で使ってます。

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