ホテル日和:帝国ホテル オールドインペリアルバー
みなさまごきげんよう。
ぐっと冷え込みましたが、いかがお過ごしでしょうか。
きょうは先日訪れた帝国ホテルのオールドインペリアルバーをご紹介いたします。
帝国ホテルは今年で開業から130年。
迎賓館としての役割を担って生まれてから接遇/おもてなしの面で常に国内最高峰とされてきました。
そんな風に言われちゃうと、慣れないうちはちょっと敷居が高いのでは?と思ってしまうかもしれませんが、逆です。
そのおもてなしは温かく、細やかなこころくばりで訪れる人を包み込むようにもてなしてくれるのです。
帝国ホテルはこれまでに宿泊が一度(もう20年も昔ですが...)、そのほかインペリアルラウンジ「アクア」、ランデヴーラウンジさんなどを利用して参りましたが、今回はじめて「バーに行ってみたい!」という個人的好奇心と欲求を満たしに「オールドインペリアルバー」を尋ねてみたのでした。
オールドインペリアルバーの室内装飾の一部にはかの有名な「ライト館」の面影を残す箇所もあるので、フランク・ロイド・ライトの建築美に触れてみたいと願う人ならばどうしたって訪れたい場所だと思います。
因みにですが、わたくし個人はフランク・ロイド・ライトという建築家と、ライト館というものを知ったきっかけは明治村の帝国ホテルを訪れた時でした(笑)。
ちょうど今年の引きこもり月間中に帝国ホテルに関する様々な本を読んでおり、その一部として、ライトの人生とライト館に焦点を当てた著書なども読んでおりましたので、店内で「あれがあの大谷石..!」ですとか、「ここがテラコッタの部分...!」など、勝手にひとりで感動しておりました。
そんなこんなで「バー」というものをほぼ初体験で訪れましたわたくし。
普段からアルコールは好きでいただきますが、カクテルの知識はほぼなく、バーをどう楽しめばいいのかもさっぱりです。
そんな時はムリして「シッタカブリ」や「慣れているフウ」を装うよりも、それを糸口にお店の方と会話を楽しみます。
スタッフの方は感情を持つ人間です。ロボットではありません。
席へ案内したり配膳するだけがお役目ではありませんし、何より心の通った交流が持てるとお互いにより良い時間が築けます。
今回はわたくしは敢えて席へ案内してくださったスタッフの方へオールドインペリアルバーへ来るのが初めてであること、そもそもほとんどバーへ行ったことがないことをお話しました。
その上で、お勧めのカクテルやバーでの過ごし方をお尋ねしましたら、とてもにこやかにいろいろと教えてくださいました。
最初の一杯としてお薦めいただいたのがシグネチャーカクテルでもある「マウント・フジ」。
なんとメレンゲを使っているというではありませんか。
「?!卵白?メレンゲ?想像がつかない~(笑)」
という会話を楽しむのも一興。
そうしてオーダーしたマウント・フジは開業当初からあるオリジナルレシピのままのもので、ジンをベースにしており、泡立てたメレンゲのほのかな甘さのあとでしっかりジンの強さが追いかけてくるようなお味でした。
提供されたときにグラスに飾られていたチェリーを見て
「日の出ですか?」と尋ねましたら
「はい、朝陽をイメージしております」
とのこと。
富士のご来光だなんて、なんて縁起が良いカクテルなのでしょう♪
入店時はカウンターが満席だったこともあり、テーブル席に案内していただいておりましたが、のちに「カウンターが空きましたのでよろしければいかがですか」と。
そうですよね!
せっかくのバー、カウンターの雰囲気もたのしみたいです♪
と、一も二もなく即答で「お願いします!」と。
カウンターに案内していただいてしばらくすると1杯目が空に。
バーテンダーさんが「次はどうされますか」と尋ねてくださいましたので、
2杯目もお薦めをお願いしつつ、普段はワインや日本酒、ウィスキーを嗜むことをお伝えしました、好みにぴったりのシャンパーニュを使った素敵なカクテルを作ってくださいました。
こちらは華やかながらもすっきりとした味わいのカクテルで、やはりベースがジンということもあり、後からしっかりガツンとくる感じ。
ふだん、ワインは3~4杯いただいてもあまり酔うことのないわたくしですが、カクテルは2杯でもしっかりほろ酔い。
こうしたしっかりとした紳士淑女が集う場所だと大声で話す方も、酔いつぶれるような飲み方をする方もいません♡
空間も上質で心地よく、素敵な時間となりました。
今回はバーでのお話でしたが、ふだんのレストランなどでもお店の方とのコミュニケーションはとても大切。
例えばあなたがあまりワインに詳しくなかったとして、それを恥じる必要はどこにもありません。メニューに書かれているフランス語が、どんな調理法を意味しているのか知らなかったとしても同じです。
ごくごくシンプルに、お店のかたに尋ねればいいのです。
ワインであれば、わたくしは多少の知識はありますが、敢えて自分一人で選ぶことはしません。
「お店の方とお話しながら次のお料理に合わせるならどういうものがよいだろう?」
「どちらかということ、こういうお味のワインが好きなのだけれど。」
「きょうはあまり杯数を重ねたくないから、お魚にもお肉にも合うものを一杯いただきたいのだけれど、お勧めはありますか?」
などなど。
お店の方と会話しながら選びます。
そうすることで、同じお店に何度か足を運べばお店のかたもこちらの好みを把握してくれて、「まだメニューに載せていないのですが、きょうはこんなワインが入りました。お好みに合うと思うのですが、よろしければいかがですか?」なんてお薦めしてくださることもあります。
そうやって、お店とのリレーションシップを築いていく。
シッタカブリをするのも、知らないことを恥じて無言を貫くのも、とてももったいないのです。
いただいたサポートはより分かり易く、お子さまにも楽しんでいただけるような教材づくりに役立たせていただきます。