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そるとが人生を考えてみた

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感受性が豊かで心身に不調を抱えてきたわたしが、人として生きることを考えてみた。
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#精神疾患

わたしが自由を手放して、取り戻すまで

わたしは庭を持っていた。 広い庭で、木々が植わり、草花が生い茂り、虫たちがいて、土の香りがする。 四季折々の様相を見せるのが楽しみだった。 * 母親がやって来た。 「雑草は汚いから抜きなさい」 「でも、活き活きとしてきれいだよ。それに、雑草っていう草はなくって……」 「言うことを聞かないと、ご飯をあげません」 子供のわたしは何も言えなくて、そのうちに植木屋さんがやってきて、一面の草花を抜いて、すべてゴミ袋に入れた。 茶色い土が見えて、虫たちはいなくなった。

わたしを厳しくジャッジしていたのは、わたしだけ

成果を上げなきゃ、認められない。 からだに鞭打ち、外の世界を凝視して生きてきた。 けれど、からだが動かなくなって。 どうしても成果を上げられなくなって、とても怯えて過ごしてた。 どんな言葉で罵倒されるのだろう、とか、 ご飯が食べられなくなる、とか、 存在を否定される、とか、 色々考えて、目の前が真っ暗になった。 でも、そのいずれも実現しなくって、 わたしは虚構の世界で生きてきたことを、思い知った。 ひとは、わたしのことにそこまで興味ないし、 わたしを厳し

弱いまま堂々と生きる。

わたしは弱い。 生まれつきの感受性の高さが、世の中に合わず。 こころとからだをすり減らし、弱くなってしまった。 こころとからだの不調を"アクセサリー"として持ったり、 「生きづらい」なんて言っちゃったり、 「発達障害」かと疑ったり、 「繊細さん」だなんて名乗ったり。 人間は人の性質をなんだって"勝手に"定義するし、正直、なんであろうが構わない。 あまりになんやかんや言われ続けたら、「うるせえ」ってなっちゃう。(口が悪い) さて。 わたしは弱くて構わない。

わたしとして生きる意味を。

わたしは否定された。矯正されそうになった。 仕事で「この方法は駄目だ」「変えなさい」と言われた。 「今のわたしのままでは駄目だ」と今まで築いてきた"わたし"を完全に否定して、根本から塗り替えようとした。 それが大きな間違いで。 手を付けた根本から、わたしは崩れ落ちた。 「"わたし"がこの仕事をする意味はあるのだろうか」と正常に感じていたけれど、その思いを踏みにじり、進みすぎた。 昔から否定されることはあった。 感情を否定し、"わたし"がもう分からなくなっていた。