住宅街、駅前の路面店として思うこと。

札幌市電の『石山通電停』の目の前、徒歩30秒という立地。
住宅街であり旧商店街でもある電車通り沿い。

「駅前で立地いいね」「ガラス張りだから商売しやすそう」
みたいなことをお客さんや知り合いからよく言われる。

もしお店をこれから出そうと思っている人がいるなら宣言しておきたい。

まじで通りがかりの人なんて入ってこないから期待すんな、と。


お店をやる人や従業員の目線、考え方は基本的に主観になりがち。
一方で外を歩き、店の前を通りかかる通行人の目線や考え方も主観的。

意図せずして客観性はそこに生まれないんです。

お店をやるあなたは一度真剣に客観視してみればいい。
自分が通行人だとして、目的地に向かう途中でお洒落なカフェがあるとする。黒板には今日のおすすめメニュー。コーヒー、おやつ、サンドイッチ。

よっしゃ入ったろ!となるでしょうか?

余程暇でアテもなく散歩していたとか、カフェないかな~の散策だったとか。そうでもなければ入る理由はないと思う。目的地に急ぐだけ。

「へー、今度行こ」が関の山だと思う。

だからね、どんなに黒板を立派に書いても、外装をおしゃれにしていても、通りがかりの人は入らないのが「普通」なんです。

お店のロケハンをする時には、どんなに路面店だろうとその事実は変わらないということを頭に入れた上でテナントを探した方がいい。

じゃあメリットは何なのさ!
ということになりますね。笑

①宣伝が必要ない

うちは看板すら作ってません。
だから遠くから見たら、そもそもお店だってわからない。
近く見てもすごーく質素に見える。
それでいて路面店かつガラス張りなもんだから、店の前を通りかかる人や、道路の反対側の人、信号待ちの渋滞でお店を覗く人など、多くの人に中途半端な感覚で認知されています。

なんとなく認知されていることで、周知のための広告宣伝はあまり必要にはなりませんでした。

そのねじれの位置にある環境がちょうど良いんです。味とでもいうか。

お客さんは自分だけの隠れ家だと感じてくれるみたいで、リピート率が非常に高いです。店構えだけでいうと非常に入りづらい&路面なのに変に目立たない雰囲気なので、せわしなく人が出入りすることもなく。最初の入店のハードルを超えたお客さん同士には自然と共感が生まれ、店内で初めましての会話が始まることもしばしば。お店のテーマでもある「サードプレイス」を実現する結果となっているわけです。

②メディア映えだけは一丁前

雑誌に取り上げられることも多々あるわけで。
どこにあるんだろう?ってアクセスを見たときに、最寄り駅から徒歩10分以上、Pなし。なんてことになると、やはり客足伸びず。余程の見返りがない限りは行かないですよね~。

その点『石山通駅から徒歩1分』っていう字面だけでもうアクセス◎

きっとこの序列は札幌でいうと、「地下鉄東西・南北線 > 地下鉄東豊線 > 札幌市電 > JR駅 > バス」になるんだろうな。

③もう無い

無いです。もうメリット思いつかない。
何かあるなら教えてほしいくらい。
実際お店をしていてメリットに感じることは、外を歩く常連と目が合ってしまったら、そのままお店の中に入らざるを得ない空気を作れる。くらいのもんです。


これからお店を始めようと思っている人が、一番苦労するのが物件探しだと思う。うまく探さないと、条件のいい物件には中々入れまい。

物件探しのヒントになるかはわからないですが、路面店の1階である必要は必ずしもないかなって。その土地その場所で雰囲気は違うし、そこにフィットできるかどうかが決め手であってほしいなと思います。

現場からは、以上です。笑

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