アウトプットをするという事

 アウトプットというと、皆さんは何が大切だと思いますか。
 これからアウトプットでは何が大事で、アウトプットをすることで何が得られるのかを説明していきます。
 小説を書かれる方、漫画を書かれる方、つまりお話を作る上でとても重要なことです。
 読んでいただけると幸いです。

アウトプットでの重要性

 一番先に結論を申しますと、
 物語を書き終えること
 これが一番重要です。

 そして、二番目に重要かつ見落としがちなのが、
 書き終わった作品を第三者に公開すること
 です。

 一番目の「物語を書き終えること」に関しては、「書き終わらないと何も始まらない」という点でとても大きな要点になります。
 終わらなければ、それを評価することができません。何が何でも、文章なり漫画を書ききることが、後の自分のためになります。「評価」という言葉を使いましたが、本来の評価の意味ではなく、それがひとつの話として成り立っているか、成り立っていないかの判断という意味です。
 例えば、「ファンタジー世界でオチは“実は現代でした”とする」という物語を頭の中で考えて形にしていきます。しかし、途中でその物語を放ってしまうと、オチの部分がこの物語にどういう効果・作用をもたらすのかが分かりません。そして、それが本当にオチとして完成されていたのか、目の前に作品がないと客観視ができないのです。
 それと、作品を完成させない癖が付きます。
 分かりやすい例ですと、同人即売会に向けて原稿をする。だけど、癖のせいで新刊の話を途中で放る。新刊を落としました。
 これの繰り返しとなって、新刊を落とし続ける人になるのです。

 第二に「書き終わった作品を第三者に公開すること」ですが、これについては非常にしていない方が多いケースだと思います。
 作品を、SNSでも、専門サイトでも、同人即売会で本で出すとしても、とにかく第三者の目に触れることがないならば、それは「ない」のと同義です。
 他者のローカル保存の作品など見られる筈がないので、第一に言った「目の前に作品がないと客観視できない」ということに繋がります。
 第三者に作品を見てもらうことで、自分の癖というか、パターンが見えてきます。この癖が、自分にとって良いものなのか、悪いものなのかの判断は自分がするとして、「ああ、これは〇〇さんの作品だ」と自分のパターンを他の人に見つけてもらうのです。
 そして、そのパターンが分かることで、「今回は自分の強みを出そう」とか、「これは少し文体、雰囲気を変えた方がいいな」と自分の強みの広がりになります。
 だから、第三者の目に自分の作品を公開することが重要なのです。

物語を完結させる方法

 ここからは物語を自分が飽きる前にどのように素早く終わらせるかという課題に移ります。
 私の場合が特殊すぎるので、一般論を話します。

小説の場合

 小説の場合は、後でいくらでも自由に編集ができるので、まず物語の軸となるプロットを作っていきます。
 簡単に例えるなら、料理のレシピのようなものです。
「洗う、切る、煮る、焼く、皿に乗せる」
 これがおおざっぱに言えば、プロットです。
 今度はプロットを元に骨格となる文章を作っていきます。
 この時に重要なことが、文章をできる限り簡潔に述べることです。
 先にも申しましたが、小説の場合は後からでも自由に修飾することが可能です。
 物語の完成を目指すなら、この骨格となる文章を如何に早く仕上げられるかがその可否にかかっています。とりあえずプロットをなぞり、プロットから骨格の文章を書きます。これだけで作品の完成への道が近くなります。
 あとは骨格ができている訳ですから、自由に「ここの描写がまだ足らないな」と思えば、文章を足していけばいいのです。

漫画の場合

 漫画の場合は話が異なってきます。
 小説では後から文章をいくらでも足せるので、簡単なプロセスでしたが、漫画は、プロット→ネーム→作画と3回もその作品を繰り返し見る必要があります。
 プロットは小説と同じです。
 ネームは物語の全てを決める重要なプロセスです。ネームで、コマ割りも、物語のテンポ感も練らないと、後から修正が効きません。ネームは一種のパズルです。コマをどこに配置するかによって、後の物語が大きく変わってしまうことがよくあります。だから、ネームの時点で捏ねくり回さないとならないのです。
 しかし、そんなことをしていたら、作品の完成まで遠のくばかりです。だから、ネームでパズルをしっかりとして、写植(セリフ)の内容と位置も正確に決めて、ネームの全てのページが終わったら作画に移ります。
 漫画は作画に移ったら大幅な修正ができないので、このネームで一旦物語を完結させましょう。それだけでも物語を書ききるという癖が付きます。

結局のところ、癖を付けることが重要

 どんなに辛かろうが、とにかく最後まで書く!
 これを徹底していれば、自ずとアウトプットのスピードが上がります。
 プロットはとても大切な骨組みなので、作った方が無難です。それに、「自分は最後にこの話を書くのだ」とゴールも見えるので、心の支えとなります。
 そして、自分の創作物はとにかく世に出してください。
 他者から見られることで分かることがあります。
 物語の完成はあなたにしかできないのです。

【補足】
 上記のことを偉そうに書きましたが、自分はオンタイムで書く人なので、プロットもネームもなく先の見えない状態で書いています。
 圧倒的スピードを得られますが、その反面、自分でも話が分からないまま終わってしまうことがあるので、皆さんは真似をしないようにしてください。

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