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『絶対』という誤解

私たちはしばしば、絶対的な確信を持って行動や意思決定を行います。しかし、人生とは複雑で予測不可能であり、「絶対」という言葉が持つ意味は、実はそれほど確固たるものではありません。今日は私自身の経験から、「絶対」がどのようにして私の成長を妨げ、そしてそれを乗り越えたかをお話ししようと思います。
私の最大の欠点は、「絶対」という言葉を頻繁に使ってしまうことでした。何か問題に直面した時、私は自分の分析と判断に絶対的な自信を持っていました。その結果、「絶対にこれが正しい解答だ」と信じ、それに基づいて行動を起こすことがよくありました。
しかし、ある時、私が力を入れて解決策を提案した問題が、実は全く異なるものであることが明らかになりました。私の問題認識は、自分の認知バイアスによって大きくずれていたのです。私が導き出した「絶対的な解答」は、実際には全くの間違いでした。その瞬間、私はとても恥ずかしい思いをしました。
この経験から学んだ教訓は、リーダーが問題をいとも簡単に解決できると考えることは、カッコいいかもしれないが、現実はそう上手くはいかないということです。問題の本質を見極め、効果的な解決策を見つけるには、チームで話し合い、多様な視点や意見を聞くことが重要です。
たとえば、ある村に毎年訪れる洪水を止めるために、村の長が「絶対に堤防を高くすれば安全だ」と主張し、それに従って行動したとします。しかし、実際には、問題は堤防の高さではなく、上流の森林伐採によるものだったとします。この場合、村の長の「絶対」という確信は問題の誤解に基づいており、結果として、効果的な解決策を見つけられませんでした。
このたとえ話のように、「絶対」という考え方は、私たちを狭い視野に閉じ込め、真の問題解決を妨げることがあります。そのため、私たちは常に柔軟な思考を持ち、自分の考えや解決策に疑問を持つことが重要です。また、チームの力を借りて、様々な角度から問題を検討することで、より適切で効果的な解決策を見つけることができるでしょう。
最終的に、私は「絶対」という言葉を使うのをやめ、より柔軟な思考を持つようになりました。これによって、チームとしての協力を促進し、より効果的な問題解決へと導くことができるようになりました。とくに予測困難な現代においては、私たちが直面する多くの問題は複雑であり、多角的な視点からアプローチすることが、最善の解決策を見つける鍵となるかもしれません。


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