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料理人への道(2)

料理の原点のひとつは祖母である。
母方の祖母と叔母のさっちゃんは鳥取県倉吉市というところでいせやという
豆腐屋を営んでいた。

私は奈良で育ったので年に1度しか行けなかったが
祖母の家の記憶はしっかり残っている。
家を入ってすぐ左手に豆腐工房。
手前には豆腐を冷やす水を張った水槽のような冷蔵庫。となりに水切りや豆腐をとりだす板を並べた棚、奥には油揚げを揚げる2槽になった大きな揚げ場があった。
豆を計るおと、香り、人が働いて食べ物ができていく様子。
なんかすごく好き。わくわくする。ここがいい。
さっちゃんがお揚げをあげる側で観ているのが
おちびの私は大好きだった。
あぶないで。と言われながらも豆腐がぷくぷくお揚げになって行くのは
魔法のようでずーっとみていても飽きることがなかった。
そしてそのお揚げは大層美味しく、分厚い三角で中までしっかりあがってぱりぱり。
家のそばのスーパーで売っているものとは同じ名前のものとは
思えないほど美味しかった。
祖母が歳をとってお店をたたんだので
あのお揚げはもう食べれない。
たまに無性に食べたくなるもののひとつである。

今は長岡京のあらいぶきっちんさんと楽天堂さんに売っているまめやさんのがお気に入りです。

#おばあちゃん #料理 #鳥取 #美味しい豆腐 #エッセイ



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