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それならずっと僕のことは数に入れないでよ【櫻坂46 隙間風よ 歌詞考察】

「優等生」の憂鬱

雲ひとつない青空なんて
残酷じゃないか
完璧なもの 見せつけられたら
僕に逃げ場はない

櫻坂46  隙間風よ

「完璧」の象徴として「雲ひとつない青空」を使い「僕」と対比させる。
それを「僕」は残酷だと言う。
何も無い空っぽな「僕」が浮き彫りとなるだけだ。
言い訳という逃げ場が無くなる。

普通に幸せな日々
何が不安なんだろう
親とか教師には充分
期待に応えたよ

櫻坂46 隙間風よ

そう思う理由は何故なのか。
普通に幸せな日々を送っているはずだ。
「過去」の象徴として「親とか教師」を使い、それらからの期待にもそれなりに応えてきたと言う。
何がそんなに不満なんだ。
そんなに差し迫った不幸なんて僕にはない。
でも何故か焦燥に駆られている。

「でも 本当はそんな
ちゃんとできるような僕じゃないんだ
もっと僕らしく好きにやりたい
どうすりゃ許して貰えるんだろう?」

櫻坂46 隙間風よ

それならいっそ 警告なく夕立が降ればいい

櫻坂46 隙間風よ

今の自分に飽きている。
本当はそんな自分じゃない。
理想と現実との乖離を感じる。
自暴自棄気味な「僕」を描く。

隙間風 胸の奥 どこから吹くのか?
いつの間に傷ついた 今日までの自分
寂しいって ため息になって口から出た
本音だけが少しずつ漏れてく
Oh… 気づかないくらい
Ah… 静かな力で
Oh… 足を引っ張る
僕しか感じない微かな風

櫻坂46 隙間風よ

隙間風とは何の言い換えか。
それは虚しさだと思う。
取り立てて言うほどの不幸はない自分に失望している。
その乾いた情景を表現し、その風はどこへ向かうのか。

眩しいものをずっと見てると
くらくらして来る
一瞬だけ目を瞑ればいいんだ
楽になるだろう

櫻坂46 隙間風よ

「眩しいもの」とは成功者を指すのか。
ここでは「現実」の方がしっくりくる気がする。
一瞬だけ目を瞑って楽になろうとする。
「僕」は生きることを諦めかけている。

大した夢じゃないのに
見てなきゃいけないのかな
そういうフリするだけでも
自分が嫌になる

櫻坂46 隙間風よ

どこまでも傍観者の自分に嫌気がさしてくる。
当たっていないスポットライト。
ずっとその他大勢でいいのか。

「そう こんな僕がさ
変わってるって言われちゃうのは
納得なんかできやしないけど
世界はそれでも無視して回る」

櫻坂46 隙間風よ

心に吹く隙間風(虚しさ)の正体は社会から無視されている気がするこの感覚だ。
誰からも必要とされない。
居ても居なくてもいい存在。
ああなんてちっぽけな人生だ。
なのに頑張らないと生きていけない。

それならずっと 僕のことは数には入れないでよ

櫻坂46 隙間風よ

隙間風 音もなく どうして泣いてる?
傷ついても 慣れたから 感じない 何も・・・
死にたいって 言ったらだめだって 自分で言う
当たり前がわからなくなってく
Oh… 息をする度に
Ah… 逃げてくものとは
Oh… ずっと溜めてた
こっそり吸い込んだ希望の空気

櫻坂46 隙間風よ

誰にも人に言えない
何か きっと
心にあるだろう
知らずに少しずつ 言葉になって漏れてる気がする

櫻坂46 隙間風よ

こっそり吸い込んだ希望の空気。
そう本当はやりたいことがまだまだあるだろう。
どんなに傷ついても、どんなに惨めでも前を向く。
生まれ変わり続けるしかない。
人生のスポットライトとは他者から当ててもらうものではない。

どうせなら その穴を 大きく開いて
この胸の わだかまり 風になって出てけ

櫻坂46 隙間風よ

「どうせなら」という開き直りが最強だ。
完璧じゃない自分をも全肯定する。
ありのままでいい。

それが過去の乗り越え方だ。

隙間風の行き先

雲ひとつない青空=平手友梨奈とすると小林由依の物語として面白いかもしれない。

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