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人嫌いになりそうな時に読んだら良い本

今日紹介する本は
Situations Matter: Understanding How Context Transforms Your Worldです。残念ながら日本語版は無いようです。

一応、アマゾンリンク:

2011年の出版で、私が読んだのも数年前なので思い出ですが、ずっと心に残っていて、例えば偏見を持たれて悔しい時、他人の行動に腹がたった時、理不尽な社会に希望が持てなくなった時、夫婦で意見が食い違って喧嘩になった時(笑)、

あ。そうだった。
Situations matter
だったって思い出すんです。

まあ簡単に言えば「罪を憎んで人を憎まず」の拡張版ですかね。「罪」どころか日常の自分たちの行動や判断も、個人の性格よりも状況が作り上げている、その影響が大きいということを具体例を挙げながら、タフツ大学で社会心理学を教えているSam Sommers教授が説明してくれます。

米国の司法制度、裁判制度における心理的な影響の研究をしている先生です。

この本の良かったところは、どんなにモラルが高くて頭良い人でも、急いでいたり、周囲に合わせたり、生まれ育った環境で無意識の偏見があったり、最善の判断がパッとできるもんじゃない。人間そんなもんなんすよって、

自分がダメ人間なのは仕方が無いと諦めさせてくれる。

そして、それぞれが違う状況の中で生きてきて、たまたまその環境のその瞬間のその状況でそういう考えや行動に至った。その人にとってはそれが判断材料だった。自分もその人と同じ状況だったらそうしたのかもしれない。

更には私も他人から見たらイミフなんだろう。

つまりムカつくアイツも自分と大して変わらない。

となると、私たちに争う意味はあるのだろうか?
お互いを尊重し、話を聞き誤解を埋めていく作業、お互いに譲れるところで交渉して落としどころをつけていく作業に徹する方が合理的ではないか?

って、読み進めているうちにどうでも良くなってくるんです。

ハッ!

もしかしたら、この先生はこの本で私の行動を操っているのでは!笑

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