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楽しむ気持ちを捨てました(パフォーマー向)

サリトは年間、何百本という数のマジックショーを行なっています。

そしてたくさんの何かしらのショーやライブ、エンターテイメントを実際に見て体感するようにしています。

サリトの人生において、こういったエンターテイメメントを楽しむ気持ちはとうに捨てています。

マジシャンを仕事にしてからは、一切ありません。

他の娯楽でもそうです。

ただの普通のボードゲームにせよ、テレビゲームにせよ、お笑いや音楽のライブ、観劇、映画、水族館や動物園、美術館や博物館、遊園地やお化け屋敷などなど・・・

挙げ出したらキリがありませんが、
全てにおいて「楽しむ気持ち」はサリトにありません。

何故かと言うと、
「自分自身がただ楽しむだけの時間」をもったいないって思っちゃうからです。

その「自分自身がただ楽しむだけの時間」を「勉強の時間」に回せば、他と差を付けれるチャンスだと思っています。

例えば、
A、1つショーを1回目は楽しむだけで見る。そして2回目で勉強だと思って見る。

B、1つショーを1回目から勉強のつもりで見る。別のショーも1回目から勉強のつもりで見る。

単純計算でAとBを比べると2倍勉強している事になります。

そしてさらに見る回数をそれぞれ100回として考えると、
Aはそれぞれ2回見なくては勉強できないとなると、50ショーしか見れませんが、
Bは100ショー見れます。

それが更に200、300と増えた場合、更に比例して差は開くばかりです。

そう考えると、楽しむ時間って非常に勿体無いと思いませんか?

なので、サリトは楽しむ気持ちを捨てました。


更に言うと、
サリトは元々、何事にも感動しにくい人間です。

ドラマや映画などでも、
「結局作られたモノ・・・」って思ってしまいます。

感動の涙を流した事がないのです。

何事にも基本的に否定から入り、何かを心から楽しむ事ができにくい体質なのです。

なので、無理に楽しもうとするより、その感情を完全に無にする事で、
完全にインプットの時間、吸収の時間だと思って割り切り、
勉強の時間って事にしています。

ですが、エンターテイメントを作る人間としては、エンターテイメントを楽しむ気持ちそのものは、とても大切である事も事実だと思います。

エンターテイメントの楽しさを理解していない人間には、
エンターテイメントを作るのは難しいと思います。


そう言った意見もわかりますが、1歩引いた目で常に見る事で生まれる利点もあります。

個人的な好みや主観などが入りにくくなり、冷静な判断ができます。

感情移入しない事で、この作品の何が素晴らしいのか分析をしやすくなります。

この演出をなぜこの演目に組み込んだのか?

この構成のどこが良いのか?

この作品の認められている理由はなんなのか?

などなど

本当に楽しいのかどうかなどは、他のお客さんの反応で十分にわかります。

例えば
演者が最後のキメポーズをした時には、当然、サリトは拍手をします。

それが素晴らしいショーであれば、誰よりも大きな音で頭より上の高い位置で拍手を演者に対して精一杯送ります。

ただ心の中では「無感情のサリト」が必ずいます。

その無感情のサリトは何を考えているかと言うと、
立ってまで拍手をしている人は全体の何割を示しているか?
更にその人はどんな表情をしているか?
他の人達はどんな感じで拍手をしているか?
どんな笑顔をしているか?

更に演者のそのポーズの理由、腕の角度、足の開き具合、胸の張り方なども見でいます。

そして、サリトも真似できそうな所を見つけます。

サリトのパフォーマンスに応用できそうな所を探します。

更に、それと同時に
「あ、今のところタイミングが違うな・・・」

「さっきはもっとこうした方がフリが効くのに・・・」

とかダメ出しも考えてしまいます。

更に更に、
「サリトだったら、ここはこうやる」

「もっと赤い照明だけにした方が良い」

などと改善点も考えます。


そして、それらを全て携帯なり、ノートや手帳にメモします。

全ての演目から、良い所、悪い所、改善点、自分に応用できそうなモノまで



楽しむ気持ちを捨てた結果

  1. 一般の人より勉強できる

  2. 観客の反応を冷静な判断で見る事ができる

  3. パフォーマーの細かい動きまで見る事ができる

  4. 良い点を分析しやすくなる

  5. 悪い点を見つけやすくな理、改善点が閃きやすくなる

  6. 自分に応用できるものを見つけやすくなる

  7. 没入しないのでメモしやすい


このように、サリトにとって
エンターテイメントを1歩引いた目で体感するのは
利点しか生まれません。

だから、楽しむ気持ちを捨てたのです。

全ては自分のパフォーマンスに少しでも役立てる為です。


あくまでもこれはサリトの完全な個人的な意見ですので、
そうしなくてはダメだと言う訳ではありません。

こういう風に自分の向いている方にシフトチェンジするのも、
成長には欠かせない事だと思います。


サリトは
生涯、エンターテイメントを心から楽しまない事にしました。

少しでも完成度の高いエンターテイメントを、
一人でも多くの人に楽しんでもらう為に・・・

ワーワー言ってますが、お時間です

でわ、またっ!!


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